• このエントリーをはてなブックマークに追加
岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『2001年宇宙の旅』でも予言できなかった未来像 2 】 完成しなかった巨大宇宙ステーション」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『2001年宇宙の旅』でも予言できなかった未来像 2 】 完成しなかった巨大宇宙ステーション」

2018-12-05 06:00
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/12/05
    ───────────────────────────────────
    今回は、ニコ生ゼミ11月25日(#258)から、ハイライトをお届けいたします。

    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

    ─────────────────────────────

     【『2001年宇宙の旅』でも予言できなかった未来像 2 】 完成しなかった巨大宇宙ステーション


     もう1つ、『2001年宇宙の旅』と、現実の宇宙旅行が、大きく違っちゃった部分があります。

     それは、月への行き方です。


     『2001年~』の主人公の1人、ヘイウッド・フロイド博士は、月へ行くために、3回乗り物を換えています。

     1つ目は、さっきも言った、今はもう倒産しちゃったパンナムの民間旅客機です。

     51c5546377f4964bbe3dba69c809227b8de57224

     パンナムということは、つまり「なんと、この時代では、宇宙へ行くために、NASAとかそういうところのロケットじゃなく、民間のロケットで行ってますよ」という意味で、映画が公開された当時としては驚きだったんです。

     このパンナムのロケットは “オリオン号” と言います。


     このオリオン号で、次は宇宙ステーションに行きます。

     e97bbe8093df6cb5883c35806c5a70401d9dde1e

     これが “第1宇宙ステーション” ですね。

     こういう構造になっています。


     オリオン号が飛んでいて、地球が見える。

     第1宇宙ステーションの中にはヒルトンホテルが入っています。

     ヒルトンの反対側にはマリオットのゲートがあるから、「ああ、この第1宇宙ステーションに行くと、ヒルトンに泊まるかマリオットに泊まるか選ぶことが出来るんだ」という事がわかります。


     この宇宙ステーションからさらに乗り換えて、月に行く時には “エアリーズ号” という月着陸船に乗ることになります。

     9479be0dc6cff2e1edc4870e15a87bf77a155cbd

     これ、形を見てわかる通り、大気圏内を飛べないやつですね。

     宇宙空間専用の月着陸船に乗って、月に向かいます。


     こういった乗り換えは、この映画が企画されていた1964年当時、実際に計画されていたNASAのプロジェクトに基づく未来予測だったんですね。

     これが、1952年から60年近くの『コリナーズ』というアメリカの有名な大判雑誌なんですけど、この中に、フォン・ブラウンが中心になって考えていた巨大なロケットの記事があるんです。

     3fca257beb1b21403fe92874c82d3b81173f6b81

     『コリナーズ』に載っているのが、これですね。

     e6c94ed6db0885b50c5bdd664c839f96f7a454f4

     「こんな超巨大なロケットを打ち上げて、宇宙空間に行って、それで宇宙ステーションにドッキングしましょう」ということを言っていたわけですね。地球から飛ばしたシャトルが、この丸い宇宙ステーションにドッキングします。


     そこから先は、また別の号の『コリナーズ』に載ってるんですけど。

     f9459320c8b4815f8ffc45fa3d4aa5ff0fffac7b

     こんな巨大な月着陸専門の宇宙船で着陸しようという計画だったんですね。

     この宇宙船もかなりデカいです。

    ・・・

     ここでのポイントは「宇宙空間で組み立てること」なんですね。

     宇宙空間で月に着陸する専門の宇宙船を組み立てて、それを月へ持って行こうという計画だったんです。

     実際にNASAも、そんなふうに計画していたんですね。


     これは、当時のプラモデルなんですけど。

     65ab5bbad53434b81ff54edbcf58b972fb5cf6dc

     当時、宇宙に行く方法はこんなふうに考えられていました。


     今、スペースシップワンとかでやっていることに、わりと近いんですけど。

     二段式の燃料をいっぱい積んでいる飛行機部分で、空気があるギリギリの高度まで飛んで、そこから先は子機がポンと射出して、宇宙ステーションまで飛んでいく。

     e68401b07b937d60cbce0ca5148b65b812326dad

     そして、宇宙ステーションに、小さい子機だけが合体して、中で乗り換える、というやり方です。

     fc897e571fc62041699993449744af25e652fc34

     それが終わったら、子機はまた地球へ帰る。

     すると、すでに地球に帰って、子機の帰りを待っていた親機と合体して、もう一度、宇宙へ飛び上がる。

     地球から宇宙へ行くために、こういったシャトル方式というのが、だいぶ前から考えられてました。


     この宇宙ステーションというのも、かなり巨大なんですよ。

     どれくらい巨大なのかというと、これって、さっき見せた “月へ行く宇宙船” を組み立てる、専用の宇宙ステーションなんです。

     だから、もうこれ工場なんですよ。

     1000人くらいが住んでるわけですね。

     そういう巨大な宇宙ステーションを考えていたんです。


     そんな宇宙ステーションで組み立てるのが、これまた巨大な、月へ着陸する専用の宇宙船です。

     1969cb8a1fbfa30a8b47748e47de99ddcec9ad41

     これが、フォン・ブラウンが考えていた “ムーンランダー” というやつですね。

     デカいです。

     どれくらいデカいかというと、この上の丸い部分の中に人が入るんですけども、これの大きさが、ほぼ直径10mくらいのボールだと考えてください。

     全長が49m。ほぼ50mです。サターンⅤ型の半分くらい。

     こんなものを飛ばそうとしていたんですね。


     なぜかというと、これは宇宙ステーションと月の都市を往復して、資材を運ぶためのものだから、なんです。

     なので、直径10mくらいのボール状の燃料タンクとか、人間を乗せる部分があるんです。

     これが月へ行って、それらのタンクを全て降ろすと、降ろしたタンクの外装が資材となって、月の基地の材料になるんです。

     このボール状のものを、そのまま月に半分埋めて、基地として使うわけですね。

     そして、このタンクがなくなったガランドウの状態で、また宇宙に上がって行って、宇宙ステーションと合体する。これが、何度も往復すると考えたわけです。

    ・・・

     ちなみに、このムーンランダーには、4本の脚が付いているんですけど、この真ん中にあるやつは、実は “巨大なバネ” なんです。

     47e87a9c8a1bfcf69fe0ba0fa7d9b315ccfc4e62

     この1本だけが他の脚より長く伸びていて、着陸して地面に当たる瞬間に、このバネの部分が地面に当たって、グシャッと衝撃を和らげてくれて、ドーンと着陸する。

     着陸した後も、みんなこの宇宙船からエレベーター使わないと降りれないという、結構とんでもないものを、フォン・ブラウンは考えてました。


     最近になって、ようやっとこのプラモデルが発売されました。

     1万円くらいです。わりとパーツの合いが良いんですよね。

     宇宙モノのプラモで合いがいいというのは、わりと珍しいんですけど(笑)。

     みなさんも、どうぞ買って楽しんでください。


     ということで、これがムーンランダーという乗り物で、見てわかる通り、宇宙空間専用なんですよ。

     というのも、こいつが地球上に降りてきたら、脚とかが脆くて、とても着陸できない。

     地球上に置いたら、自重だけでグチャグチャと崩れてしまうような設計なんですよ。

     6分の1の月の重力でようやっと立てる。

     つまり、宇宙ステーションで組み立てられる “宇宙の子供” なんですね。


     地球から来る宇宙船は、宇宙では頑丈すぎて、要らないんですよ。

     アポロの月着陸船ですら、頑丈過ぎるんです。


     地球に置いていた時には「壊れやすくて困る」と言われていたんですけど、宇宙ではあんな強度いらないんですよ。

     宇宙空間に持って行った時、なんとか成立する程度の強度が一番良いので。

     これは、そういう世界での運用を考えられた宇宙船ですね。

    ───────────────────────────────────

    動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive

    ───────────────────────────────────

    いかがでしたか?

    「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

    番組内で取り扱う質問はコチラまで!

    よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
    みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
    だから僕は、質疑応答が大好きです。

    みなさんからの様々な質問をお待ちしています

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
         ヤムアキ
         起こしのヤスタカ(FREEex)
         歴史のカオリ(FREEex)
         マグネシウムのタツヤ(FREEex)

    ───────────────────────────────────


    岡田斗司夫
    and
    Special Thanks To読者のあなた
    ───────────────────────────────────
    Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
    ───────────────────────────────────
    ■お問い合わせ
    有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
    『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501
    チャンネル会員ならもっと楽しめる!
    • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
    • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
      • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
      • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
    ブログイメージ
    岡田斗司夫ゼミからのお知らせ
    更新頻度: 毎日
    最終更新日:
    チャンネル月額: ¥550 (税込)

    チャンネルに入会して購読

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。