岡田斗司夫の毎日ブロマガ「地図を描くと分かりやすい『風の谷のナウシカ』研究」

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ　2019/01/22
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今回は、ニコ生ゼミ01月13日(#264)から、ハイライトをお届けいたします。

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　「地図を描くと分かりやすい『風の谷のナウシカ』研究」

　

　これは1月6日分(#263)のニコ生ゼミでもお見せした『風の谷のナウシカ』の、“風の谷” の地図です。

　大体この中でドラマの前半は展開していくんですけども。

　酸の海があって、向こうに腐海があると。

　それで、この砂漠 自体が高度1000メートルぐらいの台地になっていて、この海との間にはかなりの段差があるという。

　ここが1000メートルぐらいの台地で、ずーっと谷を下りながら、細い渓谷が曲がって走っていて、城があると。

　そして城の上に村があると。

　まぁ、地形的にいうと、城がわりと低い位置にあって、そこからさらに低くなっていて畑が広がっていくと。

　こんな感じです。

　

・・・

　それで巨神兵を運んできたトルメキアの飛行機が墜落したのが、この赤丸の墜落地点のあたりですね。

　

　その後、トルメキアの軍艦が飛んできたのが、この谷から侵入して入ってきたと。

　だから、かなり悪意のある襲撃だったというのが分かりますね。

　

　これが海側から来たんだったら、谷から見えたのに。

　オマケに海の方、いわゆる腐海の胞子が無い方向から入ってくるので、それだったら安全だったんです。

　けどもトルメキアの軍艦は、わざわざこの腐海の側から胞子をくっ付けた状態で、渓谷の方から風の谷に、突如 現れるような形で侵入してきて。

　それでこの城の手前にですね、この村の真ん中辺りに強制的に着陸して、そのまま城に取り付いて制圧したわけですね。

　それでナウシカたちは、ちょうどその頃はこの墜落位置の辺りで作業に当たっていたので、ハッと見上げるともうトルメキアの軍艦が入ってくるのを目撃する事になったわけです。

　この辺の地形を利用したトルメキアの悪辣な襲撃と、「何でナウシカがあんなに怒ったのか？」というのが、これでお分かりになると思います。

　正々堂々としていたら海から来るはずなんですよ。

　けどもそうじゃなくて、谷の合間をわざわざ潜って来て、強制的に着陸したっていうのが悪いわけですね。

　それで、その後このトルメキアに占領された村では、墜落位置から巨神兵の卵というか蛹を、畑を突っ切って城の方へ運んでくるわけですね。

　畑を運搬作業で引っ張り上げたけど、それは何でかっていうと、畑がゆっくりとした段斜面になっているので、ここの斜面を引っ張って上げてきたわけですね。

　それでナウシカたちが別の所へ行っている間に、村では「やっぱり胞子だ！」という事で、「この木はもう焼かねばならぬ」「ババ様！」って言ってたときに、「村の水を守ってくれた」といっていました。

　つまりこの貯水池の近くの辺りのブドウ畑の木がやられたわけですね。

　それでこの木がやられたので、村の者達が城へ行って「我々の燃やす道具（火炎放射器）を返してくれ」と言います。

　それで城のトルメキア軍が「しょうがないなぁ」と言って貸してあげて、貯水池側のブドウ畑で焼いているんですけども、村に人たちはついに怒って武装蜂起に出て、今度は城を襲う。

　つまり貯水池側のブドウ畑で働いていて、そこから坂道を下り降りるようにして攻撃したから、城の方は防戦になってしまったわけですね。

　この辺の上側を一度取ったから、戦闘がちょっと有利に働いたと。

　しかし最終的にトルメキアの正規軍に押されて、村の人たちはどんどん坂を上がらざるを得なくなり、冒頭でユパがすごい砂嵐の中を延々と下ってきたこの崖の道を村人達はもう一回上っていった。

　それでこの砂漠に出てですね、さらに蟲よけの塔を越えて、宇宙船に立てこもって、トルメキア軍と対立するようになったわけですね。

　こういうのを見たら分かるとおり、やっぱり一回 地図を描くと、どういう事があったのか良く分かるんですけどもですね。

　この住民達の武装蜂起というのが、どれぐらい命がけだったのかっていうのが分かりますよね。

　

　つまり、普段、自分達はこの谷の風によって守られている村にいるわけです。

　しかし自分達がこの谷の上から城に向かって戦闘している限り、そこから退却すると、貯水池を越えて、この谷を上がっていってしまう事になる。

　それを上がっていって、胞子の砂が付いた危険な地帯を上っていって、この宇宙船の辺りに住むしかないんですね。

　だからもう本当に風の向きが少しでも変わっちゃったら、自分達の命に危機があると。

　そういう命をかけた反乱だというのが、この地図を見れば分かると思います。

　

・・・

　こんなふうに地図を描くと、凄く分かりやすくなるんです。

　最終的に王蟲が襲ってきたのは、この腐海を越えて、酸の海を越えて来た。

　この酸の海も実際は直径100キロあるんですから、もっと巨大な酸の湖なんですけども。

　これを越えて、西側から来るわけですね。

　それに対して復活した巨神兵は、城からずーっと山の渓谷を上がって来た。

　この蟲よけの塔がある砂漠の砂山がピークですね。

　そこを越えて対決する事になったわけです。

　風の谷のナウシカは位置関係的にはすごく分かりやすい話なので。

　またこの地図はそのうち僕のブログにアップしますので、『風の谷のナウシカ』の研究に使っていただければいいと思います。

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