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アポロ50周年ブームも、本格始動の様相を呈してきました。
アポロ計画を語りつくす「岡田斗司夫ゼミ」第一弾から見直してみるのはいかがでしょうか。
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……が、なかなか上昇しません。
このロケットの重量は12.5トンもあるんですけど、このうち9トンが燃料と酸化剤の重さです。
なので、ものすごいゆっくりしたスタートなんですよ。
なぜかというと、もうすでに0.5トンが燃えたことによって、だいぶ軽くなってるんですけど、この先は1秒間に125キロの燃料を燃やすので、秒速0.1トンずつ軽くなっていくんですよ。
ロケットの噴射速度は一定でも、重さが軽くなっていくわけですから、どんどん上昇します。
そのまま加速は止まらずに、オランダの海岸線で発射したこのロケットが、ハーグの街からも見えるくらいの高さまで、一気に上昇していきます。
目的地であるロンドンの方を向いてません。
というのも、このV-2号というのは、実は開発からかなり長い間、垂直にしか飛べなかったんです。
なぜ、垂直に上昇するのかというと、タンク内部に収めた9トン近い燃料と酸化剤は、垂直の状態でないと形を保てないからなんです。
もちろん、タンクが空っぽだったら横倒しにもできるんですけど。
そうですね、「全長15mのサイズの物体を、アルミホイルよりちょっと強いくらいの素材で作っている」と考えてください。
その中に水をタプタプに入れて横倒しにしたらボキッと折れちゃいますよね?
なので、垂直でないとダメなんですよ。
垂直だったらようやっとこの9トンの燃料を入れて、ロケットを動かすことが出来るけど、まだ1トンくらいしか燃料が減っていない段階で、ロケットをロンドンの方角に向かって斜めに傾けちゃうと、中の液体が下の方に溜まって、その重みだけでロケットはグニャっと折れ曲がって爆発してしまうんですね。
この富士山の高さをクリアするくらいになって、ようやくロケットは音速を突破して、マッハ1に達します。
この時の音速の壁を破る「ドーン!」という衝撃音を聞くことで、下にいるドイツの兵隊達も、やっと「ああ、打ち上げが成功した!」とわかったそうです。
ここから先は、この大きい模型を使って説明するのが怖いので、35分の1のスケールの模型を使って説明します。
打ち上げから25秒経ったロケットは、まだ垂直に上昇しています。
高度3.5キロです。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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