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「【5月のお便り紹介 その3 】面倒くさい質問」
タオルくん:今週はお便りスペシャルです! 今度は難しくて面倒くさいお便りがいっぱい来たぞ! さあ岡田、答えてみろ!
そんなの、もう、答えられるはずもないし、そもそも、質問の意図も不明なんですよ。
「それを聞いて、お前、どうするの?」って。
僕が当たったことを言ったとしてもですね、活かせないことも多いし。
「こういう回答不可能な質問に、どう答えるのか?」と考えること自体はすごく面白いからですね。
昔、漫画家の田中圭一さんがTwitterでこんな事を言っていました。
少年マガジンの部数がジャンプに抜かれた時、ある漫画評論家は「アンケート至上主義で人気を稼いでも『巨人の星』『あしたのジョー』のような傑作がジャンプから生まれることはない」と語った。
ところが、その後どうなったか?
漫画史に輝く傑作が次々と。
今、同じように漫画雑誌の編集者から「SNSから出てくる漫画は出落ち系やその場で消費されているような漫画ばかりだ。これからドラマ性の高い骨太の漫画が出てくるとは思えない」という意見を聞く。
なので、単に漫画雑誌とネットの対立関係ではなく「描き下ろし単行本 → 月刊 → 週刊 → ネット」という、この流れで見るといい。
それと同じで、ネット自体の漫画というのは、基本 “毎日” なんですよ。
日刊どころか、1日に3本くらい出さないと話にならない。
つまり、1日に3回盛り上がりがなきゃいけない。
月刊誌が50ページ載せていたのに対して、週刊になると、だいたい18ページになったんですけど。
僕はネット時代の漫画は、毎日掲載が当たり前になると思ってるんですけど、それは1コマから3コマでいいと思うんですね。
絵はそれなりに描いてある必要があるんですけど、「その日に描ける分だけ」ということで、1コマから3コマでいいと思うんです。
だけど、1コマから3コマを毎日毎日発表して、それが1コマごとに面白い必要がある。
そこが難しいところですね。
なので、ネット時代というのは「毎日面白い山がある」という、大喜利のフリップみたいな、「絵を見て一言」みたいなものになるかもわかりません。
まあ、多くても3コマくらいのものを、1日に最低1回、出来れば3回というのが、これからの漫画の姿だと思います。
さて本題に移ります。
ここ最近、『アベンジャーズ』や『ゲーム・オブ・スローンズ』など世界中にファンを持つ、スケールの大きい作品が幕を閉じました。
ビッグバジェットの作品として、満足度も完成度も、1つの臨界点に達したように思われました。
そこで質問です。
次の映像産業におけるヒットの流れはどのようなものになると予測されますか?
――――――
『カメラを止めるな!』という去年のヒット作品があって、あれも低予算だったんですけど。
まだまだ予算が掛かり過ぎている、と。
つまり、プロが作る映像とか娯楽以外に、アマチュアというか、全世界のYouTube作家の人達が色んな作品を作って公開する。
その中には、ものすごいお金を掛けて、たとえば「1千万円掛けて〇〇を買い占めてみた」というような3分の動画を投稿する人もいれば、全くお金を掛けずに、近所を撮ったり自分が喋っているのを撮ったりするだけの、10分とか15分の動画を投稿する人もいる。
つまり、毎週165分。
1年で137時間。
僕は新作の動画を延々と提供してるんですね。
この「1年間で137時間」というのは何かというと、アニメ1話を24分で換算すると343話分、僕は皆さんに動画を提供しているんですよ。
これ、1クール12話のアニメとして換算したら、28シーズン分も提供しているんです。
これは全盛期の『ガンダム』や『イデオン』をやっていた時の富野さんよりももちろん多いし、それどころか、現在のサンライズや東映動画より動画生産量が多いんですよ。
「僕個人で」ですよ?
さらに、そのうち半分以上を、無料のYouTubeで公開しています。
これは「どのYouTuberも全盛期のジブリの映像生産量の10倍くらいをやっている」ということになるんですよ。
こと娯楽産業に関して、この無料でどんどん提供するという流れは止まらない。
大きな流れでは、そんな無料の中から「じゃあ、ここから先は有料です」という、今、僕がやっているような形になって行ってしまう。
ビッグバジェットの映画というのは「そういうので成功してから持っていくようなもの」になると思うんですね。
だから、ひょっとしたら僕も、5年後くらいの将来、いきなり予算3億を掛けた岡田斗司夫ゼミというのを、イタリアのチネチッタ辺りの映画撮影所でローマの街を再現した上でやるかもわかりません(笑)。
今回の話を聞いて、「ムーミンパパ海へ行く」のエピソードが東村アキコ先生の『ひまわりっ』に出てくる沖縄でのアキコの両親を彷彿させるのですが、どうでしょうか?
ひたすら海藻を採るムーミンママは、ひたすら貝を採るアキコの母
――――――
全13巻のどこに描いてあるかわからないから、全13巻買いました。
確かにありました。
第5巻です。
わざわざ漫画を13巻も買わせやがって!(笑)
仕方がないので、ステッカーを1枚だけあげます。
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いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/06/08
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今回は、ニコ生ゼミ05月26日(#283)から、ハイライトをお届けいたします。
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今回は、ニコ生ゼミ05月26日(#283)から、ハイライトをお届けいたします。
動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
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「【5月のお便り紹介 その3 】面倒くさい質問」
タオルくん:今週はお便りスペシャルです! 今度は難しくて面倒くさいお便りがいっぱい来たぞ! さあ岡田、答えてみろ!
――――――
はい、ええと、面倒くさいのが来ました。
あの、毎回、お便りコーナーでわりと多いのが「これから流行る作品はどんなのですか?」とか、「世間はこういう傾向があります。それを踏まえた上で、どんなのが流行りますか?」っていう質問なんですね。
そんなの、もう、答えられるはずもないし、そもそも、質問の意図も不明なんですよ。
「それを聞いて、お前、どうするの?」って。
僕が当たったことを言ったとしてもですね、活かせないことも多いし。
ところが、「じゃあ、そういう質問はダメなのか?」というと、そうでもないんですよね。
「こういう回答不可能な質問に、どう答えるのか?」と考えること自体はすごく面白いからですね。
・・・
名古屋市の、ペンネーム “井上ハヤオキ” さん。
漫画家さんだそうです。
漫画家さんだそうです。
――――――
昔、漫画家の田中圭一さんがTwitterでこんな事を言っていました。
少年マガジンの部数がジャンプに抜かれた時、ある漫画評論家は「アンケート至上主義で人気を稼いでも『巨人の星』『あしたのジョー』のような傑作がジャンプから生まれることはない」と語った。
ところが、その後どうなったか?
漫画史に輝く傑作が次々と。
今、同じように漫画雑誌の編集者から「SNSから出てくる漫画は出落ち系やその場で消費されているような漫画ばかりだ。これからドラマ性の高い骨太の漫画が出てくるとは思えない」という意見を聞く。
ところが、主戦場がネットになれば、そこで磨かれた傑作は、必ず生まれてくると思う。
田中圭一さんはこんなふうに言っていましたが、もし今後、そのような傑作が誕生するとしたら、それはどんなものだと思われますか?
――――――
「いや、そんなこと聞かれても」なんだけど(笑)。
こういうのって「これからは、どういうものが生まれるのか?」というよりは、ちょっと歴史を振り返ってのパターンを見ればいいんです。
漫画の歴史というのは、もともと “描き下ろし単行本” があって、その中から “月刊誌” という「毎月毎月同じ日に漫画が出る」という連載漫画が生まれ、それが週刊連載になった。
そして今、それがネットになっているわけですね。
そして今、それがネットになっているわけですね。
なので、単に漫画雑誌とネットの対立関係ではなく「描き下ろし単行本 → 月刊 → 週刊 → ネット」という、この流れで見るといい。
漫画が月刊から週刊になった時によく言われたのが「週刊だったら、毎週1回は盛り上げなきゃいけない」ということ。
それに対して、月刊だったら「40ページとか50ページに1回盛り上げればよかった」。
単行本だったら、「わざわざ盛り上げることをしなくても、全体で大きい流れを作ればいい」というのがある。
なので、週刊誌漫画からはろくな漫画が生まれないと言われたんですけど。
それに対して、月刊だったら「40ページとか50ページに1回盛り上げればよかった」。
単行本だったら、「わざわざ盛り上げることをしなくても、全体で大きい流れを作ればいい」というのがある。
なので、週刊誌漫画からはろくな漫画が生まれないと言われたんですけど。
それと同じで、ネット自体の漫画というのは、基本 “毎日” なんですよ。
日刊どころか、1日に3本くらい出さないと話にならない。
つまり、1日に3回盛り上がりがなきゃいけない。
月刊誌が50ページ載せていたのに対して、週刊になると、だいたい18ページになったんですけど。
僕はネット時代の漫画は、毎日掲載が当たり前になると思ってるんですけど、それは1コマから3コマでいいと思うんですね。
絵はそれなりに描いてある必要があるんですけど、「その日に描ける分だけ」ということで、1コマから3コマでいいと思うんです。
だけど、1コマから3コマを毎日毎日発表して、それが1コマごとに面白い必要がある。
そこが難しいところですね。
昔は「見開き毎に面白い」とか、「18ページで山を作る」だったんですけども。
1日でも面白くなかったら、もう見るのをやめてしまうかもわからない。
1日でも面白くなかったら、もう見るのをやめてしまうかもわからない。
なので、ネット時代というのは「毎日面白い山がある」という、大喜利のフリップみたいな、「絵を見て一言」みたいなものになるかもわかりません。
まあ、多くても3コマくらいのものを、1日に最低1回、出来れば3回というのが、これからの漫画の姿だと思います。
なかなか面白い質問だったので、ステッカーを1枚差し上げます。
・・・
次です。世田谷区のハイゼンベルクさん。
――――――
岡田さんが『ブレイキング・バッド』にハマっていた頃から放送を追いかけるようになりました。
一番好きな放送はゴシック建築の回です。
建築様式の変化と西洋の歴史の関係性を知れて非常に面白かったです。
建築様式の変化と西洋の歴史の関係性を知れて非常に面白かったです。
これは今後の放送に関する個人的な希望ですが、日本のアニメとアメリカのアニメがいかに影響し合ってきたかを語って頂けると嬉しいです。
さて本題に移ります。
ここ最近、『アベンジャーズ』や『ゲーム・オブ・スローンズ』など世界中にファンを持つ、スケールの大きい作品が幕を閉じました。
ビッグバジェットの作品として、満足度も完成度も、1つの臨界点に達したように思われました。
そこで質問です。
次の映像産業におけるヒットの流れはどのようなものになると予測されますか?
――――――
まただよ!
持論を展開して、「そこで質問です。次はどういうふうになると思いますか?」っていう、学会でもよくある質問だ。
畜生(笑)。
でも、こういう質問も、頑張って考えてみると、やっぱり面白いことが出てくるんだよね。
持論を展開して、「そこで質問です。次はどういうふうになると思いますか?」っていう、学会でもよくある質問だ。
畜生(笑)。
でも、こういう質問も、頑張って考えてみると、やっぱり面白いことが出てくるんだよね。
ええと、僕は、基本的には、ここから先、ビッグバジェットの作品が一段落した後は、その逆の「バジェットがひたすら小さくて、見る側もお金が掛からないどころか、時間も掛からない作品になっていく」と思ってるんですね。
『カメラを止めるな!』という去年のヒット作品があって、あれも低予算だったんですけど。
まだまだ予算が掛かり過ぎている、と。
これからは、アニメも実写も漫画も、全てYouTubeに近づいて行くと思うんですよね。
つまり、プロが作る映像とか娯楽以外に、アマチュアというか、全世界のYouTube作家の人達が色んな作品を作って公開する。
その中には、ものすごいお金を掛けて、たとえば「1千万円掛けて〇〇を買い占めてみた」というような3分の動画を投稿する人もいれば、全くお金を掛けずに、近所を撮ったり自分が喋っているのを撮ったりするだけの、10分とか15分の動画を投稿する人もいる。
「そんな中から、どんな人が出てくるのかわからない」。
こういうのが、アニメとか実写とか漫画全ての分野にやってくると思ってるんですね。
こういうのが、アニメとか実写とか漫画全ての分野にやってくると思ってるんですね。
実際、「全てがYouTubeに近づいていく」という意味では、たとえば、2時間の映画でどんなにヒットを出したとしても、「ヒカキンの動画を毎日3分見る人が100万人いる」という現状の方が、動員数としてはすごいわけですよね。
それを毎日見ているわけですから。
僕は、この岡田斗司夫ゼミというのを、毎週90分から120分やってます。
ガンダム講座も、前説後説を入れたら、だいたい毎週45分やっている。
ガンダム講座も、前説後説を入れたら、だいたい毎週45分やっている。
つまり、毎週165分。
1年で137時間。
僕は新作の動画を延々と提供してるんですね。
この「1年間で137時間」というのは何かというと、アニメ1話を24分で換算すると343話分、僕は皆さんに動画を提供しているんですよ。
これ、1クール12話のアニメとして換算したら、28シーズン分も提供しているんです。
これは全盛期の『ガンダム』や『イデオン』をやっていた時の富野さんよりももちろん多いし、それどころか、現在のサンライズや東映動画より動画生産量が多いんですよ。
「僕個人で」ですよ?
さらに、そのうち半分以上を、無料のYouTubeで公開しています。
同じように、毎日5分の動画をアップしているYouTuberたちも、1年続ければ年に30時間の動画を提供していることになる。
テレビシリーズのアニメに換算したら76話分を、1人1人のYouTuberが、この世界に動画として生み出してるわけですね。
これは「どのYouTuberも全盛期のジブリの映像生産量の10倍くらいをやっている」ということになるんですよ。
こと娯楽産業に関して、この無料でどんどん提供するという流れは止まらない。
大きな流れでは、そんな無料の中から「じゃあ、ここから先は有料です」という、今、僕がやっているような形になって行ってしまう。
ビッグバジェットの映画というのは「そういうので成功してから持っていくようなもの」になると思うんですね。
だから、ひょっとしたら僕も、5年後くらいの将来、いきなり予算3億を掛けた岡田斗司夫ゼミというのを、イタリアのチネチッタ辺りの映画撮影所でローマの街を再現した上でやるかもわかりません(笑)。
面白い質問ありがとう。ステッカーを1枚差し上げます。
・・・
次が、無料放送の最後のお便りになります。
石川県金沢市の “くわばらもいち” さんです。
石川県金沢市の “くわばらもいち” さんです。
――――――
『ムーミン』の話、最高でした。
今回の話を聞いて、「ムーミンパパ海へ行く」のエピソードが東村アキコ先生の『ひまわりっ』に出てくる沖縄でのアキコの両親を彷彿させるのですが、どうでしょうか?
自由なムーミンパパは自由な健一1号
ひたすら海藻を採るムーミンママは、ひたすら貝を採るアキコの母
――――――
と、書いてあったので、「本当かな?」と思って、『ひまわりっ』を…
…これ、買うしかないんですよね(笑)。
…これ、買うしかないんですよね(笑)。
全13巻のどこに描いてあるかわからないから、全13巻買いました。
確かにありました。
第5巻です。
『ひまわりっ』の第5巻の中に、確かにお父さんだけは沖縄に行ってはしゃいでて、お母さんはみんなが「海へ行こう」って言っても、「行かん!」と言って、暗くなっているシーンがあったんですけど。
ええと、違います。
『ムーミン』とは、たぶん関係ないと思います。
『ムーミン』とは、たぶん関係ないと思います。
わざわざ漫画を13巻も買わせやがって!(笑)
仕方がないので、ステッカーを1枚だけあげます。
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動画や全文が気になった方は、【岡田斗司夫アーカイブ】でご覧になれます。
【岡田斗司夫アーカイブ】は、以下のいずれかにご入会頂ければ、利用可能です。
(株)ドワンゴ運営の【岡田斗司夫ゼミ プレミアム】月額2,000円(税抜)
会員特典として、岡田斗司夫ゼミ放送終了後の「放課後雑談」生放送が視聴できます。
(株)オタキング運営の【岡田斗司夫アーカイブ】月額2,000円(税抜)
ニコ生配信は「生」で視聴できませんが、アーカイブで「放課後雑談」まですべてご覧になれます。
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「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。
みなさんからの様々な質問をお待ちしています
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企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
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