閉じる
閉じる
×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
─────────────────────────────
「【『攻殻機動隊』第2話解説 2 】 プロの戦争屋だからこその“戦わずしての降参”という選択」
トグサ君が排水路にいると敵にバレた原因は、実は自分のミスなんですよ。
このエピソードの最後にも描かれている通り、後でトグサ君は反省を強いられるんですけども。
トグサが子供にプログラムを仕込んだ時、マンホールからそーっと出て、そーっと帰ったんですけども。
その時に、もう少し慎重に、周りの草を巻き込まないようにしていれば、警備員は気付かなかったんですね。
「チーム内の自分以外のメンバーに裏切り者がいるのか? それとも、これは、自分たちを公安に引き入れるための、サルと呼ばれる公安部長のワナか?」というふうに他人を疑ってます。
このトグサ君というのは、かつては刑事だった。
それも、たぶん、それなりに敏腕刑事だったんですね。
そんな自分が引き抜かれたんだから、自分では出来るつもりになってるんですよ。
でも、それ故に、こういう勝手な判断しちゃうわけですね。
ようやっと草薙とバトーの2人のフチコマが排水路から出てきて、これから助けに行ける体制になりました。
「この先の排水口で音がしたぜ」と、警備員のグループが、さっきトグサが排水口の出口にぶつかった音を聞いて、走ってきます。
次のコマでは「ドカドカドカ」っと音がして、地面がえぐれる。
2人いるガードマンの内、1人は逃げて、もう1人はその場に突っ立ってます。
この2人のガードマンの反応。
1人目の坊主頭は、思わず突っ立ってしまった。
それに対して、ヒゲの方はちょっと戦争に慣れてるんですね。
素早く逃げて、「バカ、何を突っ立ってる!」と叫びます。
警備員(ヒゲ):何、寝ボケてやがる!
――――――
これは「5発の弾を撃ったが、あえて最後の1発は外した」というデモンストレーションなんです。
つまり「お前を殺そうと思えば簡単に出来るけど、今はあえて外したよ?」と。
そんなものを目の前で見せられたので、この坊主頭は、ビビったというよりは、プロとしての判断で、降参します。
彼らは全員、プロなんですよ。
「プロとしては、どんな仕事もやるべき」ではなくて、「ここから先は、もう自分の仕事の範囲外」というのを考えるものなんです。
坊主頭の方は、軍人としてのスキルは低いんですよ。
突っ立っちゃったから。
でも、その代り、プロとしての判断力は、ヒゲの人よりは高いんですね。
警備員(ヒゲ):ちッ、戦争ボケかよ! 俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!
イシカワ:じゃあ、死にな。
――――――
しかし、次のコマでは「はッ」ということで、最初にハッキングに気付いた警備員が目の前に現れます。
しかし、ヒゲの方はヒゲの方で、なまじ、弾を避ける程度のスキルがあるばかりに、判断を間違えちゃうんですね。
「俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!」ということで、「まだやめない」と言った瞬間に、既に狙いを付けていたイシカワのフチコマに撃たれてしまう。
これ、もう、絶対に死ぬような殺し方ですね。
頭を狙って、胸を狙って、腰を狙う。
腰は人間の身体で一番動きにくいところですから、まず狙う。
次に心臓を止めて、頭を撃ち抜く。
まあ、本当は頭に当てるのが一番いいんですけど、ここを狙ったら外すかもしれないから、まず腰を撃って動きを止めて、胸を撃って命を絶って、最後に脳を殺して、情報戦を動かそうとするのを止めてるわけですね。
ここでイシカワが「はッ」といったのは、一番出来る警備員が近付いてくるサインに気が付いたからですね。
腕の先端部分だけが、先にイシカワの背後にあった木の枝を掴んでいる。
たぶん、この警備員の左腕は、ビューンとワイヤーのように伸びるんでしょうね。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/06/27
───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ6月16日分(#286)から、ハイライトをお届けいたします。
───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ6月16日分(#286)から、ハイライトをお届けいたします。
動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
↓
─────────────────────────────
「【『攻殻機動隊』第2話解説 2 】 プロの戦争屋だからこその“戦わずしての降参”という選択」
では、次のページです。
敵のガードマンが、「変だ……。ゴーストが焼ける時の抵抗感がなかった……。俺が焼いたのは “人工知能” (AI)か!? 敵は遊び半分のハッカーじゃない。プロだ!」ということで、双方、敵がプロだということが分かりました。
次のコマは、逃げている最中のトグサ君が描かれます。
「なんで排水路だとわかったんだよ!? “情報漏れ”(リーク)か? やっぱりワナか!?」と言っていますね。
しかし、排水路の出口が、大きい金属製のロックで「ゴゴッ」と塞がれていき、トグサ君の乗っているフチコマというロボットは、ガーンとそれにぶつかって壊れてしまいます。
それに対して、「おい、どうした、トグサ、ト、いてて……。くそォ、肝心な時にこの不良聴覚素子め!」と、草薙素子が言います。
トグサの声を聞こうとしているのに、冒頭にも出てきた聴覚素子の不良のために、よく聴こえない、と。
このページで見るべきは、このトグサ君の判断ですね。
トグサ君が排水路にいると敵にバレた原因は、実は自分のミスなんですよ。
このエピソードの最後にも描かれている通り、後でトグサ君は反省を強いられるんですけども。
トグサが子供にプログラムを仕込んだ時、マンホールからそーっと出て、そーっと帰ったんですけども。
その時に、もう少し慎重に、周りの草を巻き込まないようにしていれば、警備員は気付かなかったんですね。
そして、ここで気付かれなければ、同業プロの警備員に、子供の首から遡って逆侵入されて、チーム全体を危機に陥れることもなかったんですよ。
でも、この時点でのトグサは、自分がそんなミスをしたとは全く気がついてない。
「全員撤退! トグサすぐに脱出しろ!」と言われたのが、自分のミスが原因だと思ってない。
「全員撤退! トグサすぐに脱出しろ!」と言われたのが、自分のミスが原因だと思ってない。
自分がマンホールの蓋を閉める時にミスしたということをわかってないから、「なんで排水路だとわかったんだよ!?」と罵りながら、「情報漏れか? やっぱりワナか?」と言ってるんです。
「チーム内の自分以外のメンバーに裏切り者がいるのか? それとも、これは、自分たちを公安に引き入れるための、サルと呼ばれる公安部長のワナか?」というふうに他人を疑ってます。
ちなみに「そんなトグサ君が徐々に徐々に成長する」というのも、『攻殻機動隊』の漫画版全体での裏テーマになっています。
このトグサ君というのは、かつては刑事だった。
それも、たぶん、それなりに敏腕刑事だったんですね。
そんな自分が引き抜かれたんだから、自分では出来るつもりになってるんですよ。
でも、それ故に、こういう勝手な判断しちゃうわけですね。
で、排水路にロックをかけられて、ガーンと壊れる。
草薙素子がトグサから話を聞こうとしても、聴覚素子の不良で役に立たない。
ようやっと草薙とバトーの2人のフチコマが排水路から出てきて、これから助けに行ける体制になりました。
・・・
次のページに行きます。
「この先の排水口で音がしたぜ」と、警備員のグループが、さっきトグサが排水口の出口にぶつかった音を聞いて、走ってきます。
その様子を木の上からフチコマというロボットが見ています。
フチコマというのは、こういうことも出来るんですね。
足の先で枝を掴んで、サルみたいに木に登って、銃を構えます。
フチコマというのは、こういうことも出来るんですね。
足の先で枝を掴んで、サルみたいに木に登って、銃を構えます。
次のコマでは「ドカドカドカ」っと音がして、地面がえぐれる。
2人いるガードマンの内、1人は逃げて、もう1人はその場に突っ立ってます。
この2人のガードマンの反応。
1人目の坊主頭は、思わず突っ立ってしまった。
それに対して、ヒゲの方はちょっと戦争に慣れてるんですね。
素早く逃げて、「バカ、何を突っ立ってる!」と叫びます。
――――――
警備員(坊主頭):オ、俺はもう行けねえ。あとを頼む。
警備員(ヒゲ):何、寝ボケてやがる!
――――――
はい、なぜ、坊主頭がこんなセリフを言うようになったのかというと、これはもう皆さんもおわかりの通りです。
「ドカドカドカ」と描いてるんだけど、地面に弾が当たった順番は、下から上なんです。
警備員のすぐ横に当たった爆発がやや小さいから、これが最後だとわかるんですね。
警備員のすぐ横に当たった爆発がやや小さいから、これが最後だとわかるんですね。
これは「5発の弾を撃ったが、あえて最後の1発は外した」というデモンストレーションなんです。
つまり「お前を殺そうと思えば簡単に出来るけど、今はあえて外したよ?」と。
そんなものを目の前で見せられたので、この坊主頭は、ビビったというよりは、プロとしての判断で、降参します。
彼らは全員、プロなんですよ。
「プロとしては、どんな仕事もやるべき」ではなくて、「ここから先は、もう自分の仕事の範囲外」というのを考えるものなんです。
対して、もう1人のヒゲは、素早く逃げられるだけ、軍人としての能力が、坊主頭よりも高いんですね。
なので「何、寝ボケてやがる!」と、つい言ってしまう。
なので「何、寝ボケてやがる!」と、つい言ってしまう。
坊主頭の方は、軍人としてのスキルは低いんですよ。
突っ立っちゃったから。
でも、その代り、プロとしての判断力は、ヒゲの人よりは高いんですね。
・・・
それがわかるのが次のページです。
――――――
警備員(坊主頭):これは命を粗末にするなってメッセージだ。大戦はもう終わったんだ……。これ以上、殺すのはイヤだ……!
警備員(ヒゲ):ちッ、戦争ボケかよ! 俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!
イシカワ:じゃあ、死にな。
――――――
ということで、ヒゲの男は、次の瞬間に殺されます。
ヒゲの警備員が倒れたことを確認した、草薙素子の部下であるイシカワという男が「フン」と言う。
しかし、次のコマでは「はッ」ということで、最初にハッキングに気付いた警備員が目の前に現れます。
この、坊主頭のガードマンは、イシカワからの「それ以上、前進したら殺し合いになるぞ?」という警告を受け入れます。
「俺はガードマンとして雇われたんであって、最悪、殺しもあるかもわからないけど、お互い、命の取り合いなんかしてもしょうがないじゃないか。お互い、戦争で生き残ったプロの傭兵同士が戦っても意味がない」ということで、さっさと撤退することを決めます。
しかし、ヒゲの方はヒゲの方で、なまじ、弾を避ける程度のスキルがあるばかりに、判断を間違えちゃうんですね。
「俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!」ということで、「まだやめない」と言った瞬間に、既に狙いを付けていたイシカワのフチコマに撃たれてしまう。
これ、もう、絶対に死ぬような殺し方ですね。
頭を狙って、胸を狙って、腰を狙う。
腰は人間の身体で一番動きにくいところですから、まず狙う。
次に心臓を止めて、頭を撃ち抜く。
まあ、本当は頭に当てるのが一番いいんですけど、ここを狙ったら外すかもしれないから、まず腰を撃って動きを止めて、胸を撃って命を絶って、最後に脳を殺して、情報戦を動かそうとするのを止めてるわけですね。
で、ヒゲの男の方は、判断を誤った結果、この瞬間に死んでしまった。
そんな男に対して、まあ、イシカワが、ちょっとプロとしての軽蔑をしているところに、警備員の中でも一番出来る男が、背後から忍び寄って来たわけです。
そんな男に対して、まあ、イシカワが、ちょっとプロとしての軽蔑をしているところに、警備員の中でも一番出来る男が、背後から忍び寄って来たわけです。
ここでイシカワが「はッ」といったのは、一番出来る警備員が近付いてくるサインに気が付いたからですね。
腕の先端部分だけが、先にイシカワの背後にあった木の枝を掴んでいる。
たぶん、この警備員の左腕は、ビューンとワイヤーのように伸びるんでしょうね。
**************************************
動画や全文が気になった方は、【岡田斗司夫アーカイブ】でご覧になれます。
【岡田斗司夫アーカイブ】は、以下のいずれかにご入会頂ければ、利用可能です。
(株)ドワンゴ運営の【岡田斗司夫ゼミ プレミアム】月額2,000円(税抜)
会員特典として、岡田斗司夫ゼミ放送終了後の「放課後雑談」生放送が視聴できます。
(株)オタキング運営の【岡田斗司夫アーカイブ】月額2,000円(税抜)
ニコ生配信は「生」で視聴できませんが、アーカイブで「放課後雑談」まですべてご覧になれます。
───────────────────────────────────
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。
みなさんからの様々な質問をお待ちしています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
ヤムアキ
起こしのヤスタカ(FREEex)
マグネシウムのタツヤ(FREEex)
───────────────────────────────────
岡田斗司夫
and
Special Thanks To読者のあなた
───────────────────────────────────
Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
───────────────────────────────────
■お問い合わせ
有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501
チャンネル会員ならもっと楽しめる!
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
岡田斗司夫ゼミからのお知らせ
更新頻度:
毎日
最終更新日:
チャンネル月額:
¥550
(税込)