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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/01/11
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今日も『解決!ズバッと』をお届けします。
今回は『「お金」って何だろう?』 からです。
僕が質問し、山形浩生先生に答えてもらった対談を、Q&A形式で、分載しながらお届けします。
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岡田斗司夫さん/56歳/作家/「リーマンショックが起こる世界と起こらない世界、どっちがいい?」
岡田 ふーん、金というお金の量を制約するものがなくなったから、景気が回復したのかもしれないと。これは面白いなあ。だったら、景気を回復するための究極の方法は、中央銀行をなくすことだということにはなりませんか?
例えば、日銀は準備預金制度によって市銀がお金を貸すのを制約しているけど、この制度がなくなれば市銀は自由にお金を貸せるようになるから、インフレが 起こって景気がよくなるんじゃないんですか?金本位制をやめても世界は大丈夫だったのだから、日銀くらいなくなっても大丈夫ということはないんですか?
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景気をよくするには、インフレを抑える中央銀行をなくしちゃえばいいんじゃないですか?
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【山形浩生先生の回答】
山形 そうなると、回収の見込みのない、わけのわからないプロジェクトに銀行がどんどんお金を貸すようになって、リーマンショックや日本のバブル崩壊のようなことが起こってしまいます。
岡田 そうでしょうね。でも、そういう世界的な経済危機が20年か30年に1回起こる代わりに、基本的には景気のいい社会になるということはないんでしょうか?
山形 基本的には健康だけど、重い病気を患い短命な人と、ずっと風邪を引いていて調子は悪いけど長生きする人と、どっちが幸せかみたいな感じですね (笑)。その考え方には一理ありますが、日本の場合、バブル崩壊の後遺症が20年以上続きましたからね。あんなことはみんなもうこりごりでしょう。
岡田 でも、リーマンショックやバブル崩壊などの経済危機を完全に予防しようとすると、打てる政策に制約が出てくるんじゃないですか?大胆な手が打てない から、不況のときに苦しくなる。どうも話を聞いていると、何十年かに1回くらいはグレートリセットが起こったほうがいいんじゃないでしょうか?
山形 「100年に一度しか起こらない津波に備えるのは意味がない」と言っていても、東日本大震災の津波の被害を見れば、やはり備えは必要だという話に結局なりませんか?
岡田 大恐慌のような事態や大津波のような天災は、人知を超えたものですからねえ。いくら日本が恐慌のための予防策を立てたところで、アメリカで恐慌が起これば防ぎようもないわけでしょう。日銀の廃止を唱えている経済学者はいないんでしょうか?
山形 中央銀行廃止論を唱えている経済学者はいます。中央銀行がいい加減な金融政策をするから経済が不安定になっているというのが彼らの主張です。金利を 調整して、企業にお金が回るようにして、その企業が人を雇って……というように、金融政策が効果を上げるまでには2、3年くらいはどうしてもかかってしま います。
その2、3年の間にも状況は刻々と変化して、追加の量的緩和をしようということになったり、バブルになりそうだからブレーキをかけようとしたりというこ とになる。結局、中央銀行が余計なことをするから事態がややこしくなってしまうのであり、じっとしていればいいのだと。彼らが中央銀行に求めるのは、毎年 2%ずつお金の量を増やすことだけ。それ以上のことはするな、印刷所になれというんですね。
ただ、リーマンショックやその前のブラックマンデーで株価が急落したとき、中央銀行が市中にすばやくお金を流したことで、大恐慌の再来を避けられたとい う面はあるでしょう。何年にもわたって失業率30%の状態が続くようなことにはなっていないわけですからね。だから、「中央銀行も多少は役に立っているら しい」というのが、現在の一般的な見方です。それを否定する人もいないわけではありませんが。
岡田 先にうかがった中央銀行の役割として、市銀が無茶なことをやって潰れたりしないようにするということがありますよね。暴論ですけど、市銀が潰れるのはダメなんでしょうか?そちらのほうが競争原理が働いて、経済活動にプラスということはないんでしょうか?
山形 大恐慌の経験から、銀行は潰さないほうがいいらしいということがわかってきました。銀行が潰れると、口座を持っている人が取引できなくなって事業が停止するなど、弊害が大き過ぎます。銀行は互いに貸し借りしていますから、1つ潰れれば連鎖倒産してしまいますしね。
岡田 銀行を絶対に潰さないという前提があると、複数の銀行で競争させるというのは無理がありませんか?守るべき対象が多くなるほど、潰れないようにする 保護策は手厚くならざるを得ないわけで。そこまでして保護する必要があるなら、いっそ半分国家運営にしたほうがいいんじゃないですか。
山形 銀行や保険会社は民営ではありますが、いろいろと規制がかかっていて何でもやっていい組織ではありません。ただ、どこまで自由にさせるのか、どこま で規制するのかは常に議論の的です。景気がよいときは「銀行を規制するのはやめよう」ということになりがちなんだけど、規制を緩めるとリーマンショックみ たいなことが起こってしまいます。
【まとめ】
大恐慌の再来は避ける必要があり、経済危機の予防で中央銀行も役に立っている。
岡田 ふーん、金というお金の量を制約するものがなくなったから、景気が回復したのかもしれないと。これは面白いなあ。だったら、景気を回復するための究極の方法は、中央銀行をなくすことだということにはなりませんか?
例えば、日銀は準備預金制度によって市銀がお金を貸すのを制約しているけど、この制度がなくなれば市銀は自由にお金を貸せるようになるから、インフレが 起こって景気がよくなるんじゃないんですか?金本位制をやめても世界は大丈夫だったのだから、日銀くらいなくなっても大丈夫ということはないんですか?
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景気をよくするには、インフレを抑える中央銀行をなくしちゃえばいいんじゃないですか?
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【山形浩生先生の回答】
山形 そうなると、回収の見込みのない、わけのわからないプロジェクトに銀行がどんどんお金を貸すようになって、リーマンショックや日本のバブル崩壊のようなことが起こってしまいます。
岡田 そうでしょうね。でも、そういう世界的な経済危機が20年か30年に1回起こる代わりに、基本的には景気のいい社会になるということはないんでしょうか?
山形 基本的には健康だけど、重い病気を患い短命な人と、ずっと風邪を引いていて調子は悪いけど長生きする人と、どっちが幸せかみたいな感じですね (笑)。その考え方には一理ありますが、日本の場合、バブル崩壊の後遺症が20年以上続きましたからね。あんなことはみんなもうこりごりでしょう。
岡田 でも、リーマンショックやバブル崩壊などの経済危機を完全に予防しようとすると、打てる政策に制約が出てくるんじゃないですか?大胆な手が打てない から、不況のときに苦しくなる。どうも話を聞いていると、何十年かに1回くらいはグレートリセットが起こったほうがいいんじゃないでしょうか?
山形 「100年に一度しか起こらない津波に備えるのは意味がない」と言っていても、東日本大震災の津波の被害を見れば、やはり備えは必要だという話に結局なりませんか?
岡田 大恐慌のような事態や大津波のような天災は、人知を超えたものですからねえ。いくら日本が恐慌のための予防策を立てたところで、アメリカで恐慌が起これば防ぎようもないわけでしょう。日銀の廃止を唱えている経済学者はいないんでしょうか?
山形 中央銀行廃止論を唱えている経済学者はいます。中央銀行がいい加減な金融政策をするから経済が不安定になっているというのが彼らの主張です。金利を 調整して、企業にお金が回るようにして、その企業が人を雇って……というように、金融政策が効果を上げるまでには2、3年くらいはどうしてもかかってしま います。
その2、3年の間にも状況は刻々と変化して、追加の量的緩和をしようということになったり、バブルになりそうだからブレーキをかけようとしたりというこ とになる。結局、中央銀行が余計なことをするから事態がややこしくなってしまうのであり、じっとしていればいいのだと。彼らが中央銀行に求めるのは、毎年 2%ずつお金の量を増やすことだけ。それ以上のことはするな、印刷所になれというんですね。
ただ、リーマンショックやその前のブラックマンデーで株価が急落したとき、中央銀行が市中にすばやくお金を流したことで、大恐慌の再来を避けられたとい う面はあるでしょう。何年にもわたって失業率30%の状態が続くようなことにはなっていないわけですからね。だから、「中央銀行も多少は役に立っているら しい」というのが、現在の一般的な見方です。それを否定する人もいないわけではありませんが。
岡田 先にうかがった中央銀行の役割として、市銀が無茶なことをやって潰れたりしないようにするということがありますよね。暴論ですけど、市銀が潰れるのはダメなんでしょうか?そちらのほうが競争原理が働いて、経済活動にプラスということはないんでしょうか?
山形 大恐慌の経験から、銀行は潰さないほうがいいらしいということがわかってきました。銀行が潰れると、口座を持っている人が取引できなくなって事業が停止するなど、弊害が大き過ぎます。銀行は互いに貸し借りしていますから、1つ潰れれば連鎖倒産してしまいますしね。
岡田 銀行を絶対に潰さないという前提があると、複数の銀行で競争させるというのは無理がありませんか?守るべき対象が多くなるほど、潰れないようにする 保護策は手厚くならざるを得ないわけで。そこまでして保護する必要があるなら、いっそ半分国家運営にしたほうがいいんじゃないですか。
山形 銀行や保険会社は民営ではありますが、いろいろと規制がかかっていて何でもやっていい組織ではありません。ただ、どこまで自由にさせるのか、どこま で規制するのかは常に議論の的です。景気がよいときは「銀行を規制するのはやめよう」ということになりがちなんだけど、規制を緩めるとリーマンショックみ たいなことが起こってしまいます。
【まとめ】
大恐慌の再来は避ける必要があり、経済危機の予防で中央銀行も役に立っている。
【最新著作】
山形浩生先生との対談本『お金って、何だろう? ぼくらはいつまで「円」を使い続けるのか?』は、僕が山形先生にどんどん質問して教えを乞う、という形式で進行しています。
このブロマガでは、その第二章を読みやすいサイズに分割して、順次お届けします。「経済の根本の根本」を、常識や思い込みにとらわれず、とことん質問し、かみくだいて、身もふたもなく解説してもらった第二章。
ぜひ、お気軽にお楽しみ下さい。
じゃあ、また明日。バイバイ!
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