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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/05/20
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おはよう! 岡田斗司夫です。
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かたっぱしから答えてみましょう。
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「岡田斗司夫流プレゼン」
鹿深さん/23歳/大学生/ブロマガ会員
「岡田斗司夫流プレゼン」
鹿深さん/23歳/大学生/ブロマガ会員
無関心な人を振り向かせるプレゼンテーション。
プレゼンテーションにおいて「嫌いなものを好きになってもらうよりも、無関心なものを好きになってもらう方が難しい」とよく言われていますが、無関心なものを好きになってもらうためには、どのようなプレゼンをするのが効果的なのでしょうか?
岡田斗司夫流のプレゼン技術などがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
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(前号からの続き)
リクルートのカヤマさんがやったプレゼン方式は、誰でもできるところがすごいと思ったんです。
どんなプレゼンやったのか?
当時はようやっとwebサイトとかが出だして、「インターネットのホームページが〜」とか、みんなが言い出した頃なんですね。
その頃のカヤマさんがやらなければいけなかったことは何か?
リクルートにいた頃ですから、偉い人に役員プレゼンをしなればならなかったんです。
■リクルートの役員プレゼンは大変!
カヤマさんが、まだ下っ端のぺーぺーのときです。
役員プレゼンなので、取締役とか20人くらい並んでいる。
リクルートの取締役だから、本当に「我こそは日本で1番頭のいい男でござい!」というオッサンが20人くらいいると思ってくれたらいいんですね。
そいつらは、頭は回る、いい大学は出てる、金はうなるように持ってる、ということで。
若手の新入社員とか、ペーぺーの企画のヤツが何を言っても、文句をつけることしか考えてないんですよ。
企画なんかもロクに見てもらえない。
そこに出さなきゃならなかったのが、”カッコイイ男向けの商品サイト”の企画で、そこでは「カッコイイ男とはこうだ!」みたいなものを出さなきゃいけない。
でも、何を出してもダメって言われるんです。
と、いうのも、企画を出す相手がオッサン達ですから、モデルさんがポーズとったりいろんな高級ブランドとか身につけてる写真なんかを見せても、そういうのを端からバカにしてるんです。
「今、こんなのやってるの?」
「俺はこんなのカッコイイと思わない」
「貧乏でも清潔だったらそれでいいじゃない?」
――とか、オッサンみたいな理屈が山のように帰ってくるんです。
カヤマさんはそういった罵声に耐えて、「じゃあ次のページ行きます」って、次のページめくったら、そこにアンケートがあるんですね。
でも、そのアンケートも、200人くらいが答えたものしか載っていない。
アンケートっていうものには、いわゆる”統計的に有為な数字”というのがあります。統計的として意味がある数。これは人口1億人の日本だったらほぼ4,000人っていわれてます。
4,000人くらいやれば、県民性、所得、社会的階層に関係ない、ほぼ日本人の平均的な回答が出てくる。
逆に言うと、この数字に満たないアンケート結果は有為なものとして扱うには疑問が残る。
だから、街頭調査なんかで書いてある人数を見る場合も、「4,000に達しているかどうか?」が、ある種のガイドラインになると思ってください。
■カヤマさんの仕掛けたアンケート
カヤマさんが出したアンケートが、200人くらいしかとってないんですね。
それも、対象も男の人がほとんどいなくて、全部、女子供なんです。
小学生とか中学生とか高校生とか大学生くらいの男の子や女の子。
あとは30~50歳のおばさんばっかりのアンケートがひたすらあった。
「カッコイイ男とはこういうことだと思います」
「私の夫はこういうとこがカッコイイと思います」
「将来こんな人と結婚したいと思います」
「うちのお父さんはここがカッコイイと思います」
――とか、そんなことが書いてある回答結果が200くらいある。
当然、役員は「こんなものがアンケートとして使えると思ってるの?」って言いますよね。
そしたら、カヤマさんは「では、次のページをご覧下さい」と言う。
次のページ見た瞬間、みんなの顔色がブワッと変わって、「えっ!?」ってなって、一斉にバーッと資料に戻ってアンケートを死ぬ気で読み返し始めたんだそうです。
これ、何かというと、会議に参加した重役たちの家族が答えたものだったんです。
つまり、カヤマさんは20人の役員の家族にアンケートとったんですよ!
「自分のお父さんのどこがカッコイイか?」
「自分の夫のどこがカッコイイか?」
「お父さんがこれを持ってる時にカッコイイと思った」
「お父さんのこの服がカッコイイと思った」
――というアンケートを役員の奥さん、子供、孫にとってるんですよ。
「では次のページをご覧下さい」って言ったら、アンケートの名前のところに自分の名前や家族の名前がブワーッと書いてあって、役員みんなが必死で読んだそうです。
カヤマさん、「プレゼンはそこから5分で終わったよ」って。かっこいい!(笑)
■誰でもできるけど、禁断の一歩が面白い
これ、誰でもできるんですよ。
言っちゃえば、「そんなこと思いつくかどうか」「そんなことをやってもいいのか」っていう禁断の一歩に踏み出すかどうかなので。
たぶん、取引相手の会社にやってはダメなんですね。それをやると「脅しか?」っていうことになる。
相手の会社だったら、本当にプライバシーとか情報とかいろんなことになるんですけど。
でも、自分の会社の取締役だから、「カヤマ、お前、よくここまでやったなあ」という、いわゆるシャレで済むんです。
いわゆる家族から結婚式の「お父さん、これまでありがとう!」みたいなものをバッと出されたみたいなものだから。
プレゼンの会議なんですけど、そこからみんなの顔が緩みきって、その後のお昼ご飯はみんなビールで乾杯したそうです。
いいプレゼンというものは、そこまで人を幸せにすることができるんですよ。
この場合のプレゼンは自分を売り込むでもないし、企画を売り込むでもないんですよ。
じゃあ、プレゼンとは何かというと、要するに「相手の心を動かしゃいいんだ!」ってことなんですけど。
相手の心を動かす時の手段は、「企画内容を説明する」「自分を売り込む」だけじゃなくて、どの方向でもあり得るんです。
リクルートにはとんでもなく優秀なヤツらが集まって、とんでもない無茶なことをしてる。(最初に言った通り、僕はあんまり好きじゃないんですけど)
カヤマさんは、その後、リクルートに収まりきれなくなって飛び出してしまって、マリーガルマネンジメントという会社を作った。
その後、セガの大川社長に「セガの立て直しをしてくれ」ということで、役員として拾われて行ってしまって、現在フリーだそうですけど。
「日本には面白れえヤツがいるなあ」と、岡田斗司夫が感心したプレゼンの話でした。
【まとめ】
元リクルートのカヤマさんのプレゼンは誰でもできる方法ですが、禁断の一歩であるところが面白いです。プレゼンは相手の心を動かすことが大事です。
プレゼンテーションにおいて「嫌いなものを好きになってもらうよりも、無関心なものを好きになってもらう方が難しい」とよく言われていますが、無関心なものを好きになってもらうためには、どのようなプレゼンをするのが効果的なのでしょうか?
岡田斗司夫流のプレゼン技術などがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
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(前号からの続き)
リクルートのカヤマさんがやったプレゼン方式は、誰でもできるところがすごいと思ったんです。
どんなプレゼンやったのか?
当時はようやっとwebサイトとかが出だして、「インターネットのホームページが〜」とか、みんなが言い出した頃なんですね。
その頃のカヤマさんがやらなければいけなかったことは何か?
リクルートにいた頃ですから、偉い人に役員プレゼンをしなればならなかったんです。
■リクルートの役員プレゼンは大変!
カヤマさんが、まだ下っ端のぺーぺーのときです。
役員プレゼンなので、取締役とか20人くらい並んでいる。
リクルートの取締役だから、本当に「我こそは日本で1番頭のいい男でござい!」というオッサンが20人くらいいると思ってくれたらいいんですね。
そいつらは、頭は回る、いい大学は出てる、金はうなるように持ってる、ということで。
若手の新入社員とか、ペーぺーの企画のヤツが何を言っても、文句をつけることしか考えてないんですよ。
企画なんかもロクに見てもらえない。
そこに出さなきゃならなかったのが、”カッコイイ男向けの商品サイト”の企画で、そこでは「カッコイイ男とはこうだ!」みたいなものを出さなきゃいけない。
でも、何を出してもダメって言われるんです。
と、いうのも、企画を出す相手がオッサン達ですから、モデルさんがポーズとったりいろんな高級ブランドとか身につけてる写真なんかを見せても、そういうのを端からバカにしてるんです。
「今、こんなのやってるの?」
「俺はこんなのカッコイイと思わない」
「貧乏でも清潔だったらそれでいいじゃない?」
――とか、オッサンみたいな理屈が山のように帰ってくるんです。
カヤマさんはそういった罵声に耐えて、「じゃあ次のページ行きます」って、次のページめくったら、そこにアンケートがあるんですね。
でも、そのアンケートも、200人くらいが答えたものしか載っていない。
アンケートっていうものには、いわゆる”統計的に有為な数字”というのがあります。統計的として意味がある数。これは人口1億人の日本だったらほぼ4,000人っていわれてます。
4,000人くらいやれば、県民性、所得、社会的階層に関係ない、ほぼ日本人の平均的な回答が出てくる。
逆に言うと、この数字に満たないアンケート結果は有為なものとして扱うには疑問が残る。
だから、街頭調査なんかで書いてある人数を見る場合も、「4,000に達しているかどうか?」が、ある種のガイドラインになると思ってください。
■カヤマさんの仕掛けたアンケート
カヤマさんが出したアンケートが、200人くらいしかとってないんですね。
それも、対象も男の人がほとんどいなくて、全部、女子供なんです。
小学生とか中学生とか高校生とか大学生くらいの男の子や女の子。
あとは30~50歳のおばさんばっかりのアンケートがひたすらあった。
「カッコイイ男とはこういうことだと思います」
「私の夫はこういうとこがカッコイイと思います」
「将来こんな人と結婚したいと思います」
「うちのお父さんはここがカッコイイと思います」
――とか、そんなことが書いてある回答結果が200くらいある。
当然、役員は「こんなものがアンケートとして使えると思ってるの?」って言いますよね。
そしたら、カヤマさんは「では、次のページをご覧下さい」と言う。
次のページ見た瞬間、みんなの顔色がブワッと変わって、「えっ!?」ってなって、一斉にバーッと資料に戻ってアンケートを死ぬ気で読み返し始めたんだそうです。
これ、何かというと、会議に参加した重役たちの家族が答えたものだったんです。
つまり、カヤマさんは20人の役員の家族にアンケートとったんですよ!
「自分のお父さんのどこがカッコイイか?」
「自分の夫のどこがカッコイイか?」
「お父さんがこれを持ってる時にカッコイイと思った」
「お父さんのこの服がカッコイイと思った」
――というアンケートを役員の奥さん、子供、孫にとってるんですよ。
「では次のページをご覧下さい」って言ったら、アンケートの名前のところに自分の名前や家族の名前がブワーッと書いてあって、役員みんなが必死で読んだそうです。
カヤマさん、「プレゼンはそこから5分で終わったよ」って。かっこいい!(笑)
■誰でもできるけど、禁断の一歩が面白い
これ、誰でもできるんですよ。
言っちゃえば、「そんなこと思いつくかどうか」「そんなことをやってもいいのか」っていう禁断の一歩に踏み出すかどうかなので。
たぶん、取引相手の会社にやってはダメなんですね。それをやると「脅しか?」っていうことになる。
相手の会社だったら、本当にプライバシーとか情報とかいろんなことになるんですけど。
でも、自分の会社の取締役だから、「カヤマ、お前、よくここまでやったなあ」という、いわゆるシャレで済むんです。
いわゆる家族から結婚式の「お父さん、これまでありがとう!」みたいなものをバッと出されたみたいなものだから。
プレゼンの会議なんですけど、そこからみんなの顔が緩みきって、その後のお昼ご飯はみんなビールで乾杯したそうです。
いいプレゼンというものは、そこまで人を幸せにすることができるんですよ。
この場合のプレゼンは自分を売り込むでもないし、企画を売り込むでもないんですよ。
じゃあ、プレゼンとは何かというと、要するに「相手の心を動かしゃいいんだ!」ってことなんですけど。
相手の心を動かす時の手段は、「企画内容を説明する」「自分を売り込む」だけじゃなくて、どの方向でもあり得るんです。
リクルートにはとんでもなく優秀なヤツらが集まって、とんでもない無茶なことをしてる。(最初に言った通り、僕はあんまり好きじゃないんですけど)
カヤマさんは、その後、リクルートに収まりきれなくなって飛び出してしまって、マリーガルマネンジメントという会社を作った。
その後、セガの大川社長に「セガの立て直しをしてくれ」ということで、役員として拾われて行ってしまって、現在フリーだそうですけど。
「日本には面白れえヤツがいるなあ」と、岡田斗司夫が感心したプレゼンの話でした。
【まとめ】
元リクルートのカヤマさんのプレゼンは誰でもできる方法ですが、禁断の一歩であるところが面白いです。プレゼンは相手の心を動かすことが大事です。
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