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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「分かりあえない人と関わる必要ってある?」
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「分かりあえない人と関わる必要ってある?」

2015-11-12 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/11/12
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「分かりあえない人と関わる必要ってある?」

    s-p-mさん/34歳/既婚の自営業

     対立する政治的意見を持つ人にどこまで踏み込んで議論するか悩んでいます。
     
     以前はイケイケドンドンで議論を吹っかけていたのですが、それをやって相手の意見から有益なもの、ハッとするものを聞き出せたためしが無く、またこちらも相手を納得させられるような発言ができたこともありません。
     
     最近の集団的自衛権云々もそうです。
     いくら賛成側の意見を読んでも、こちらが一番問題にしたい点が全く気にならないように振る舞われたり、その逆があったりで、「所詮、人種が違うと分かりあえないのか」と自分に対しても含めて絶望的な気分になってしまいます。
     
     そのような気分を乗り越えてでも、分かりあえない相手と粘り強く関わり続けることに意味はあるのでしょうか?

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     人が分かりあうには、お互いが「どのくらい引けるか」もしくは、「条件を下げれるか」が必要なんだ。
     映画『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』のアムロとシャアが分かりあえなかったことから話そうか。


    ■アムロとシャアが分かりあえない理由とは?

     人間は宇宙に行って革新し、分かりあえるはずだった。
     でも分かりあえなかった。
     その理由は「地球がまだある」から。
     そのおかげで人間はまた地球に戻って、政治的対立や人種的対立を宇宙空間へ持ってきてしまう。

     そこでシャア・アズナブルは、「人間が変わるよりも、地球を無くして住めなくしてしまえばいい」と考えたんだ。
     2、300年ぐらいの間、人が地球に住めなかったら、みんなにとって地球は思い出になる。
     全人類が「地球を失った」という共通の辛い体験の上で、地球人類が分かりあえるから。
     
     こんなに簡単に『逆襲のシャア』を説明した人いないよね(笑)

     つまり、失うものがあれば、人間は結託できる。
     アクシスを地球に落として膨大な人を殺す。
     その代わりに、残った人間は分かりあえる。
     そういうことをシャアはやろうとした。

     それに対して、

     アムロ「そんなことをしなくても、俺たちは分かりあえたじゃないか」
     シャア「俺たちが分かりあえたことと、地球人類が分かり合っていないことは別問題だ」
     アムロ「とにかく、そんなに人を殺すことが間違ってる。ララァはそんなことを言ってなかった」

     という大痴話喧嘩になった。

     人は言語の世界で高度な議論ばかりしていたら、分かりあえないんだ。

     普段、人間が持っている情動の世界を、なんとか理性で変えているのが言語の世界。
     高度な議論とは、それをさらに理論化して、抽象化させた世界なんだ。
     ステージを上げた世界で話すともう分からなくなる。

     お互いの意見が積み上がりすぎてるから、引くに引けなくなる。
     レゴの最上段くらいまで作ったところで、リテイク指示を貰っても困るよね。
     全部やり直すみたいなことで、どんどん崩すしかない。


    ■理論で分かりあえない相手とは情動の世界で付きあう

     2人はどのレベルで議論して、どうやれば分かりあえたのか。
     それにはとにかく1回、情動の世界に降りないといけない。
     酒を飲むでも、一緒に風俗に行くでもいい。
     つまり、「アムロとシャアは、なぜ一緒に酒を飲まなかったの?」って話。
     
     「アイツの言ってることは理解できないんだけども、分かる気がする」という変な納得の仕方をするしかない。
     つまり、「言ってることは納得できないがアイツは人間として許せる」というような理屈じゃない世界だね。

     分かりあえない人と関わりあう必要があるのは、アムロとシャアみたいなもの。
     情動の世界でつながらずに理屈の世界だけだったら、分かりあう必要なんて全くないんだ。
     言語を駆使すれば駆使するほど、お互いの理論武装が強固になるので分かりあいにくくなる。

     「分かりあえない相手と粘り強く関わり続けることに意味はあるのでしょうか?」(質問文)

     意味があるというよりも、その方が知り合いが増えるぐらいのこと。

     「河原で殴り合う」(コメント)

     殴り合うもそうだけど、そのために飲み会に行くとか、しょうもない映画を一緒に観て2人で愚痴を言うとか、いろんな仲良くなり方がある。
     理屈でダメな場合は理屈以外の方法を考える。
     バーバルコミュニケーションでダメな場合は、ノンバーバルコミュニケーションで考える。
     コミュニケーションのレベルを、あえて下げることを考えてみよう。

    「カラオケで歌う」(コメント)

     その通りだね。
     納得できないようなことも、歌で言われたらすごく納得することがあるよね。
     俺もPerfumeが歌を言葉として聞いたら何を言ってるか分からない。
     でも歌で聴いたら、なんか分かるような気がする。
     「わたしはリニアモーターガール」って、何を言ってるんだと思う。
     でも曲にのせて言われると、なんか分かるからね(笑)

    【まとめ】
     お互いに高度な議論をしていては、理論武装が強固なので分かりあうことは難しいです。
     そのような相手とは、コミュニケーションのレベルを下げて、情動の世界で付きあってみましょう。
     
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