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テレビで紹介の「無音」の曲がクラシックチャート急上昇! ジョン・ケージ『4分33秒』
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テレビで紹介の「無音」の曲がクラシックチャート急上昇! ジョン・ケージ『4分33秒』

2013-10-10 10:30
    Filed under: 国内, カルチャー, 音楽, アフター5, トピックス

    曲の始まりから終わりまで一切音がしない楽曲がチャートを急上昇する。そんな現象が起きている。

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    きっかけは、10月9日に放送されたバラエティ番組『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日)の人気コーナー「新・3大〇〇調査会」。同コーナーは、番組が独自の視点で選んだテーマに関する3大トピックを紹介するという内容のもの。この日扱ったのは、「新・3大 ジョン・ケージ 音楽の概念を覆した楽曲」というテーマだった。

    ジョン・ケージなる人物は、20世紀に活動したアメリカ出身の音楽家。それまでの音楽の形式にとらわれない作品を数々作曲してきており、現在の前衛音楽に与えた影響は多大。"実験音楽の父"という異名もある。

    そんなケージの作品群の中でも特に有名なのが、1952年に生み出した『4分33秒』という曲だ。この"曲"は、一言で表すと「無音の音楽」。第1楽章から第3楽章まである同曲だが、楽譜には「TACET("休止"の意)」と記されているだけで、曲の演奏時間である4分33秒(演奏者によって不定)の間、演奏者は全く楽器を弾かずに沈黙を貫き通すのである。

    番組では、この『4分33秒』が最初に紹介され、生きている人間にとって完全な無音は存在せず、自然に聞こえるもの全てが音楽であるというケージの考えを解説した上で、オーケストラによる実際の"演奏"シーンを放送した。演奏といっても、前述した通り演奏者たちは何もしない。ただただ無音の状態が続き、ときおり観客の咳払いの音のみがホールに響くだけなのだ。しかし、これこそがケージが意図した状態。そのことを理解しながらも、出演者のマツコ・デラックスは「どう捉えたらいいか分からない」と戸惑っていた。

    そんな『4分33秒』が、番組の放送後、iTunesのクラシックチャート(日本国内チャート)を急上昇しているのである。放送終了から約7時間後となる10月10日の午前6時時点、同チャートでの『4分33秒』の順位は21位。そしてその1時間後、順位は13位に上昇。150円を出して同曲をダウンロードしている人が、確実に複数存在しているのである。

    断っておくが、「iTunesで売られているバージョンには音が入っている」というわけではない。こちらも、完全な無音である。コンサートホールで同曲を"聴く"際には、無音状態の中で鳴り響く咳払いの音などに意識を向けるという意味があることは理解できるが、ダウンロードして携帯端末で聴くのであれば、イヤホンを耳にさして4分33秒間何もしなければ同曲を聴いたのと同じ状態を作ることができると思ってしまいそうなところ...。しかし、それでも番組の影響を受けて購入する人がいるのである。

    この急激なチャート上昇は、iTunesクラシックチャートにおけるランキングアップが他のジャンルのチャートに比べてハードルが低いことも要因として考えられるが、あらためてテレビから流れる情報の影響力の強さを認識できる現象といえるかもしれない。

    【参照リンク】
    John Cage - 4'33"
    https://www.youtube.com/watch?v=zY7UK-6aaNA

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