「デキの悪い社員ほど可愛い」
どこの会社でも見られる光景ではないでしょうか。上司がデキの悪い社員ばかりを心配し叱り、フォローする。逆にデキる社員は、デキの悪い社員と同じ成果を出したところで、褒められることもないので、損な役回りとなってしまいます。
それと同様のことがAKB48の中でもあったようです。
AKB48公式サイトより
「お前は圧倒的に損だ。スキルが元々高い人間は、普通に変わったくらいでは変わった感じがしない」
これは、秋元康氏がAKBの大島優子によく聞かせていた言葉。AKB48在籍時、ほとんどのシングルでセンターを務めたのは前田敦子でした。歌もダンスも器用にこなしアイドル向きだった大島は平均点が高い。しかし、なかなかセンターに立つことはできませんでした。そもそも、AKB48のコンセプトは、素人だった少女たちをファンの手によって育てるもの。そういう意味では、不器用な前田の方がセンターに適役だったのです。
そんな大島に対し秋元氏は、「お前は損だ」と言いながらも、「評価されなくても腐ってはいけない」というメッセージを送っていたという見方も。
「人間の心理として『できない子ほど、かわいい』というものがある。たいていの親は、できる子どもはほったらかしにして、できない子どもばかり目をかけて育てる。そのため、できる子どもはおもしろくないかもしれないが、もともとそういうものだと割り切れば、自分を納得させることができるであろう」とは、心理学者の内藤誼人氏は分析します(『秋元康の発想は、なぜ人の心に「刺さる」のか? 夢をかなえる48の心理テクニック』より)。
AKB48のコンセプトからすると、やはりセンターは大島よりも前田だったことに頷けます。
できる人は褒められないもの。これはもう割り切ってしまった方がいいようです。ただ、そこで腐らずに努力することで、より高みに辿り着くことができるのでしょう。
【書籍データ】
・『秋元康の発想は、なぜ人の心に「刺さる」のか? 夢をかなえる48の心理テクニック』 内藤誼人著 内藤誼人著
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