合宿に集まった学生たちが『Minecraft』で深谷駅を再現 慶応大学と東京大学の教員・研究員による地域資源研究の共同プロジェクト
https://getnews.jp/archives/2110305[リンク]
同プロジェクトが“BOKUCRA(ぼくクラ)”という名称でウェブサイトを公開し、2019年3月22日から26日にかけて春合宿を実施しました。深谷駅はどこまで完成したのでしょうか。
BOKUCRA – ぼくたちが深谷をクラフトする件について。| 地域資源研究プロジェクトin深谷市
https://bokucra.com/fukaya/[リンク]
同プロジェクトは、地域のシンボルや街並みを『Minecraft』上に再現することで、新たな地域資源の魅力を発掘していくことを目的に、深谷市の協力により進行しているもの。年に3~4回の合宿を予定していて、12月に実施した冬合宿では、ドローンで撮影した写真を基に屋根や屋上の形状も再現しました。
春合宿に参加したのは、制作をサポートする建築科の大学院生、N高等学校から参加した高校生、地元の深谷商業高校の高校生など14人。深谷駅近くの一軒家でスタッフと学生が寝食を共にして、駅構内を視察したり地元商店街の人たちと交流しながら制作を進めました。
春合宿では、駅のホームや階段、駅構内の構造まで含め、深谷駅のかなりの部分が制作を完了。
自動改札や券売機が再現されていたり……
改札内部の天井にある、ドーム状の吹き抜けも精巧に再現されています。
ホームの下に敷かれたレールの上には、JR高崎線の車両も設置。
エスカレーターやエレベーターの一部は、実際に上昇・下降する仕掛けも用意されています。
3月25日には、合宿の成果を振り返るワークショップが開催されました。先生がいる学校、コーチや指導者がいる部活とも異なる“ぼくクラ”には、「深谷駅の完成」という目標だけがあり、自分たちで進め方を考えるという特殊な環境。「いかに遊びながら作るか」ということが重要だったと参加した学生は語ります。
実際、学生たちはボードゲームで遊んだり、Nintendo Switchの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』で遊んだり、「最初は7:3でゲームをやっていた」とのこと。自分たちでモチベーションをコントロールしながら作業時間を作ったり、「ブロックの移動が上手な人」「細かい形状を再現できる人」「大きなサイズを把握できる人」と、各人の得意なスキルに合わせて役割分担したりと、仕事をする大人たちも参考になりそうな作業の進め方を実践していたそうです。
24時間一緒に過ごすことでコミュニケーションが密になる成果も。対面で話す方がオンラインで共同作業するより伝わりやすいという声がありました。時には深夜に及ぶ作業も、夜中のテンションで楽しんで乗り切るなど、昨今の働き方改革の動きとは逆行するものの、“合宿”という形態で進める作業の有用性も確かにあると言えそうです。ただし、仕事とは異なりお金が発生しないからできたのではないか、という意見も。
『Minecraft』ならでは、という理由で共同作業が実現した側面もあるようです。通常は1人で制作している場合でも、作っては修正、という作業を繰り返して建物や構造を作り上げていく『Minecraft』。このため、作ったものを他の人に修正されてもケンカにはならなかったそうで、逆に「クールな修正ができる人は頼りにされた」という声もありました。
そんな学生たちの共同作業で完成させた深谷駅のモデル。今後は完成したモデルを動画で公開していくほか、地域内外の人に『Minecraft』上のワールドを実際に触ってもらうお披露目会を検討しているとのこと。今後の動きについても随時、記事で紹介していきます。
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