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  • プロローグ

    2018-10-30 11:00  
    某月某日、都内某所。 近未来を感じさせる、円筒状の部屋。カーテンが閉め切られ、ライトの落とされた、薄暗い室内。中央の四面モニターが青白い光を放ち、その周囲をぐるりと囲んだドーナツ型の円卓に座す人影たちを照らし上げている。 席数は十二。うち半数が埋まっていた。最も奥まった席、卓上に組んだ両手を乗せた初老の男が口を開いた。「さて、いよいよだね」 それほど大柄というわけではないが、切れ長の瞳が並々ならぬ気迫を感じさせる。「いよいよ、計画を実行段階に移す。失われた黄金の時代を再び取り戻し、停滞した世界を変革する時だ」 中央のモニターには、履歴書然とした年若い女の子たちのバストアップが、数名分映し出されていた。画像にはパーソナルなデータも書き込まれている。下は小学生から上はOLまで、年齢層は幅広い。 居並ぶ影たちは、たくらみの気配を漂わせていた。いったいどういう集団なのか? 何をする組織なのか? 全