橋下徹さんが大阪市長を辞職して、出直し選挙に再出馬する意向を表明した。橋下さんの行動に対して、「自分勝手だし、そもそも大義がない」「選挙にかかる税金の無駄遣いだ」などといった非難が集まっている。

この騒動の大元には、橋下さんが提唱してきた「大阪都構想」がある。大阪では、大阪「府」と大阪「市」という二つの組織が、それぞれ行政サービスをしている。この「二重行政」の状態が、「おカネ、時間、そして人材のムダを生んでいる」というのが、橋下さんの主張だ。

橋下さんの主張に対して、実はその「ムダ」はさほど大きくない、という反論もある。さらに大阪市議会の議員にすれば、都構想なんてとんでもないことだ。「市」がなくなるのだから、「市議会」もなくなる。彼らは失職するのだ。もちろん自分の足元だけを見て、反対しているのではないと信じたい。とはいえ、議員の大半が「都構想」に反対なのは事実である。

一方の橋下さんにすれば、市議会が反対することが納得できない。橋下さんは、「都構想」を掲げて市長選挙で勝った。つまり、市民の支持は十分に得られているという自信があるのだ。