<七夕賞:追い切り>

 サマー2000シリーズ第1戦の七夕賞(G3、芝2000メートル、12日=福島)に向けて8日、目黒記念2着のレコンダイト(牡5、音無)が朝一番の栗東坂路で追い切られた。同レースに出走する僚馬クランモンタナと併せ、ラストまでしっかりした動き。先週は福島初登場のルメール騎手で音無厩舎のアンビシャスがラジオNIKKEI賞を勝利。今週も福島初参戦のM・デムーロ騎手が、厩舎を2週連続重賞制覇に導く。

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クランモンタナ(左)と坂路で併せたM・デムーロ騎手が騎乗するレコンダイト

 梅雨空の坂路で、エネルギッシュな2頭が駆け上がる。M・デムーロ騎手騎乗のレコンダイトと、同じレースに出走するクランモンタナ(古馬オープン)だ。星空柄のジャンパーに身を包んだ鞍上が手綱を押すと、2頭がぴったり並んだ。ラストで右ステッキが入ると、不良馬場をものともせず、力強い脚取りを披露。僚馬には首差遅れたものの、4ハロン51秒6-12秒9と上々のタイムに「元気です。いい感じ。すごいかしこい馬だね」と同騎手は好感触をアピール。重賞Vへの態勢は整った。

 負けん気の強さはピカイチだ。前走・目黒記念は初の重賞舞台ながら2着に健闘。ゴール前で抜け出した時には、内から伸びてきたヒットザターゲットに“白い牙”をむき出しにしてかみつこうとした。「あれがなければもう少し際どかったかも。根性があるね。並ばれてもなかなかしぶといところがある」と音無師。春からコンビを組んでいる鞍上も、前走であらためて能力を確認。「いいレースだった。勝った馬も強かったね。2500メートルはちょっと長かったし、今回の方がいい」。距離短縮は絶好の条件だ。

 厩舎の勢いもある。先週ラジオNIKKEI賞では僚馬アンビシャスが快勝。初の福島参戦だったルメール騎手は、土日3勝ずつ、計6勝の大活躍を重賞制覇で締めくくった。今週は人馬ともに福島初参戦。「長くいい脚を使うタイプだから、直線が短いのはどうかな」と音無師は釘を刺しつつも「M・デムーロ騎手は『今週は僕の番です』と言っていたよ。チャンスはある」と、先週のルメールにかなり刺激を受けていた鞍上に期待をかける。日曜福島ではミルコの大暴れが見られそうだ。【平本果那】