<新馬戦情報>

 偉大なる先輩に続く-。常勝、須貝厩舎の期待馬アドルナメンテ(牝、父ワークフォース)が12日函館5Rの2歳新馬戦(芝1800メートル)で初陣を迎える。出世レースとして知られる条件で、厩舎の先輩ゴールドシップ(牡6)をはじめ、過去にG1馬を多数輩出してきた。厩舎の“黄金”ローテを歩む逸材が、いよいよベールを脱ぐ。

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8日、アドルナメンテ(右)は芝コースでアドマイヤエイカンと併せて追い切られた

 逸材アドルナメンテが、偉大な先輩の背中を追う航海をスタートさせる。450キロと小柄な馬体とはいえ、漂う気品高さはすでに大物を感じさせる。厩舎の先輩ゴールドシップが進んだ航路にかじを取り、大海原に力強くこぎ出していく。北村助手は「クラシックに乗せていきたい」と確かな手応えを伝えた。

 “黄金”ローテが進むべき道を照らしている。同厩舎は函館芝1800メートルの新馬戦にゴールドシップのほか、ローブティサージュ(阪神JF)など毎年、期待馬を送り込んできた。早期にデビューし、勝ち上がることでその後のローテーションに余裕も持たせ、成長を促しながら確実にクラシック路線に乗せる。逸材に課していく、常勝厩舎が作り出した王道ローテだ。北村助手も「これは須貝ローテ。この馬にもそれだけの期待をしている」という。

 8日の追い切りは、芝コースで来週デビューを迎えるもう1頭の素質馬アドマイヤエイカン(牡)と併せ4ハロン56秒2-12秒9。首差遅れはしたが、相手に合わせたもの。栗東坂路で十分、乗り込まれ態勢はしっかり整えられている。「函館では調整程度でいい。初めからここ目標に仕上げて出来はいい。折り合いもつくし、走りの感じから洋芝も合いそう」と話す。

 父は新種牡馬ワークフォース。近親にはエリザベス女王杯を勝ったフサイチパンドラがおり血統的にも文句なし。大いなる軌跡を北の大地からしるす。【松末守司】