今年のクラシック戦線を締めくくる菊花賞(G1、芝3000メートル、25日=京都)の枠順が22日、確定した。
「田辺マジック」で菊制覇を狙う田辺騎手(撮影・山崎哲司)
5枠10番のブライトエンブレム(牡、小島茂)で挑む田辺裕信騎手(31)が大駆けを予告した。前日、栗東での追い切りに騎乗して好感触をつかんだ様子で、「後は僕が思い切れれば。ワンチャンスをモノにしたい」と決意を語った。
奇才に迷いはない。「器用な馬じゃないので、馬重視のレースになると思う」と騎乗プランを語った。ゲートの出は速くない。「この馬はあれこれ考えない」と後ろからの競馬を想定。大胆不敵な田辺マジックで勝利をたぐり寄せる覚悟。「セントライト記念の負けでマークは薄くなる。人気がないからこそできるレースもありますから」とニヤリと笑った。
菊花賞は11年ユニバーサルバンク(9着)以来、2度目の騎乗となった。「(3200メートルの)天皇賞・春とは違うし、よく分からない。京都の馬場も好きじゃない」とけむに巻くが、一方で「栗東で関東村(出張厩舎)を見ました。頑張って欲しいですよね、関東馬」と秘めた思いも口にした。昨夏にはサマージョッキーズシリーズを制した夏男が、菊制覇で秋男の座に虎視眈々(たんたん)。「夏のイメージがあるのかな? 全く気にしてませんけど」。最後まで田辺節は健在だった。【山田準】