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天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、11月1日=東京)で昨年の皐月賞以来、2度目のG1勝ちを狙うイスラボニータ(牡4、栗田博)は27日に坂路を2本、シャープに駆け上がった。1本目は4ハロン67秒4-17秒3、2本目は64秒6-15秒8。栗田博師は「ピリッとしてきたね。目に精悍(せいかん)さが出てきたから」と声を弾ませた。
完成の域に近づいた皐月賞馬イスラボニータ
ただ1頭3歳で挑んだ昨年の天皇賞・秋は実績ある古馬相手に3着。だが続くジャパンCは9着。今年初戦の中山記念も1番人気で5着に敗れ、レース後、左前球節の不安で休養に入った。期待と不安が交錯する中、毎日王冠で復帰。決して本調子とは言えない中、中身の濃い3着と地力を示した。師は「改めていいものを持っていると再認識した」と振り返った。
日々の調教でも落ち着きが出て、課題の精神面にも成長がうかがえる。1週前に騎乗した蛯名騎手は「力を抜いているところがいい」と成長を確認。師も「やんちゃ坊主がどっしりしてきた。大人になってきたね」と目を細めた。完成の域に近づいた皐月賞馬が、重賞2個を含む4勝と得意の東京で2個目のG1取りへ虎視眈々(たんたん)。「目覚めてくれたね。後はどういう結果が出るか」。師は静かに、93年ヤマニンゼファー以来、22年ぶりの秋盾制覇を見据えた。【山田準】