<東京スポーツ杯2歳S>◇23日=東京◇G3◇芝1800メートル◇出走11頭

 別格の切れ味だ! 武豊騎手(46)騎乗の4番人気スマートオーディン(牡、松田国)が、父ダノンシャンティ譲りの末脚で快勝した。後方2番手から32秒9の最速上がりで直線一気の差し切り勝ち。勝ちタイムは1分49秒5。次走は未定も、来春のクラシックの有力候補に浮上した。

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ゴール前抜け出し東京スポーツ杯2歳Sを制したスマートオーディン(撮影・酒井清司)

 長い府中の直線。大外から突き抜けたのは武豊騎乗のスマートオーディンだった。坂下から加速すると、一気にライバルをのみ込んでいく。残り100メートルで先頭に立つと、最後は手綱を押さえる余裕のゴール。武豊は「期待通り。すごく伸びましたね。すごい切れ味」と絶賛した。

 発馬で外に大きくよれ、後方2番手からの競馬。直線でも内に2度よれる若さを見せたが、エンジンの性能が違った。上がり3ハロンは最速の32秒9。2位タイのプロディガルサン、ハレルヤボーイより0秒5も速いのだから、他馬に付け入る隙はない。前半1000メートル1分2秒4のスローペースも何のその。4角最後方から大外をブン回して突き抜ける、別格の強さだった。松田国師は「直線はスタンドを見る余裕があったね。走りすぎないようにだけ気をつければ、来年楽しんでいただけると思います」と余裕の笑みを見せた。

 父譲りの豪脚だ。ダノンシャンティは10年NHKマイルCを後方16番手から直線一気で制した。父も手掛けた師は「ダノンシャンティもそうだったけど、切れる馬はジョッキーの姿も美しいね」と目を細めた。

 次走は未定だが、父が右後脚骨折で出走取り消しとなったダービーを見据えているのは確か。武豊が「かなり楽しみ」と言えば、キングカメハメハ、ダイワスカーレットなどG1・13勝の名伯楽も「年が明けて、馬の完成度に合わせて調教のペースも上げていきたい。これからは4番人気にならないようにね」と笑った。【山田準】