様々な幼児教室の出現等、幼児教育に力を入れるママが増えている今、興味深いデータが出ました。ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」が「幼児期から小学年生の家庭教育調査」を実施。幼児期に生活していくために必要な生活習慣が身に付いているかどうかで「学びに向かう力」が左右される実態が裏付けられました。
つまり、お金をかけてとりあえず幼児教室に通わせる前に、しっかりとした生活習慣を身につけさせることが大事であるということ。言い換えれば生活習慣がきちんと身に付いていない子どもにいくら高度な幼児教育を施しても効果は上がらないということ。調査について詳しく見ていきます。
調査の概要幼児に必要な学習準備つの軸
ベネッセ次世代育成研究所は歳児から小学校年生までの子供を持つ母親を対象に調査を行い、幼児期から小学校年生の家庭における子供の学びの育ちと親の関わりの様子、学びの形成に必要なことを探りました。本調査では、幼児期から小学校の学習生活に移行し適応できるために必要とされる力、幼児期に育てたい生涯にわたって必要な力について考慮し、幼児期に必要な学習準備としてつの軸をおいて調査しました。
① 生活習慣トイレ、食事、挨拶、片付けなど生活していくために必要な習慣
② 学びに向かう力自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦する等、自己主張・自己統制・協調性・好奇心に関係する力
③ 文字・数・思考文字や数の読み書き、順序の理解等、幼児期から小学校段階での学習に関係する力
生活習慣を身につけることの重要性が判明
回答者の内、年長児歳児の母親1125人に聞いた所、生活習慣が身に付いている子は83.5%が「物事をあきらめずに挑戦することができる」に該当したのに対し、生活習慣があまり身に付いていない子は同53.3%でした。さらに生活習慣が身に付いている子ほど「自分の言葉で順序を立てて、相手にわかるように話せる」の割合が大きいという結果がでました。つまり、生活習慣が身に付いていれば、学びに向かう力が伸びるということ。幼児期からの積み重ねがいかに大事かを教えてくれる結果となっています。
親は「子供に考えることを促す」ことが大切
さらに年長児において、母親が「子供自身が考えられるように促す」が「ある」ケースと「ない」ケースを比較した場合、「数を足したり引いたりすることができる」文字・数・思考の割合は前者で90.7%、後者で73.8%と差が出ました。同様に「諦めずに挑戦する」学びに向かう力ができる割合も、前者で80.5%、後者で53.8%と差が出ました。つまり、母親の「子供自身に考えさせる」促しが多いほど、「文字・数・思考」「学びに向かう力」は伸びる傾向にあるということ。この「子供自身が考えられるようにうながす」とは、「親が子供の言葉を聞いて応答することで、子供を認める」ことから始まるとし、最初に良い聞き手になることが重要だとしています。そして子供と同じ目線で親も興味を持ったり、一緒に共感してあげたりしながら子供の言葉を膨らませ、子供自身が考えるようにしていくことが大切であるといいます。
親は子供を待つ事ができずにイライラしてしまったり、すぐに手を貸してしまったりしがちですが、大きな心を持ち、子供を待ってあげることが後に子供を伸ばす近道だといえるでしょう。
どんな素晴らしい先生がいても、家庭での教育をきちんとしていなければ、子供の芽をつんでいるようなもの。目先の大切なことを見落としがちな今に警鐘を鳴らしてくれているような気がします。
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学ぶ物も幸福もその辺に落ちてるじゃない。
成長期の機能発達を促進させるというプロセスは脳科学においても非常に重要なもの。
成長期を終えてからの反復練習とは別でその子供の土台となる部分の形成にかかわるので、幼児期における育児には注意したいものですね。
少なくともこの時期に親にかまってもらえず脳の前頭野が発達障害を起こしてしまうと、現代社会で問題になっている人の気持ちが分からない、空気が読めない、うまくコミュニケーションが取れない、善悪が判断つかないといった子供になってしまうので非常に大切な時期だといえるでしょう。