生理の時期ではないのになぜか出血するーーそういった症状になったことはありませんか。これは不正出血と呼ばれる症状で、何らかの病気が関係している「器質性子宮出血」と、排卵時に起こる排卵出血、妊娠時に起こる出血などがあります。詳しく見てみましょう。
排卵時に起こる出血
生理と生理の間の時期である排卵期に、1~3日ほど少量の出血があることも。これは排卵前に卵巣から放出されるホルモン(エストロゲン)が一時的に減ってしまうことが原因。ときに軽い腹痛をともなうこともありますが、通常は1~3日で出血は収まります。
生理の周期が順調な人で、次の生理予定日の約2週間前頃に少量の出血があった場合は、排卵期出血と考えて問題なし。
妊娠に伴う出血
受精卵が子宮内膜に着床する時に出血することがあります。通常受精は排卵直後に卵管内で起こりますが、受精卵はゆっくりと卵管を移動して子宮に辿り着きます。受精後およそ12日後には子宮内膜の中へ落ち着きます。このときに少量の出血を起こすことがあり、これが生理予定日の頃に出血として出てくるのです。
しかし腹痛があったり出血の量が多い場合は、流産や子宮外妊娠の場合もあるので、早めに医師の診察を受けましょう。
ホルモンバランスの乱れによる出血
ストレス過多なときや急激なダイエットでホルモンバランスが乱れると、不正出血が起きることがあります。あまりにも長期間続くと、無排卵状態が続いて不妊症になる可能性があるので早めに診療を。
病気による出血
(1)子宮腟部のびらん
子宮の出口の脆い部分が物理的な刺激などで、出血しやすい状態になっていることがあります。子宮膣部が赤くただれた状態になっています。主な症状としては、おりものの増加、不正出血が上げられますが、症状が重くなければ治療の必要は特にありません。
(2)クラミジア頸管炎
子宮頸部がクラミジアに感染する病気。主な症状としては、膿のように黄色くて粘り気のあるおりもの、性交渉の後の出血、下腹部痛などが挙げられます。抗生剤で治療をします。また妊娠中にクラミジア頚管炎になると、流産や早産、破水など出産時が危ない可能性もあるので注意が必要です。
(3)子宮頸癌
子宮頸管に発生するガン。性行為で感染するヒトパピローマウィルス(HPV)が原因です。セックスの経験がある人であれば、誰でもかかる可能性があります。初期の頃はほとんど症状はありませんが、進行するにつれて不正出血や悪臭のするおりもの、下腹部痛などが起こるようになります。
(4)子宮内膜炎
子宮内膜が何らかの病原菌に感染する病気。主な症状としては、不正出血、下腹部の不快感、下腹部痛、腰痛、おりものの増加などが挙げられます。
(5)子宮内膜ポリープ
子宮内にポリープが出来る病気。主な症状としては、月経過多、不正出血、月経困難症、不妊症などが挙げられます。
(6)子宮筋腫
子宮内に出来る良性のコブのことで、20~40代の女性に多い病気。症状がない場合もありますが、コブの場所によっては月経過多、過長月経を引き起こすことも。
問題のない出血であればいいのですが、少しでも異変を感じることがあれば、量の多さに関係なく婦人科で見てもらったほうがいいでしょう。