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「ポリ公特効薬・六本木裏社会・ラブホ廃墟」ニコ生ナックルズマガジンvol.02
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「ポリ公特効薬・六本木裏社会・ラブホ廃墟」ニコ生ナックルズマガジンvol.02

2013-01-11 21:11

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                                                          2013/01/11

        久田将義責任編集 ニコ生ナックルズマガジン
                                  vol.002
      □日本で一番危険なWEBマガジン。ニッポンの闇をさらけ出せ!□

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    日本で一番危ないWEBマガジンが創刊!『実話ナックルズ』『ダークサイドJAPAN』元編集長の久田将義が、インターネットを通して新たな「アウトローメディア」を始めました。その名も「久田将義責任編集 ニコ生ナックルズマガジン」。久田氏をはじめ、様々なアウトロー著者陣営がどの既存メディアでも露出できない記事をお届けします。

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    《目次》
    01.青木理 寄稿記事「謹賀新年・お巡りさんに贈る"特効薬" 」
    02.久田将義「ザ・リアルcase1『六本木裏社会』 」
    03.中田薫 寄稿記事 廃墟の裏側『油井グランドホテル(千葉県東金市)』~殺人現場になったラブホテル~

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    青木理 寄稿記事「謹賀新年・お巡りさんに贈る"特効薬" 」

     昨年(2012年)はヒドい年だった。といっても、別に何もかもがヒドかったわけではない。日本の警察があまりにヒドかったのである。
     昨年の上半期(1~6月)、全国の警察で不祥事が急増した。警官や警察職員が不祥事を起こして懲戒処分を受けた件数は、表沙汰になったものだけで205件に達し、上半期としては9年ぶりに200件を突破した。このうち免職や停職といった厳しい処分を受けた警官らも合計で83人に上っている。これは、1990年代の末に警察不祥事が相次ぎ、警察庁の音頭取りで「警察改革」がはじまって以降では最悪の数字だった。年間を通した不祥事の件数は間もなく明らかにされるはずだが、「警察改革」以降で最悪レベルになる可能性は極めて高い

     しかも、中身が悪質だった。ヤクザ者からワイロを受け取ったり、少女を強姦してしまったり、部下の不祥事を署長が隠蔽したり、ストーカー事件の捜査をサボって署内旅行に行ったため被害者が殺害されてしまったり……。その上、年末には超ド級の大不祥事まで巻き起こった。富山県警の現職警部補が二人を絞殺した挙げ句、証拠隠滅のため住居に放火して全焼させた疑いで逮捕されたのである。
     強姦、収賄、隠蔽、殺人、放火。警察が好んで使うような台詞をあえて使わせてもらえば、警察組織こそ「広域組織暴力団」ではないか、と皮肉の一つも投げかけたくなる。しかも警察は、強大な権力を持っているから始末に負えない。要は、警察庁が音頭をとった「警察改革」なるものが小手先の弥縫策にすぎなかったのである。
     一方で、肝心の事件捜査能力は低下している。近年、重大事件での冤罪が相次いで発覚しているのはご存知の通りだが、昨年は東電女性社員殺害事件の再審無罪が確定した。10月には、遠隔操作ウイルス事件での冤罪が続々発覚している。東京や神奈川、大阪などで何の罪もない4人の人が誤認逮捕されていた事件だが、驚くべきことに4人のうち2人は、やってもいないことを「自白」させられてしまっていた。おそらくは密室の取り調べで相当にデタラメな恫喝や脅迫が行われたのだろう。
     ここで詳述はしないが、警察や検察、裁判までをも含むこの国の刑事司法は、相当な暗黒状態である。治安がいいなどと胸を張ってみても、民主的な手続き面においては先進国でも最低水準と評しても言い過ぎではない。とはいえ、警察組織が腐敗し、冤罪が続発するような社会は、救いようのない暗黒社会につながりかねない。だから、指をくわえて不祥事増加を眺めているわけにはいかない。
     
     そこで、刑事司法全体の問題点はとりあえず脇に置き、警察組織に絞って私なりの改善案を3つほど記しておきたい。

    (1)公安委員会制度の機能回復
     公安委員会制度とは、警察の政治的中立と民主的統制のために戦後導入されたシステムである。政治が警察に不当介入するのを防ぐ一方、警察という権力装置を民主的に統治する知恵であり、東京・霞が関の警察庁はもちろん、各地の都道府県警察なども、基本的には国家公安委員会や各地の公安委員会の管理に服さねばならない。
     ところが、警察は長きにわたってこれを骨抜きにしてきた。民間の有識者らから選ばれる公安委員の人選は警察の思惑通りに決し、委員会の事務局も警察が務めている。これでは警察の管理といった目的など果たせるはずがない。
     だから、公安委員のメンバーを選挙で選ぶなり、せめて事務局を警察から引きはがし、自立した組織として警察監視の機能を回復させる。これができれば、警察改革は相当進展する。

    (2)キャリア制度を含む人事システムの改善
     日本最大の権力機関の一つである警察は、全国の都道府県警に30万人近くもの人員を配しているが、これをわずか数百人程度のキャリア官僚が牛耳っている。キャリア官僚とは東大法学部などを卒業して国家公務員一種試験に合格したエリートであり、都道府県警のトップや枢要な幹部はキャリア官僚で占められ、彼ら、彼女らは一般の警官とは桁違いのスピードで出世の階段を上っていく。
     キャリア制度には利点もあるのだが、弊害も実に多い。明らかに不公平な人事システムが組織にもたらす歪みはもとより、現場を知らぬキャリア官僚が机上の論理で的外れの指示を発し、現場に無理が生じたり混乱をきたしたりする例は枚挙にいとまがない。
     また、戦後警察は本来、都道府県ごとに独立した自治体警察として出発したが、キャリア官僚の巣である警察庁が人事や予算面での権限を握り、警察庁を頂点とするピラミッド型の権力構造が完全に構築されてしまっている。キャリア制度を見直すことで、こうした弊害は多少なりとも改善できる。

    (3)極度に閉鎖的な組織の改善
     しかも警察は、ほぼ絶対的な上意下達の組織であり、上層部の命令には絶対服従である。警察のような組織の都合上、それはそれで必要な面もあるのだが、不祥事や問題警官の発生を恐れる上層部は、部下のプライベートまで含めて徹底的に管理したがり、現場警官は息の詰まるような官僚的組織システムの中に組み込まれる。誰でもそうだと思うが、そんな組織にいれば、不満が鬱積して爆発しかねない。
     本来は、組織内の不祥事や不正、人事上の不平や不満などを含む問題点が外部から可視化され、もっとオープンな形で防止策などが論じられるような状況が望ましい。たとえば、警察に労働組合があったって構わないのである。そうした内部チェックの装置や闊達な空気がないからこそ不満が鬱積し、不祥事や不正が起きた際も上層部は隠蔽に走りがちとなる。これが構造的な不正ともなれば、さらにその度合いは強まる。つまりはトカゲの尻尾切りで済ませ、根本的な問題改善を先送りしてしまうのである。典型例が、随分前から問題となっていた裏金問題だろう。
     日本の警察は長らく組織的な裏金作りに手を染めてきた。捜査情報を集めるためのカネなどを不正にプールし、幹部の交際費や遊興費に流用してきた。近年、各地の地方新聞などがこれを果敢に追及し、バレてしまったものに関しては警察側も渋々認めたが、大半の警察は知らんぷりを決め込んでいる。上層部の指示で組織的な不正が行われ、それが隠蔽されているのだから、末端の警官たちが不祥事を起こしても無理はない。だからこそ、労組の結成を含む内部チェック制度の充実による組織文化の根本的変革が必要なのである。
     繰り返すが、警察の不祥事や不正が続発し、冤罪が量産されるような世は暗黒社会につながりかねない。このまま放置しておくのは、どう考えてもマズい。(青木理)

    青木理(ジャーナリスト)
    1966年、長野県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1990年、共同通信社入社。警視庁警備・公安担当などを経て、2002年から2006年までソウル特派員を務め、『北朝鮮に潜入せよ』(講談社現代新書)を執筆。2006年に独立し、主な著書に『絞首刑』(講談社)、『ルポ 拉致と人々』(岩波書店)がある。近著は『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』(小学館)

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    久田将義「ザ・リアルcase1『六本木裏社会』 」

     暴力団排除条例施行の数年前の事である。

    「待てこらぁ!」「俺をなめとんのか!」

    夜の六本木のクラブの中で怒号が飛び交った。僕の隣の男が店の社長だかを怒鳴りあげている。僕は冷静を装っているものの、しかし心臓はバクバクだ。必死に男を止める。懸命に肩を抑える。神経を逆なでしないように優しく声をかける。
     でも「彼」もう完全にキレている。「彼」は服がはだけて胸から「絵」が見えているのも構わず店員に向かっていく。僕は気に触らないように服のボタンをはめようとする。それも押しのけ物凄い形相でこっちを見る。

    「こいつら俺をなめてんでしょう!あぁ!?」

    「ま、まずい……」

     僕の顔から血の気が引いていくのが自分でわかる。ここは六本木クラブだ。と、いうことはケツもちがいるに決まっている。


     怒号を響かせているのは僕の取材相手。
    「彼」はバリバリの「現役」だ。当たり前だが、酒が入らなければ普通に応対してくれている。
                      ※
     皆さんは盛り場でその筋の人間の喧嘩に出くわした事はあるだろうか。そういう場面には遭遇したくはないという人がほとんどだろう。遠くから見ている分には「いい見せ物」かもしれないがそうでなければ、巻き添えを食う可能性もある。
     それでは当事者になってしまった事はあるだろうか、その筋の人の喧嘩を。


     という事で、「もう二度とゴメンだ」という体験を書いてみる。編集者になっていなければこんな体験をせずに済んだのに……。

     六本木は日本で歌舞伎町に次いでヤクザ人口が多い街である、と僕は思っている。特徴として見かけではあまり、本職かどうか分からないというのがある。組長クラスでもポロシャツにチノパンなどで一般の会社員か自営業に見える。
     六本木からほど近い、西麻布、麻布十番など下町風情を残したそれでいてお洒落な街にもかなり「住民」はいる。よく、この辺で取材の場所を指定される度に意外に思ったものだ。
     
     その日、まず事務所で取材をし、六本木の居酒屋で軽く飲む事にした。ごく普通の大衆居酒屋である。居酒屋では他愛のない話をした。不良っぽい話題は皆無だ。「最近、奥さんどうですか?」とか「あの芸能人、どこがおかしいのかわかりませんね」とか。酒が結構入ってきて二軒目に行こうという事になった。
     お目当ての店はクラブだった(女の子がいる方)。
     
    ドアを開けた。芸能人も来る店で誰もが知っている某大物芸人の愛人も在籍しているクラブだ。

     店に来てから約一時間が過ぎた。だんだん彼は酩酊してきた。僕もいい気分になってきた。
    その時、彼が話しかけてきた。

    「ちょっとここの店、対応がおかくないですか?」
    「え? そうですかね」と僕。
    「ええ、店長を呼んできてもらいましょうか」表情が硬くなってきている。

     嫌な感じがした。
    店長の代わりにマネージャーと称する人がやって来た。どうやら接客についてのクレームらしい。
    「……」
    「……」
     マネージャーと彼が何やら話をしている。僕は横の女の子と会話をしていたが隣が気になって上の空だった。
    すると、
    「ちょっと待て」と彼がマネージャーに言う。
    「はい」慇懃無礼にマネージャーで応じる。

    「そこに土下座せえ」

    「は?」マネージャーも訝しげな対応。
    「聞えないのか。土下座しろって言ってんだ」既に顔色が変わっている。
     土下座するマネージャー。僕は自分の席の周りが異様な雰囲気に包まれている事に気が付いた。他の客も完璧に引いている。客もこちらを注視している。

     やばいな……。とにかく抑えるしかない。

    「お前な、分かってんのか自分の立場。おう?」と彼が迫る。
    「まあ、もう帰りましょうか」と僕。
    「いや、もうちょっといましょうよ」と少し僕に笑いかける。
     その笑顔に少しほっとする。カマシだったか。ホステスに向かって話しかける。
    「あんま心配しないでね」
    「うん」と結構平気な様子のホステスたち。
    「(こういう時の応対に)慣れてるね」と僕に言う。
     慣れてる訳ないだろ。そういう風に見せかけてるだけだって。と心の中でつぶやく。
     またマネージャーに詰め寄る。
    「おう、お前反省してるのか」
    「は? 何を反省するのでしょう」
    パシャッ。
     グラスの中のウィスキーをマネージャーの顔にかける。これはもう、引くに引けない。

    一線を越えたな。

    「お前、反省してないのか。ああいう対応で。おう?」
    「ああああ。お手拭ある?」と僕が慌ててホステスに声をかける。
    「いや、大丈夫です」とマネージャーが自分のポケットからハンカチを出して顔をふく。

    「何か、お前気に食わねえなあ」とヤクザが今度はグラスをマネージャーの頭に叩きつけた。

    ガン。
    音がしてマネージャーの顔に血が垂れてきている。

    怒声が店内に響き渡る。

    「何だ、てめえは! ナメてんのかコラ」顔色が変わっている。モードが変わった。裏社会の人間の顔を見せた瞬間だ。

     周囲にいたであろう同業者の客がどういう行動を取ったのかも僕は分からない。しかし、こちらに来なかったという事は、巻き込まれたくないという気持ちと、こちら側の素性を知っていたと思われたからではないか。確かに武闘派で名を馳せており、顔も利く。ここで下手に仲裁など入ったら「何だお前は? どこのモンだ?」となるだろう。そのくらい場面は読んだに違いない。

     やられた方は「それはちょっと……」とさすがに頭を抑え、必死に抗議する。普通に傷害罪だ。僕はもう余裕に見せかける事すら出来ずにいる。

     マズイ事になったな。僕は心の中で「あーあ」とあきらめの気持ちとこれからどうなるんだろうという気持ちが混じった感情だ。

     この場から逃げたかった。


    「何がちょっとだ、文句あんのか? お前じゃ、話にならんから社長読んで来い!」
    「いいんですか? それで」とマネージャー。半ば開き直った強気な態度だ。
    「おう、上等だ」
     その間、僕はおろおろしながらマネージャーに「怪我、大丈夫ですか?」と尋ねる。
    「いや、いいです」とぞんざいなマネージャー。引っ込んでろという事だろう。

     とにかく、一般人の酔客が怒るのとは当然ながら全く違う。やはり暴力のプロだなと思った。

     とは言うものの、そのマネージャーみたいな体験を僕は考えてみれば過去にしていたのだった。土下座はしないものの「殺すぞ!」とか何回も脅されていた。
    ただここは店の中だ。ケツもちもやって来るだろう。マネージャーにとって見ればホームである。僕の時とは異なる。

    僕はいつも脅されるたびに血の気が引いていくのがわかる。
    口が渇いて何も言えなくなるのがわかる。
     
     やがて社長という人がやってきた。何事か話している。ヤクザはキレたままだ。そして冒頭の怒声。
     土下座したマネージャーに僕は小声で尋ねる。
    「あのさ、ここって……●会だよね」
    「はい、そうです」とあっさりマネージャー。
     ほら、やっばり。
     僕は憂欝になった。六本木だとそこになるよな。有名な組織の名前を聞いて参ったなと思った。頭の中でイメージトレーニングする。
     確か●会なら●さんと名刺交換していたな。電話番号も携帯に入っているはず。何とか、なる……。いやいや、考え甘いだろ。

    どうなるんだ、俺。

    こういう事から「抗争」が始まるんじゃないのか。僕は●会が来るのをどきどきしながら待っていた。

    来た。「それらしき人」。

    「ちょっと外で話しませんか?」と「それらしき人」

     僕も行かなきゃならないのかな。酔いは完全に冷めている。 
    しかし、とっとと僕をその場において出て行ってしまった。
    「ちょっと話つけに行ってきますわ」というセリフを残して。
     残された僕とホステスたち。このまま酒を飲み続ける訳にはいかない。
    「あの、いったん引き返していいですか?」と血だらけのマネージャーに尋ねる。
    無言でうなずくマネージャー。
     ここにいてもしょうがない。店を後にする。ホステスの見送りはない。街に出てから上の人に電話しようか考えたが余計な事をすると、完全に巻き込まれると思い止めた。あくまで一般人という立場を貫くべきだと思ったからだ。事実一般人だし。
     翌日、彼に電話をした。大丈夫だったのだろうか……。

     すると、明るい声で電話に出てきた。
    「昨日はすみませんでしたねえ」
    「いえ。で、どうなったんですか?」

    「話し合いで済みましたよ」

    え? そ、そうなんですか?
     
     ほっとしたというか、拍子抜けしたというか。
     そう言えば随分前に、歌舞伎町である親分に取材した時の事を思い出した。
    「最近は浄化作戦も進んで、歌舞伎町も平和になったんじゃんないですか?」
    すると苦笑しながら、「表に出ていないだけで、小さな抗争、喧嘩は毎晩といっていいほどありますよ。でも上の私らで話し合って収めているんです」
     なるほど。変に喧嘩しても損得で言えば損するだけである。その辺りは裏社会の人間独特の計算が働いているのだ。(それにしても、怖かったーー)
    ※case1了。2に続く……

    (久田将義)


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    中田薫 寄稿記事
    廃墟の裏側『油井グランドホテル(千葉県東金市)』
    ~殺人現場になったラブホテル~

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     平成16年12月22日、クリスマスを目前に控えたこの日の早朝、明け方まで友人と遊んでいた高校2年生のK・Tさん(当時17歳)がJR茂原駅前で5人組の不良グループに取り囲まれた。この集団は「カラーギャング」と呼ばれる地元の不良グループで、以前から警察にマークされていた札つきの連中だった。
     主犯格の成人2名と少年3人の計5人は、Kさんを路上に押し倒して現金を強奪。Kさんは抵抗したが、少年らはKさんをそのまま車に乗せて拉致。現場から20キロ離れたこの廃墟にKさんを連れ込んで電気コードで絞殺、業務用冷蔵庫内に死体を遺棄したのである。
     殺人・死体遺棄現場となった『油井グランドホテル』は、昭和50年代後半頃に開業したものの経営が振るわず、その後平成7年頃に生け簀料理店に経営転換。地元漁港から仕入れた魚を生け簀で泳がせ、それら新鮮なネタが個室プレイルームで楽しめるという珍妙な料理店として営業していた。この物件が別名「活魚」と呼ばれたのは、建物のシンボルタワーの屋外看板に大きくその二文字が書かれ、それが物件のランドマークとなっていたことによる。だが、そんな風変わりな営業スタイルは世の中に受け入れられるはずもなく、平成10年頃にあえなく閉業。以降、廃墟となっていたのだった。
     廃墟になって以降は「どう見てもラブホテルなのに、なぜか活魚」という可笑しさから地元では有名な肝試しスポットとなり、夜な夜な好奇心旺盛な若者たちを迎え入れる物件に成り果てていた。そんな廃墟が、悲惨な殺人事件の犯行現場に選ばれたのだ。

     
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