前号で、「CASE1六本木裏社会」をかいま見た、というような事を書いた。こういう些細な事から喧嘩、抗争へ発展するんだなと思わず想像してしまった訳である。そして、歌舞伎町のある親分取材した際、「浄化作戦後も毎日、どこかで喧嘩は起きている。私ら、上の者が話し合いで止めているだけです」というコメントを聞いて、僕も「ああいうのが日常茶飯事なのか」と改めて裏社会の入り口を覗いた気がした。
僕などはまだまだ駆け出しでベテランの溝口敦さんや、先輩の鈴木智彦さん、山平重樹さんらのように、「食いこんで」はいないものの、備忘録的に第二弾を書いてみたい。
これは東京の暴走族を取材していた時の話である。下町出身者たちで構成されているそのチームの凶暴さは都内では知られており、彼らの地元の店で食事をしながらインタビューをしていた。OBも同席しており彼らの中にはヤクザになる者も少なくない。というより、僕の感覚だと半分以上が渡世に入っていたような気がする。「そういうチーム」だという事を読者の皆さんにおいては理解して頂いて読み進めて頂きたい。
地元の居酒屋に入り、インタビューも大体終わり、雑談モードに入っていった(店主もその暴走族出身である)。するとその店の常連の客(50歳くらい)が「俺も昔、暴走族だった」と言い出した。OBらは大人の対応で聞き流し、和気あいあいとした雰囲気の飲み会のような感じになった。僕も普通に、彼らと受け答えをしていた。
と、急に僕の隣に座っていたヤクザの雰囲気が変わった。今までは愛想よく受け答えしていたのに。少し沈黙した後だ。
「おう、ちょっと待て。お前今何言うたんじゃ」
コメント
コメントを書く「昔悪かったんだけどさあ」ニコ生配信者でよく聞きますね。いつか罰が当たるかなw