人類――とりわけ日本人は、急激な人口爆発の後、人口減少に転じた。この間、わずか70年ほど。そのため、人口爆発の時代を生きた人がまだ大勢残っている中で、人口減少が起きている。

そうなると、問題が一つある。それは、人口爆発の時代の人々の価値観が、まだ人口減少の時代を生きる若い人々に強い影響力を及ぼすということだ。彼らの価値観が、これから子供を生もうという若者を強く縛る可能性がある。

現在の結婚を巡る混乱は、それが原因で起こっている可能性が高い。
現代の結婚の問題が一番端的に表れているのは、いわゆる「婚活」だ。婚活に参加する多くの男女が大きなアンビバレンツに苛まれている。彼らは、「結婚したい」という気持ちと「結婚したくない」という気持ちの狭間で揺れているのだ。

なぜなら、彼らの「結婚したい」という気持ちのうち、その多くが「世間体」を鑑みてのものだからである。結婚していないと社会的に問題があるとい