ハックルベリーに会いに行く
なぜ勉強するのか?:その26(1,539字)
言葉というものは、曖昧さを本質としています。それは、人間の脳がそもそも曖昧さを指向していて、言葉がそれをトレースしたからです。言葉のありようは、人間の脳のありようをそのままシミュレートしているのです。
しかしながら、そうしてできた言語には、脳にはない特殊な力がありました。それは、「厳密さをも指向できる」ということです。
言葉には、ある程度の厳密さを持たせることができます。そうして言葉は、人間の脳から生まれたにもかかわらず、一人歩きして独自の方向性を目指すようになりました。
つまり、言葉というのはある種、本来は意図していなかった使われ方をしていて、しかもそれが上手くいっているのです。こういう状態を「予期せぬ成功」といいますが、予期せぬ成功ほど人類に大きな恩恵をもたらすものはないともいわれています。経営学者のドラッカーは、予期せぬ成功こそイノベーションを生み出す最も大きなきっかけ――といってい
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