ハックルベリーに会いに行く
映画『ジョーカー』のもたらす「混乱」の正体(1,938字)
映画『ジョーカー』を見た。今日はその感想を書きたい。
まず、見たときに「これはおとぎ話だ」と思った。それは抽象度が高いと感じたからだ。リアリティをあえて廃しているように見えた。
例えば、映画の冒頭で主人公は、街の少年たちからいたずらを受ける。このとき、街の人や警察は助けてくれない。それは一見「リアリティがない」ようにも見えるが、逆に「これは抽象的な話なのですよ」と観客に伝えているようでもある。
例えば、我々は『ぐりとぐら』の絵本を見ても、「動物がしゃべるのはおかしい」と憤ったりしない。この映画は、そういう態度をあえて求めているようにも思える。
つまり、ここでは主人公のアーサーが攻撃の対象になりやすく、しかもそこから逃れるのが下手であるということがただ描かれているだけで、それ以上の何かを求めてはならない――そんな戒めがやんわりと伝わってくるような感じがするのだ。
さて、しかしそういうふうに感
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書く最後のオチもどっちつかずな解釈ですよね