ハックルベリーに会いに行く
マンガ界の庵野秀明は誰か?:その2(1,666字)
庵野秀明は、創作物のパロディ――すなわち二次表現を一つの技法(芸術スタイル)にまで昇華させた。
それまでにも真似る(盗む)というのは多くの人がしていたが、だいたいは元ネタとの関連性をむしろ消そうとした。それがピカソが言う「すぐれた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む」というものだ。
つまり、偉大な人は盗んでいたのだ。しかし庵野秀明は、「盗む」のではなく「真似る」ことをむしろ前面に押し出した。それを連続させることで、初めて「偉大」の域に達した。
これは、庵野が世界初の「オタク世代」の代表であり、浴びるようにコンテンツを吸収してきた生い立ちがあるからだろう。1950年代後半に生まれたいわゆる「オタク第一世代」は、ありとあらゆるコンテンツが生活の中に溢れる環境で生まれ、それをほとんどストレスなく吸収しながら育ってきた。
それが、新しい芸術領域を生んだ。近年、アニメやマンガでは「異世界もの」が流行っ
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