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今の若者には佐田啓二が必要だ。なぜかというと、そこには今の時代に必要な(あるいは欠けている)、一つの「立ち振る舞い」というものがあるからだ。
ところで、佐田啓二は小津安二郎に多用された。また小津安二郎は、未来に対して鋭敏な感覚を持っていた。彼の作品群は、どれも作られてから60年以上経過するが、驚くほど現代的――つまり当時にとっては未来的な価値観に満ちている。
小津は、「脱近代」というものに対する深いこだわりがあった。中でも晩年のカラー作品には、「近代」への疑問がそこここに投げかけられている。
例えば『秋刀魚の味』には、当時豊かさあるいは新時代の象徴だった「会社」「工場」あるいは「団地」に対する微細な違和感が綴られている。それは目をこらさなければ見えないほどに小さなものなのだが、それらへの否定的な価値観が、暗喩的に発露している。
また『お早う』でも、プレハブ住宅に同種の違和感を投げかけている
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