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偽物の個人時代を抜け出すためには、「自動化された言葉」から脱却する必要がある。自分の言葉で話す必要がある。
では、自分の言葉で話すにはどうすればいいか?
それには、小津安二郎の映画を見るのがいいだろう。なぜなら小津映画の出演者たちは皆、自分の言葉で話すよう演技指導を受けているからだ。そうして彼らは、「自分で自分を演じる」という術を身につけている。
では、「自分で自分を演じる」という術を身につけるにはどうすればいいか?
最も基本となるのは、「上手く話そうとしない」ということだ。小津映画の出演者たちも、上手さは全く求められなかった。むしろ、「上手さへの執着」を捨てることを求められた。上手くなろうとしないよう要求された。
そこで、上手く話さないようにするにはどうすればいいか?――ということについて考えてみたい。
それにはまず、「他人に良く思われたい」という執着を捨てることである。「他人からどう思
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