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偽物の個人時代:その23(1,805字)
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偽物の個人時代:その23(1,805字)

2023-12-28 06:00
    偽物の個人時代を抜け出すためには、「自動化された言葉」から脱却する必要がある。自分の言葉で話す必要がある。

    では、自分の言葉で話すにはどうすればいいか?
    それには、小津安二郎の映画を見るのがいいだろう。なぜなら小津映画の出演者たちは皆、自分の言葉で話すよう演技指導を受けているからだ。そうして彼らは、「自分で自分を演じる」という術を身につけている。

    では、「自分で自分を演じる」という術を身につけるにはどうすればいいか?
    最も基本となるのは、「上手く話そうとしない」ということだ。小津映画の出演者たちも、上手さは全く求められなかった。むしろ、「上手さへの執着」を捨てることを求められた。上手くなろうとしないよう要求された。

    そこで、上手く話さないようにするにはどうすればいいか?――ということについて考えてみたい。
    それにはまず、「他人に良く思われたい」という執着を捨てることである。「他人からどう思
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