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岩崎夏海さん のコメント

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岩崎夏海
>>1
ご指摘ありがとうございます!
昔見たままだったので記憶があやふやになってました。
あらためて見直します!
No.3
117ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
ドラッカーの著作である『イノベーションと起業家精神』に、「重要な発明というのは定着するまでだいたい30年かかる」と書いてあった。蒸気機関、自動車、電話、コンピュータ。どれも、なぜか発明してすぐには定着せず、約30年後に広まるということだった。 ということは、来年2015年に広まるものは、30年前の1985年に発明されているのではないだろうか。1985年に新しく発明されたものが、2015年にいよいよ定着するのだ。 そうなると、1985年という年を詳しく見ていくと、2015年という年も見えてくるのではないか。つまり、ちょっとした未来予測ができるかもしれないのである。 そこで今回は、1985年というのは一体どういう年だったのか、考えてみたい。 1985年、ぼくは17歳だった。高校2年生で、受験を来年に控え、憂鬱な日々を過ごしていた。 そんなぼくにとって、1985年は忘れえぬ年である。なぜなら、ぼくはこの年、「夕やけニャンニャン」というテレビ番組と出会ったからだ。この番組が、ぼくの運命を大きく変えた。 ぼくは、この番組を通して秋元康さんを知った。後のぼくの師匠である。ぼくは「夕やけニャンニャン」をきっかけに秋元さんを知り、また傾倒していった。そうして弟子入りを志願したのだ。それゆえ、ぼくにとっては人生の大きな転機ともなった年なのである。 この「夕やけニャンニャン」からは、「おニャン子クラブ」というグループアイドルが生まれ、一世を風靡した。これは、今のグループアイドルブームの先駆けともいえる。 その意味で、30年前に新しく生まれた「グループアイドル」は、30年かけて定着した――という見方もでき、ドラッカーの考えに則ったものということができよう。 さらに、1985年という年を見ていく。 この年は、つくば科学万博の年でもあった。ぼくは、たまたまつくば市に住んでいた関係で、この万博とも非常に縁が深い。合計で6回ほど足を運んだ。 そんな万博で最も印象的だったのは「3D映像」だった。当時は赤と青の眼鏡をかけて視聴した。槍が突き出される映像を見て、観客がみんな一斉に大きくのけぞったのをよく覚えている。 ということは、3D映像がいよいよ定着するのか? しかし個人的には、3D映像はあまり好きではない、ニンテンドー3DSも、いつもあえて2Dにして遊んでいるくらいだ。だから、来年になってそれが定着するとは少し考えにくい。 今度はスポーツを考えてみる。 ぼくは当時野球が好きだったのだが、高校野球では、この年KKコンビを擁したPL学園が2年ぶりの全国制覇を成し遂げ、大きな話題となった。またプロ野球では、阪神タイガースが猛打を武器にして優勝を飾り、こちらも大きな話題となった。 優勝に驚喜したファンが大阪の街にくり出し、バースに似ていたケンタッキーフライドチキンのマスコットであるカーネル・サンダース人形を道頓堀川に放り込むという事件が起きた。ところがこれが一向に浮かびあがってこず、それ以来阪神は長い低迷に沈む羽目になったので、「カーネル・サンダースの呪い」といわれた。 ちなみに今では人形も見つかって、呪いは解けたといわれている。ただし、阪神はそれ以来リーグ優勝は経験したものの日本一にはなっていない。 音楽では、前述したおニャン子クラブも流行っていたが、年間ベストテンを見ると中森明菜、松田聖子、チェッカーズ、小泉今日子、安全地帯と、正統派アイドルの活躍が目立つ。 この頃は、かつてフォークシンガーとしてテレビに出なかった井上陽水が中森明菜の曲を書いたりして、芸能界が一丸となって音楽産業に力を入れているような状況だった。とにかくタレントだったら猫も杓子もレコードを出していたのだが、その中でも個性的な歌を歌ったアイドルに人気が集中したのだ。 事件でいうなら豊田商事事件が印象的だ。 大がかりな詐欺を働いた豊田商事の会長は、マスコミが取材に詰めかける中、押し入った犯人により刺殺された。この事件は、多くのマスコミが見守る中で白昼堂々と殺人が行われたことで、世間に大きなインパクトを与えた。 この事件で覚えているのは、「コミック雑誌なんかいらない!」という映画のことだ。 この映画は、内田裕也演じる芸能レポーターが、1985年を賑わしたさまざまな人のところへレポートに行く様子を、虚実ない交ぜに写している非常に興味深い作品だ。 ここには、おニャン子クラブも出演しているし、これまた話題だったロス疑惑の三浦和義氏も出演している。 さらに、この映画のラスト(追記:コメントで「ラスト」は日航機事故を取り扱ってるとのご指摘いただきました。「途中」と修正させていただきます)で豊田商事事件をフィクションとして再現しているのだが、その殺人犯をビートたけしが演じているのだ。 この映画を見れば、1985年とは何だったのか?――ということが、その空気感を含めて理解することができるだろう。 というわけで、今日の結論としては、「コミック雑誌なんかいらない!」を見れば、1985年が見えてくる。それが見えてくれば、2015年に何が流行るかということも見えてくるのではないか――ということだ。 ぼくも今夜、TSUTAYAで借りて見直してみたいと考えている。 ところで、この映画のタイトルが、30年かかって今、出版業界に定着したかと思うと、なかなか趣深いものがある。
ハックルベリーに会いに行く
『もしドラ』作者の岩崎夏海です。このブロマガでは、主に社会の考察や、出版をはじめとするエンターテインメントビジネスについて書いています。写真は2018年に生まれた長女です。