結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年9月3日 Vol.075
はじめに - 16年前のイギリス旅行
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
先週も触れたCodeIQでの「クロッシング問題」は、 たくさんの解答者さん(432人)にご解答いただき終了しました。 〆切は9/2の朝10時だったのですが、受付人数が午前3時頃にオーバーしてしまい、 時間前の終了になってしまいました。 まさか一日で100人以上解答者が増加するとは思いもよらないことでした……
それにしても、たくさんの方に参加していただけると、 出題者としては本当にうれしいものです。 がんばって評価&フィードバックのテキストを書こう! 次の問題もなおいっそうおもしろいものにしよう! と元気がでてきますね。 お仕事の「手応え」ってモチベーションに密着しています。
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実は、前回の結城メルマガを発行したとき、 結城は家族と一緒に夏休みの小旅行に出かけていました。
旅行といえどもMacBook Airは当然持って行きますので、 原理的なことをいえば、旅先から結城メルマガを発行することも可能。 でもさすがに何が起きるかわかりませんし、 うまくインターネット接続が確保できるかどうかもわかりませんから、 旅行に出かける前に配送予約をしていきました。 いつもよりも一日二日早い配送予約です。
いつもメルマガ発行前日に書いているのを見ている奥さんは、 旅行前に早めの配送予約をしている結城を見て、
「なんだ、やる気になれば、早めに発行することもできるんじゃない」
とひとこと。そ、そうですね。すみませんです……
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家族旅行とコンピュータといえば思い出すのは、 家族でイギリスにいったときのこと(1997年)です。
いまから16年も前の話。そのときも結城はノートパソコンを持って出かけました。 当時はまだモバイルなんて表現もあまり聞かれず、それどころかホテルに無線LANもなく、 なんとホテルの電話線をミノムシクリップ(ワニグチクリップ)ではさんで、 回線を確保したのです(!) 何だか「いまは昔」の珍道中になっていますが、お時間がある方はお読みください。
◆イギリス旅行記
http://www.hyuki.com/tripeng/
このとき教会で購入した絵はがきを、当時の結城のWeb日記読者のために、 無料プレゼントしたのも懐かしい記憶です。 現在は自分の著書を無料プレゼントしたりしていますが、 やっていることは十六年経ってもさっぱり変わりませんね!
十六年前のこの旅行のときは長男はいましたが、 次男はまだ生まれていませんでした。 今回の家族旅行では、私と家内と次男の三人で出かけました。 長男は自分の活動が忙しくて、家族旅行に来てくれませんでした(^^;
時間の流れというのは何だか不思議ですねえ。 十年でも二十年でも振り返ってみれば一瞬のようでもあり、 はかりしれないような、気が遠くなるような長さのようでもあり。 十六年前の珍道中を思い出すと、なんだか「にっこり」しちゃいます。
十六年前。あなたはどんなことをしていましたか。
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結城はCodeIQでアルゴリズムの問題を出しています。 アルゴリズムというのは、どのような手順で情報処理を行うかを明確に表現したものです。 プログラムと似ていますけれど、もう少し抽象度は高いですね。
アルゴリズムの代表的なものはソーティング(Sorting)と呼ばれるもので、 並んでいるデータをある順番で整列するための手順です。 ソーティングにもたくさんの種類があります。 速いもの・遅いもの・特殊な目的のものなど……。
ネットを見ていたら、15種類のソーティングのアルゴリズムを 音と画像で表現した動画がありました。 でたらめに並んだ数(棒グラフで表現されています)を どのようにして小さい順に整列するかがイメージとしてつかめます。
アルゴリズムの知識のある人もない人も 「へえ……」と言いながら見ることができますね。 結城も「へえ……」と言いながら見ていました。
◆15 Sorting Algorithms in 6 Minutes
https://www.youtube.com/watch?v=kPRA0W1kECg
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今年の四月に刊行された『数学文章作法 基礎編』ですが、 筑摩書房の編集部から先日連絡があり、増刷が決定したとのことです(!) 早くも今回で第四刷になります。感謝なことです。 これもひとえに応援してくださるみなさんのおかげです。 ありがとうございます。
そして先週もお話ししたとおり『数学文章作法』の続編も少しずつ書いていきたいと思います。 基礎編と同様に続編のほうも、この結城メルマガでプレビュー版を配信していきますので、 どうぞご期待くださいね。
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さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。
今回の結城メルマガでは、 上に書いたとおり、まずは「数学文章作法」をお届けします。 今回はまだ続編の「はじめに」です。 本全体をどのようなものにしていくかを探りつつ行きます。 今後変更する可能性もありますが、全体を見据えた話ですね。
それから「本を書く心がけ」では、 今年の残りの時間をどのように過ごし、 来年のお仕事につなげていくかを考えようと思います。 「本を書く」のは長丁場の継続的なお仕事ですから、 長期的な展望が必要なのはそうなんですが、 それだけじゃなくて「次の一歩」を明確にすることも大事だ、 ということを書きたいと思います。
それではどうぞお楽しみください!
目次
- はじめに - 16年前のイギリス旅行
- 数学文章作法 - はじめに(PDF)
- 本を書く心がけ - 秋の夜長に書く本は
- 次回予告 - 再発見の発想法