結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年6月16日 Vol.168
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
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講演会の話。
先週の結城メルマガで「国際基督教大学高等学校(ICUHS)」 で講演会をした話をちょっと紹介しました。
今週から、そのときの講演を文章に起こして、 結城メルマガで連載いたします。題して、
「数学ガールの特別授業(ICUHS編)」
です。数回に分けてお届けすることになります。 どうぞお楽しみください。
なお、過去の「数学ガールの特別授業」は、 以下のページにまとめてあります。
◆数学ガールの特別授業
http://www.hyuki.com/girl/lesson.html
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未来大の話。
講演会といえば、 結城は三年前に「公立はこだて未来大学」で講演会をしました。
ちょうど先日、以下のビデオを教えていただいたのでご紹介。 公立はこだて未来大学のバーチャルツアーです。 ご存じない方はぜひご覧ください。 まるでSF映画みたいなキャンパスですね。
◆公立はこだて未来大学バーチャルツアー
https://www.youtube.com/watch?v=FIVITZaZen8
ここでの講演会は、
◆『数学ガールの誕生』
http://www.hyuki.com/girl/birth.html
という書籍になりました。
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組み合わせの話。
結城は見ていないのですが、テレビで、 「四桁の暗証番号の組み合わせは十万通り以上ある」 なんてことを言っていたそうだ。
もちろんこれは計算違い。 暗証番号の一桁が0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の十通りあるとすると、 四桁なら、
10×10×10×10 = 10000
とちょうど一万通りになる。十万通りは多すぎます。 掛け算の理屈がわからない人でも、
0001, 0002, 0003, 0004, ...
と順番に暗証番号を作っていけば、 最初の0001から9999までで九千九百九十九通りあって、 もう一つ 0000 があるので全部で一万通り作れることがわかるでしょう。
と、ここまで考えて、簡単な算数の問題を作ってみました。
【問題】
ある星の暗証番号は数字四桁で「104976通り」
の組み合わせがあるという。
この星の数字一桁は何通りか。
つまり、もとのニュースを誤りだというのではなく、 もとのニュースの説明を「正しい」と仮定した場合、 数字一桁は十通り以上あるはず。それは何通りか。 と、そういう問題ですね。
答えは目次の前に!
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Web連載の話。
先日、結城がCakesで行っているWeb連載「数学ガールの秘密ノート」が、 第120回を迎えました。みなさんの応援を感謝します! 連載が10回を迎えるたびに数週間のお休みをいただいており、 次回の更新は2015年の7月3日になります。
連載が10回を迎えるたびにお休みをいただいているのは、 頭のリフレッシュのためもありますし、次の10回のテーマ探しの意味もあります。 このWeb連載は10回分で一冊の単行本にしていく予定なので、 だいたい10回ごとにまとまるように構成しているのです。
先日終了した第111回〜第120回までは「行列が描くもの」というテーマでした。 高校から行列が外されるということもあって、どうかなあと思っていましたが、 想像よりも反響が多かったので、やってよかったと思いました。
次の10回のテーマはいくつか考えているのですが、 まだ「これ」とは決まっていません。 もしなにかよいアイディアがあったら教えてくださいね。
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書籍刊行の話。
そのWeb連載は毎年二冊のペースで書籍化しています。 これまでに五冊書籍化しており、今後の予定と題材は次の通りです。
2015年秋「ベクトル」
2016年春「場合の数」
2016年秋「指数と対数」
2017年春「踊る曲線」
2017年秋「不等式」
2018年春「ビットとパターン」
2018年秋「行列が描くもの」
と書き上げていつも思うのですけれど、 Web連載のペースが書籍刊行のペースよりも早いために、 だんだんストックが多くなってしまっていますね。 それに「来年のことをいえば鬼が笑う」というのに、 「2018年秋」なんて話をしていていいのでしょうか。 ともあれ、一冊一冊ていねいに作っていきますよ〜!
本編(数学ガール6)もがんばって書いていますが、 「数学ガールの秘密ノート」シリーズもよろしくお願いします!
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さて、それでは今週の結城メルマガを始めます。
今回の結城メルマガは「数学ガールの特別授業」シリーズの第三弾として、
「数学ガールの特別授業(ICUHS編)」
の第一回目をお送りします。 先日結城が国際基督教大学高等学校(ICUHS)で行った講演を、 読み物形式にしたものです。 「問題と解答」という概念を軸にして、 数学に限らない「考えること」や「学ぶこと」の意味を問いかけます。
どうぞ、ゆっくりお楽しみください!
あ、そうだ。先ほどのクイズの答え。
【問題】
ある星の暗証番号は数字四桁で「104976通り」
の組み合わせがあるという。
この星の数字一桁は何通りか。
【解答】
18通り。
18×18×18×18 = 104976通り
もともと、10通りより多いのはすぐ分かりますし、 あとは順番に11, 12, 13 ,... で試せばいいことです。
直接計算したければ、4乗して104976になる数を求めるので、 電卓を使って、
104967 √ √
と入力すれば求められますし、 Googleの検索窓に、
sqrt(sqrt(104976))
と入力しても求められます。
ある方は、104976は偶数で3の倍数だから、 結局6の倍数だけ試せばいいと考えて、 すばやく18にたどり着いたようです。
ちょっとした問題でも、いろんな解き方ができるものですね。
では、結城メルマガをどうぞ!
目次
- はじめに
- 数学ガールの特別授業(ICUHS編)(1)
- 他人を馬鹿にする心理
- どんなふうに生きていこうか - 仕事の心がけ
- 五つのパンと二ひきの魚
- いつもと違う選択をする週 - 仕事の心がけ
- おわりに
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。