吉田栄作の“枯れ演”で話題 年齢に抗わない生き様の強み
ドラマ『未解決の女』(テレビ朝日系)第三話が3日に放送され、俳優・吉田栄作が“しょぼくれた”教授役を演じネットで話題となった。90年代、トレンディドラマ全盛だった時代にファッションアイコンとして絶大な人気を誇っていた吉田。しかしトレディドラマで人気となって以後、実はTV露出が激減し、役者修業と称して渡米したりと迷走した時期もあった。そんな吉田が昨今、“枯れた”教授役を演じきって注目を浴びた理由とは? “変わらぬ美”といった幻想性が重視される芸能界において、年齢に「抗わない」生き様の強みを探る。
トレンディ俳優としての栄光 多くの男たちが憧れた“吉田栄作スタイル”
吉田は88年に「ナイスガイ・コンテスト・イン・ジャパン」でグランプリを獲得し、映画『ガラスの中の少女』でスクリーン・デビュー。182cmの高身長と端正な顔立ちを武器に、同年代の俳優・加勢大周、織田裕二と共に“平成トレンディ御三家”として人気を博した。 俳優としては、代表作『もう誰も愛さない』(日本テレビ系)で主人公の沢村卓也を演じ、運転手を経て、企業の社長に成り上がったものの半身マヒとなってしまう難しい役どころをこなす。牛乳で汚れた田代美幸(山口智子)の足を舐めるといったシーンにも果敢に挑戦し評価を得た。当時、吉田が「うおおお!」と叫ぶ名シーンを真似する人も多かった。
また、吉田が着用していた白いTシャツとデニムパンツのシンプルスタイルや、センター分けのサラサラヘアが大流行。吉田は若者たちの“ファッションアイコン”としても絶大な支持を受ける。
そんな吉田は、演技の他に歌手活動も行い、チューリップのヒット曲をカバーした「心の旅」を90年に発売し『NHK紅白歌合戦』にも出場。93年放送のドラマ『徹底的に愛は…』(TBS系)ではX JAPANのYOSHIKI作詞作曲のシングル「今を抱きしめて」を発売し、『第36回日本レコード大賞』で優秀賞を受賞。ファッション、俳優、音楽など多面的に成功を収め、まさに時代の寵児と呼べる存在だった。