「やるんだったら第1試合で。場所は福岡でしょ?  俺も早く帰りたいしさ」


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――藤田さんは、橋本大地戦は7月20日から行なわれる、東北でのチャリティーマッチ(
東日本大震災復興チャリティーイベント『元気祭り2014』)の予行練習だって言ってましたけど。

藤田 ひとつ聞きたいことがあるんですけどね。

――なんでしょう?

藤田 俺の試合(対橋本大地戦)は、何試合目にあるんですか?

――まだそれは発表されていないからわからないですけど、少なくとも休憩明け(後半)にはなるんじゃないですか?

藤田 休憩明け? やるんだったら第1試合でやりましょう。

――第1試合!

藤田 場所は福岡でしょ? 俺も早く帰りたいしさ。

――確かに第1試合っていうのもひとつの考え方ではありますよね。

藤田 それは彼のためにも。

――というと?

藤田 トンチンカンなポッと出なのに、セミやらメインで使ったら勘違いしちゃうでしょう。確かに勘違いが自信につながることもあるから、少しずつ自信をつけて、あとは気付きが来るのを待つ感じなんだろうけど。

――気付きですか……。

藤田 彼のバックボーンはなんですか?

――プロに入る前には空手をやっていたみたいですけどね。

藤田 この業界、空手をやっていたとかキックのジムに通ってた、なんていくらでもいるからね。そういうのに限って、ミット打ちとサンドバッグを蹴っていたくらいでさ。健康のためにはそれでいいんだろうけど(笑)。

――あちゃー。

藤田 そういうのに限って、然るべき場所に出て行ったら醜態を晒したヤツがいっぱいいるでしょう。

――今日は厳しい話が続きますね。

藤田 そうですか?

――藤田さんは小川直也選手が藤田×石井慧戦(2013年12月31日、両国国技館での『INOKI BOM-BA-YE2013』で対戦)みたいに、実況席で解説をやったりはしないんですか?

藤田 そういうのは小川に任せればいいんですよ。

――小川選手の試合を小川直也が解説することはできないから。

藤田 そんなことないでしょう。それも小川がやればいいんですよ。斬新じゃない?(笑)

――斬新は斬新ですけど……(苦笑)。

藤田 自分で試合して自分で解説。最後は会長(アントニオ猪木)に怒られてさ。会長だって誰かが会長を怒らせるようなことをしないと出番がなくなっちゃうから、ちょうどいいんじゃない?

――困ったなー(苦笑)。

藤田 それよりチャンピオン(石井慧)は来ないの?

――来るんですか? その辺はどうなっているんでしょうね?

藤田 チャンピオンなんだから来ないとダメでしょう。

――それはよくわかってないんですけど、藤田さんが橋本大地戦に関する会見をやった時、「IGFは谷底。レスラー(ファイター)の墓場」というコメントがあったじゃないですか。

藤田 言いましたね。

――あれ、凄く的確だなって思いましたね。中には「それは違う」っていう人もいるでしょうけど。

藤田 だって谷底だし、ファイターにとっては墓場でしょう。終わったヤツばっかりが来てるじゃないですか(笑)。実際、トンチンカンなヤツ(橋本大地)が来たわけだから。

――いやいやいやいや。

藤田 行くとこないヤツが辿り着く場所だし。だいたい、そんな高さも大きさもないヤツが偉そうなことを言うくらいなら、そのくらいのことを言ったほうがいいんですよ。

――そういう場末感って嫌いじゃないんですよね。藤田さんは過去にも「PRIDEのリングは公開処刑場だ」って言ってましたけど、ああいう独特の表現をしますよね。名コピーライターですよ。

藤田 そんなことないですよ。あれはコピーでもなんでもない。素直に表現しただけだから。「公開処刑場」って言ったのは、観客からすればの話。ちょっとした皮肉? そういう意味合いで言ったんですよ。

――要は、「観る側」の残酷さを皮肉ったわけですね。

藤田 そういうことなのかな?

――『GENOME30』では橋本大地選手も「公開処刑」されることになるんですかね?

藤田 どうなんでしょうね、それは。彼次第。やらなきゃやられるだけ。処刑されたくなければやるしかないでしょう。

【6月14日、九十九里浜にて収録/聞き手◎“Show”大谷泰顕】

※次回はあのファイターが注目のあの話題について語ります。お楽しみに!