「IGFのプロレスはMMAの流れから来ているプロレスなんですよ」
――まず最初に聞きたいんですけど、高岩選手は5代目ブラックタイガーの代理人なんですか?
高岩 僕の分身が5代目なんですよ。
――5代目って正体不明じゃないんですか?
高岩 ま、それは夢遊病みたいなもんでね。
――夢遊病?
高岩 っていうかね、そこはあんまり突っ込まなくていいんじゃないのかなー?
――あ、すみません(苦笑)。では、まず高岩選手のようなベテランから観て、IGFってどうですか?
高岩 あのね。今はMMAもあるけど、IGFのプロレスはMMAの流れから来ているプロレスなんですよね。
――MMAの流れから来ているプロレス!
高岩 だから、ちょっと他の団体とは違いますね。
――なるほど。それは……。
高岩 普通のプロレスってキレイでしょ? 技も流れも。IGFはその逆っていうか、言い方としてはキレイではないプロレス。
――それはわかります。
高岩 要は、ゴチャゴチャしている。グチャグチャしている。そこが魅力。
――非常にその話は的確ですね。
高岩 だと思います。
――それは高岩選手からすると、やりやすいんですか? やりにくいんですか?
高岩 いや、それがIGFらしさだから。
――アリですか? ナシですか? ま、アリだから上がっているんでしょうけど。
高岩 当たり前じゃないですか。ま、僕もいろんな団体に上がってますけど、IGFは新鮮ですよ。
――IGFでの試合だと、一番新鮮だったのはどの試合ですか?
高岩 新鮮っていうのとは違うけど、最初に5代目がIGFに上がった時の相手がケンドー•カシンだったのかな(※2011年8月27日、両国国技館での『INOKI GENOME』)。
――ケンドー・カシン×5代目ブラックタイガーは初対決だったんですよね。
高岩 変な言い方をすると、お互いに中味を知っているから、多少なりとも感慨深いものがありましたね。IGFでないと実現しない組合せだから。
――お互いに彷徨えるプロレスラーでもありますからね。
高岩 まあね。
――IGFではそれなりの役割を担っている高岩選手ですけど、アントニオ猪木との接点はあまりないですよね?
高岩 いや、ありますよ。
――いつですか?
高岩 新日本の時に。あれはいつだったかな。確か(猪木)会長が引退する2年くらい前(1996年)ですよ。その時、僕が怪我をして、海外遠征に行けなくなって、たまたま会長が滋賀県にある佐川急便の保養所で合宿をするからってことで、そっちに行ってくれって言われたことがあったんですね。
――そんなことがあったんですか。
高岩 ええ。その時は4泊したんですけど、最初の2泊は僕と会長の二人だけで合宿をしていましたから。その保養所にある体育館の真ん中にリングを組んで。
【7月28日、青森市のホテルにて収録/聞き手◎“Show”大谷泰顕】
※次回は、なんと高岩竜一の語るアントニオ猪木! お楽しみに!