2013年08月22日発行 第0761号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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「電力会社間の競争を進める」

 8月17日土曜日の朝刊各紙に「東京都、中部電系から購入」(日経新聞社会
面)と報じられました。前日、猪瀬直樹が知事定例会見で発表した電力改革。
大手電力による越境の「第一号」となります。

 本日のメルマガは、会見の冒頭発言から、配布資料と併せてご覧いただきま
す。

□ 新電力との契約10倍に

〇猪瀬〇 まずは、電力改革について。東京都の施設に新電力を導入する、今
     までもやってきたことですが、さらにそれを徹底的にやるというこ
とです。

 東京都はこれまで、自治体として初めて、複数契約(部分供給)という契約
を実施するなど、新電力の参入機会拡大に取り組んできました。今年度当初に
は30施設、契約電力4万キロワットでしたが、さらに施設数を10倍以上に増や
し、350施設、10万キロワットとする目標を掲げました。

 お手元に紙を配りました(参照→ http://bit.ly/12uYkkh )。

 4月1日時点で、30施設、4万キロワットでした。4月から7月にかけて3
施設1000キロワット、さらにこの10月1日から、271施設、5万5000キロワ
ット、新しく新電力と契約します。

 350施設、10万キロワットという目標を立てていますが、ほぼその目標に
達します。10月1日現在で304施設、9万6000キロワットです。今年度中の
目標、10万キロワットは、ほぼ今度の10月の契約で達成する。東京都の使用電
力の1割にあたります。

 東京都は、1200施設の契約電力100万キロワットの大口ユーザーです。そ
の100万キロワットの1割、10万キロワットを新電力から調達するかたちで
す。今回は、教育庁など4局ありますが、新電力が入札しやすい規模となるよ
うな施設を束ねて、グルーピングして入札を行いました。

 その結果、これだけできたのです。多数の契約を22のグループに束ねて、エ
ネット、F-Power、丸紅、ダイヤモンドパワーの新電力4社のいずれかが落札
したということです。施設数にすると、271施設で、契約電力は追加分5万
5000キロワットです。東電と契約した場合と比べて、年間1億9000万円、7パ
ーセントの電気料金を節減することができることになります。

 これによりすでに新電力を導入している施設と合わせて304施設、9万60
00キロワットが新電力からの供給となります。

 契約電力では目標をおおむね達成したと。供給開始時期は、新電力の供給力
を考慮して、この夏のピークが過ぎて、来年夏以降の供給力にメドがつく10月
1日としたのです。東京都は新電力の供給力確保のため、電力各社からの常時
バックアップの推進や、公営水力の競争入札実施などにも取り組んできました。
今後も引きつづき、需給両面から新電力の育成に取り組んでいきます。

□ 東京都、中部電力系から電力調達

 また、旧電力の独占体制に対して、自由化を東京都はいつも提案してやって
きているのですが、真に開かれた競争性のある電力市場を構築するためには、
新電力の育成とともに、まずは9つの電力会社が地域の壁を超えて互いに競い
合うことが必要である。

 記者の皆さんは覚えていると思いますが、去年の2月のことです。東京マラ
ソンが2月26日日曜日で、その翌日、2月27日の月曜日に、中部電力の専務に
都庁に来ていただきましてね。中部電力から東京都に電力を供給したらどうか
と、こういう提案をしました。それが、かたちを変えて、実を結びました。

 こちらの資料を見てください(参照→ http://bit.ly/152div3 )。
 
 中部電力が東京電力管内に進出するにあたって、新電力、ダイヤモンドパワ
ーを買収し出資すると。これは三菱商事系だったのですが、中部電力が、この
ダイヤモンドパワーに80パーセント出資することになった。そして、このダイ
ヤモンドパワー、つまり中部電力が、東京都に電力を供給すると。

「域外供給」というのは、中部電力管内の発電所から直接送電線を引っ張って
きてやるという話もあるが、こういうかたちでやれば新しい電力の自由化にな
る。今まで、こういうことを提案して交渉し、この新しいスタイルができ上が
ってきたと。このダイヤモンドパワーは東電管内で電力供給するのですが、結
果として、今回の落札案件は、事実上の域外供給第1号ということになります。

 こういう具体的な、現実的な取り組みを東京都が進めていくことで、電力の
自由化の突破口をつくっていくということです。

※会見全文は、「facebook版 猪瀬直樹都知事の部屋」でご覧いただけます。
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■掲載情報

・8月5日発行『潮』9月号で対談、e-Educationプロジェクト代表・税所篤快
 ×猪瀬直樹「世界の貧困地帯に『予備校事業』を輸出する」が掲載されてい
 ます。連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」の第15回。

・8月22日発行『月刊BOSS』10月号、2020東京オリンピック・パラリンピック
 招致についてのインタビューが掲載される予定です。

・YouTubeにて、8月3日に放送された MXテレビ9CH『東京からはじめよ
 う』(ゲスト:二宮清純氏)がアップされています。
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