2012年10月04日発行 第0718号 特別
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■■■ 日本国の研究
■■■ 不安との訣別/再生のカルテ
■■■ 編集長 猪瀬直樹
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http://www.inose.gr.jp/mailmag/
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■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■
10月6日(土)21:00-21:55(毎月第1土曜日)
ゲスト:山本 皓一氏(フォトジャーナリスト)
長年にわたり、北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥など「日本の国
境」をテーマに取材を重ねているフォトジャーナリストの山本皓一さんをゲス
トに迎え、領土問題について徹底的に語り合いました。
何度も現地に赴き、権力のぶつかり合う「日本の国境」を被写体にシャッタ
ーを切り続けてきた山本さんの写真もふんだんにご紹介します。
日本人が行けない「日本領土」。その最前線を知ってください。
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猪瀬直樹公式ホームページを“新装開店”しました!
http://www.inose.gr.jp/
“新装開店”にあわせて、ニコニコチャンネルに「猪瀬直樹TV」を開設。
http://ch.nicovideo.jp/channel/inosenaoki
*
本日10月4日12時に第5回動画「『災後社会』を生きる」をアップしたば
かりです。
インタビュー動画をお楽しみください。
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大増刷出来!
□■『東條英機 処刑の日 』■□
〔アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」〕
(文春文庫 税込630円)
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猪瀬直樹氏は、
子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
アメリカが日本に仕掛けた
対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
霧のような薄闇を払っていくのである。
梯久美子(「解説」より)
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9月1日、新装開店した猪瀬直樹公式ホームページ(http://www.inose.gr.jp/)
には「作家の部屋」と「副知事の部屋」の二つの入口があります。
両方の側面を持つ猪瀬ならではの構造で、少しホームページを覗いていただ
ければ猪瀬直樹という人間の「面白さ」が伝わるはずです。
さらに猪瀬直樹TV(ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネル)、語録など、新
しいコンテンツも追加。
ツイッター、フェイスブック、ブログとも連携し、ホームページを始点に幅
広い分野におよぶ猪瀬の活動を網羅することができます。
是非、ご覧ください。
http://www.inose.gr.jp/
*
メールマガジンでは、ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネル掲載のインタビュ
ー動画をテキスト化してお届けします。
本日のテーマは、第4回「大宅賞『つなみ』を語る」。
猪瀬は大宅壮一ノンフィクション賞の選考員をつとめています。
今年度の受賞作品は『つなみ 被災地のこども80人の作文集』と『「つなみ」
の子どもたち――作文に書かれなかった物語』(いずれも文藝春秋刊)。受賞
者は森健と被災地の子どもたちです。
異例のセット受賞となったこの作品の受賞背景について、語りました。
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ニコニコ動画 猪瀬直樹チャンネル
一問一答「第4回 大宅賞『つなみ』を語る」
――猪瀬さんは大宅賞の受賞者でもあり、選考委員もされています。今年の応
募作品を読まれていかがでしたか。
■猪瀬□ 大宅賞は「大宅壮一ノンフィクション賞」というのが正式な名称で
す。芥川賞や直木賞もそうですが、その年その年の世相をいろいろ
な形で反映するんです。
今年の大宅賞の受賞作を紹介しますと、ひとつは、『木村政彦はなぜ力道山
を殺さなかったのか』(新潮社)という、厚い本です。これはずいぶん話題に
なりました。
ロンドンオリンピックで日本の柔道は女子の松本薫選手しか金メダルをとれ
なかったけど、この木村政彦ですが、「木村の前に木村なし、木村の後に木村
なし」といわれたくらいの柔道家です。このひとのことを書いた本です。僕は
かつて木村政彦にインタビューしたことがあって、それも収録されています。
もうひとつは、『「つなみ」の子どもたち――作文に書かれなかった物語』
(文藝春秋)で、3.11の話です。森建さんという方の作品ですが、これは受賞
にはちょっと弱いなという印象だったんです。「作文に書かれなかった物語」
とサブタイトルにあるんで、じゃあ、作文の方がいいんじゃないのということ
になった。
森建さんは震災後、被災地をまわり、子どもたち80人に作文を書かせていて、
それを『つなみ 被災地のこども80人の作文集』(文藝春秋)にまとめたんで
すね。読んでみると、そっちの方がよかった。それで、二冊合わせて受賞とい
うことになりました。
作文集は『文藝春秋』の去年の八月の臨時増刊号として出ているんですが、
子どもの作文がものすごくいいんです。書かれた原稿用紙をそのまま本にして
いて、へたくそな字がまたいい。
――ちょっと紹介していただけますか。
■猪瀬□ 読んでみますね。
3月11日の地しんが発生した日、私は教室を出て、学校のそうじをしていまし
た。みんなが「地しんだ」と言ったとたん、強いゆれが発生し、私は急いで教
室にもどりました。
子どもの目で津波と地震を描写していますね。本の帯に載せた題も面白いか
ら紹介しましょう。
「つなみは黒くてくさかった」 「地鳴りが『ゴォー』」
「世界中の人に恩返ししたい」 「だるさ・吐き気・へんな感覚」
「頑張るぞ俺達家族」 「おにぎり一個十分かけて食べた」
「つなみってよくばりだな」 「唯一残ったのは、命」
「今は何がほしいかわからない」 「夢だったらいいなー」
「お母さんをかならず見つけます」
たくさんの作品の中から選んで、この帯をつくりました。
子どもの目は、悲しいとき悲しいと言わないんですね。子どもの視線や気持
ちには抑制感がある。それがまたいいんですね。
――それで、森健さんが書かれた『「つなみ」の子どもたち――作文に書かれ
なかった物語』『つなみ 被災地のこども80人の作文集』が大宅賞に選ば
れたんですね。
■猪瀬□ 候補作でないものが受賞するということは異例のことですが、森さ
んが被災地を苦労して回って、子どもたちに作文を書かせて作文集
を作った。僕が提案してセットで受賞となりました。
大宅賞は毎年4月に選考があるんですが、今年の大宅賞に去年の東日本大震
災のことが入っていないとすれば、それはおかしなことです。
作文集は福島の子どもたちの作文もいれて、少し拡充して単行本として出て
います。
――授賞式でも異例でした。
■猪瀬□ 毎年6月に帝国ホテルで授賞式がありますが、子どもたち80人中数
人の代表しか呼べませんでした。それで、子どもたちのためだけに、
仙台でも「出前」の授賞式をしました。
文藝春秋の平尾隆弘社長は挨拶で、こういう授賞式は空前絶後で最初で最後
の授賞式ですと言いました。そのときの写真がここにあります。
最前列に平尾隆弘社長、選考委員の僕、受賞者森健さん、同じく選考委員の
柳田邦男さんがいます。そして、後ろに子どもたちがたくさんいます。日付を
見ていただくと、「2012年7月8日ウェスティンホテル仙台」とあって、正式
に「第43回大宅壮一ノンフィクション大賞」と看板があります。
帝国ホテルでこれまで同様の授賞式をやり、子どもたちのためだけの「出前」
授賞式を仙台でやった。子どもたちは自分の賞をもらったんです。全員の子ど
もたちではなかったけれども、かなりの子どもたちが出席しました。
――みなさんにぜひ読んでいただきたいですね。
■猪瀬□ そうですね。昭和20年に終わった戦争で、日本人は300万人死に
ました。東日本大震災という大事件では約2万人という死者や行方
不明者が出ました。死者の数の多さでは、戦争の次なんです。もちろん、たく
さんの事件、事故、阪神淡路大震災、日航機事故などでたくさんの方が亡くな
っていますが、2万人ということはなかったんです。
1000年に一度の大地震、大津波だったわけですけど、子どもたちが大宅壮一
ノンフィクション賞を受賞することで記録し、残すことは重要だと思います。
ぜひみなさんに読んでいただきたいです。
――吉村昭さんの『三陸海岸大津波』にも子どもの作文を引用していました。
■猪瀬□ 昭和初期の大津波のことが書かれたところで。「子どもたちの眼」
として子どもたちの作文を載せています。ですから、今回のこの子
どもたちの作文もこうして本になって伝承され、引き継がれていけばいいなと
思います。3.11をはなれて、今の僕たちの日本は考えられないと思いますね。
――猪瀬さんは震災後の日本を「災後社会」と言っておられます。
■猪瀬□ 「戦後社会」に対して「災後社会」という言葉をつくりました。
2020年の東京オリンピックは日本は大震災から復興してきたという姿を世界
に見せるということも大きな役割だと思いますね。たくさん義援金などをいた
だいたりしたのですから。
(了)
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「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp
猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■出演情報
・10月4日(木)16:53~19:00 日本テレビ『news every.』で東京都の電力
改革についてコメントします。
・10月6日(土)21:00~21:55 MXテレビ9CH『東京からはじめよう』に
出演します。ゲストは、山本 皓一氏(フォトジャーナリスト)です。
■掲載情報
・10月5日発行『潮』11月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
第6回に工藤 啓氏との対談「若者の雇用を守るニート支援の最前線」が掲
載されます。
・10月10日発行『THE 21』11月号の巻頭インタビュー「『想定外』を『想定内』
にするメンタルコントロール術」に「『自己責任時代』の“平常心”の保ち
方」が掲載されます。
・9月26日発行『一個人』11月号に、連載エッセイ「解決する力」の第14回が
掲載されます。テーマは「2度目の東京オリンピックに向けてーーロンドン
を走りながら成熟した都市・東京を考える」。
・9月10日発行『文藝春秋』10月号、「反日包囲網を打ち破る 日米韓31人の
提言 韓国、中国『領土紛争』の深層」に、論考「都が先頭に立つ」が掲載
されました。
・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号。
「札束で尖閣を購入してどうするのか 船だまり・灯台・電波塔を整備しな
ければ寄付金は渡せない」はこちら。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120910/322531/
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大震災後、東京都を陣頭指揮する副知事の思考と行動20カ条
首都直下型地震への取り組みとは何か
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ソーシャルネットワークを使った情報収集・発信・即断即決→事後承認、
見えない恐怖を可視化する、先を見通してリスクの芽を摘む、昨日を基準
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天皇崩御そして代替わり。その時何が起こるのか。
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「天皇は実在するが、また同時に人びとの意識の底にとり憑いた幻想のひとつ
でもある。曲がりくねった鏡張りの回廊を歩くときに歪んだ自分の姿が無数に
映るばかりで天皇の影は見当たらない」(「あとがき」より)
巻末には作家・批評家の東浩紀氏との特別対談「今、ここにある皇室の危機」
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□■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
(中公新書 税込777円)
「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)
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作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。
第一部 「言語技術とは何か」
第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
第三部 「未来型読書論」
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□■『突破する力』■□
(青春出版社 税込800円)
7刷出来!
道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
本気の仕事&生き方論。
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