オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第105回 距離感のおかしい人たちのウラガワ(3)
◆もくじ◆
・距離感のおかしい人たちのウラガワ(3)
・最近の志麻子さん
有吉反省会にヒョウ姿でひきつづき出演中
ドラマ「侵略!ガルパンダZ」に出演中
6/1(水)志麻子の怪談「手鞠歌」@ロフトプラスワン開催
6/19(日)「やついフェス」にDJ岩井志麻子出演決定!
「韓流アフタヌーン~岩井志麻子のイイオトコ図鑑」次回は6/17(金)
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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岩井さんと縁がある「人と人との距離感がおかしい人」のエピソードをお届けしている今月。
刑務所に入っていた人に話を聞くと、一番つらかったのは「人間関係」だという。
閉ざされた空間で狭くて濃い人間関係に絡めとられてしまうのだ。
しかし、開かれた自由な場所に居るのに、おかしな濃密な関係にどっぷりな人たちもいる。
岩井さんの知り合いである三人の女性は、「物書き」として生きることを切望している。
そして、そろって「ネット上での暴れ者」なのだ。
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http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga
2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ」
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ」
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ」
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ」
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ」
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ」
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ」
6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ」
7月「異国の夏休みのウラガワ」
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ」
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ」
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ」
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ」
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ」
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ」
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ」
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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刑務所に入っていた人に話を聞くと、何が一番つらかったかといえばみんな口をそろえるのは「人間関係」だそうだ。
娑婆にいる私らは、どんなに嫌な奴が勤め先や同じ学校や近所にいても、家に帰ればそいつらはいない。本当に嫌で嫌でたまらないなら、転職、転校、転居も自由だ。
家の中に敵がいる場合もあるが、夫婦仲や家族の仲が悪くても、外出を増やしたり帰宅時間をずらしたり、なるべく一緒にいないよう、顔を合わせないようにすることもできる。いよいよとなれば別居だってできる。
だが刑務所では、嫌な奴とずーっと一緒に居なければならないのだ。作業場でも食堂でも風呂場でも運動場でも、常に顔を合わせることとなる。もし同房になったりしたら、寝るのだって一緒なのだ。
「適度な距離を保とう、割り切ってやり過ごそうとしても、逃げ場のない閉ざされた空間でしょう。あいつが悪口いっただのあいつがあんたを嫌っているといわれただの、一日中そんなことばっかり考えたりいったり気にしたりしてる。
狭くて濃い人間関係にどっぷり絡めとられ、ずぶずぶに浸かってしまうんですよ」
と、彼らは異口同音にいう。しかし刑務所ではない、開かれた自由な場所にいるのだといっても、私達だって悶々と人との付き合いを思い煩う。
梅雨時の湿った空気のように、濃密な関係はどこに晴れ間があるかわからなくなっている。
そんなこんなで今月は、人との距離感をテーマにしてきた。
ちょっと人との距離感が変な人達を取り上げているが、例によってみなさんここだけの仮名にし、背景なども脚色してプライバシーに配慮しているのをおことわりしておく。
──某大学でずっと未婚のまま四半世紀も助手をしている多香美と、某下町で食堂を経営する旦那さんと息子と三人で暮らす伸枝、そしてシングルマザーで男の子を二人育てながら今は休職中かつ求職中の蓮子。
みんな、さほど親しくもないが私の知り合いではある。しかしこの三人の間には全く面識もなく、接点もない。今後も彼女らがリアルに交わることはないと思う。
三人はざっくり同世代だが、職業も生まれ育ちも経歴も、ほぼ共通点はない。しかしよく似ているなぁと、彼女らを知る人達はしみじみするところがいくつかあった。
まず三人はちゃんと社会人として家庭人として生活していて、どん底の暮らしぶりということはない。傍からは、まずまず幸せそうに見える。なのに内心では、猛烈に不平不満が燃え盛っているらしい。
それから三人とも、物書きになりたいと切望していた。多香美は規模も小さくマイナーなものとはいえ、新人賞を取ったこともあった。その後は続かなかったが。