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第169回 きれいに卒業できない女たちのウラガワ(1)
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第169回 きれいに卒業できない女たちのウラガワ(1)

2018-03-10 19:30

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第169回 きれいに卒業できない女たちのウラガワ(1)


    ◆もくじ◆

    ・きれいに卒業できない女たちのウラガワ(1)

    ・最近の志麻子さん 
     4/1(日)「オメ★コボシ41」開催
     河崎実監督映画に出演予定
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    卒業式の季節の三月。
    しかし人生には、なかなかすんなり「卒業」できない物事や、
    「卒業」したはずなのに古巣に迷惑をかけてしまったり、といったこともある。
    今月はそんな女たちの物語をお届け。

    アジアのA国出身の通称ミミは、日本の有名大学を卒業し就職したが、A国に戻って、日本人駐在員向けの高級ラウンジで働くことに。
    やがてそのお店も「卒業」してしまうのだが、年月が経ちお店のママがミミの消息を知ったのは、覚醒剤の密売グループに入り日本で逮捕されたというニュースだった。
    ミミにいったい何があったのか?


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
    7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
    8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
    9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
    10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
    11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
    12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
    2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
    2月「人はなかなか変わらないのウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     本人も子どもも学校を出て、もう直接の関係はないのだけれど。三月が来ると、あ~卒業式の季節だなぁと思ってしまう。そして来月は、新たなことが始まると感じる。

     学校でなくても、ナントカを卒業したといういい方もある。夜遊びとか煙草とか。いずれにしても、卒業の後は新たな決意をした自分や変化した環境などがあるわけだ。

     とはいえ、みんな新たな花を咲かせるとはいかないようで。在学中は良い子だったのにとか、やめない方がよかった、いやいや卒業できてないよあなた、とか、残念な結果になることも少なくない。

     そんな今月は、「結局、卒業できなかったみたい」「在学中はがんばってたのに」といった話を書いてみる。来年こそは、祝福される卒業と新天地への旅立ちを願いつつ。

     例によって全編、登場人物は仮名。背景などにも少々の脚色をしてある。

                        ※

     アジアのA国出身の、通称ミミ。実は三十を過ぎているが、女子大生といっても疑う人はいない。すらっとしたスタイルで愛嬌ある童顔、長い茶髪。人気ガールズグループのメンバーの誰それに似ていると、いつもいわれる。

     ミミは幼い頃に親が離婚して父親の顔も覚えてないが、不自由したことはない。母の家は金持ちで、母自身も日系の有名商社でぱりばり働いていた。日本に縁のある母の勧めで、ミミは日本に短期語学留学ではなく、有名大学の正規の学生となった。

     卒業後は、日本の有名スーパーの正社員に採用され店長にもなったが、母が戻ってきてといい出した。退社してミミはA国に戻ったが、就職活動はしなかった。

     しばらく充電しつつのんびりするつもりで、アルバイトを始めた。そこは日本人とA国人のハーフのママがやっている、日本人駐在員向けの高級ラウンジだった。
     ホステスは若い美人揃いでみんなある程度の日本語はできたが、ミミほどぺらぺらで高学歴の女はいなかった。ミミは、たちまち売れっ子になった。

     その店の客はたいていが有名会社の駐在員や、彼らが連れてくる本社のエリート社員で、ミミは昼間の仕事の通訳や接待の観光ガイドを頼まれるようになる。

     母はせっかく娘はいい大学を出たのだから、堅実な会社に就職してほしいと願ったが。
    「昼の通訳兼ガイド、そして夜のラウンジのバイト。これだけで、日本での雇われ店長時代の五倍の収入になるんですよ」
     と、ミミは母親ではなくラウンジのママに誇らしげにいった。

     
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