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第175回 良い季節でも人は病むウラガワ(1)
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第175回 良い季節でも人は病むウラガワ(1)

2018-05-09 23:30

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第175回 良い季節でも人は病むウラガワ(1)


    ◆もくじ◆

    ・良い季節でも人は病むウラガワ(1)

    ・最近の志麻子さん 
     夏に某大型映画に出演予定
     河崎実監督映画に出演予定
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    最もさわやかで気候のいい時節ともいえる五月。
    しかし「五月病」のように、心身ともに変調をきたしやすい頃でもある。
    今月は、良い季節でも病むのね……というのをテーマにお届け。

    あるテレビ局近くの喫茶店の松野さんから聞いたお話。
    彼は同じ女性と二回結婚し二回離婚している。
    長女は、妻がさらに前の結婚をしていたときに出来た子で、血のつながりはない。
    無事に育て上げ長女は結婚もしたが、たいへんなニュースが飛び込んできた。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
    7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
    8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
    9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
    10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
    11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
    12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
    2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
    2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
    3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
    4月「新たな出会いの不気味なウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===


     五月って、最もさわやかで気候のいい時節だとは思うが。五月病というものもあり、季節の変わり目で心身ともに変調をきたしやすい頃でもある。

     そんな今月は、良い季節でも病むのね……というのをテーマにしたい。例によって登場人物は全編に渡ってすべて仮名、職業や年齢や家庭環境なども、大筋を損ねない程度に手を加えてあるのを最初にお断りしておく。

                        ※

     松野さんは、あるテレビ局近くで喫茶店を経営している。その局にレギュラー番組がある私はしょっちゅう店に行くうちに、陽気で優しい話好きの松野さんと親しくなった。五歳ほど若いが、まぁざっくり同世代といっていいだろう。

     彼は私と同じくバツイチなのか、先輩のバツニなのか。戸籍上は二回の結婚と離婚をしているが、どちらも同じ女性なのだ。
     二度の離婚はしたけれどそんな険悪な仲ではなく、子どももいることもあって付き合いは続いているし、今も前妻をみっちゃんと呼んでいる。

     松野さんは三人の子がいるが、長女とは血がつながってない。前妻は松野さんと出会う前にもうバツイチで、長女は前夫との子だ。
     前妻は松野さんと再婚して新たに二人の子をもうけたが、その子達も松野さんと血のつながりがない長女も置いて、出ていってしまった。

     前妻はその後、かなり若い男とまた結婚と離婚をする。こちらとは子どもはできなかった。前妻みっちゃんは、三人の男と四回の離婚をしていることになる。

    「不安定な男好きなんですよ、みっちゃん。男なしではいられないけど、男がいると常に心を乱してしまう」

     なかなかぶっ飛んだおもしろい女性のようだが、けっこう病んでいるところもあるらしい。心身ともに不調なので、今は国から保護をもらってひっそり一人で生きているとか。

     だから松野さんは男手一つで三人の子を育て上げ、長女は無事に結婚もした。松野さんはもちろんお父さんとして式に出て、お父さんとして長女の旦那ともつき合ってきた。

    「長女の旦那、おバカなとこもあるけど、とにかくお人好しで働き者。充分でしょ」

     長女は父とは生さぬ仲だとは知っているが、本当のお父さんとして松野さんを信頼し、甘えてきた。松野さんも実の娘として可愛がってきた長女が、幸せな奥さんになれたと一安心していたのだが。

    「いや~、まいりました。この前、うち臨時休業してたでしょ。大変だったんです」

     そんな松野さんが、たまたま二人きりになった店内で大きくため息をついて話してくれた。なんでも、長女が自殺を図ったのだそうだ。

    「店に居たら突然、みっちゃんから電話がかかってきて。すぐ長女の様子を見にいってーっ、と激しく取り乱してました。

     ちょいと、込み入ってるんですが。長女は結婚前、妻子ありの男といわゆる不倫関係にありました。それを清算して、今の旦那と一緒になったんですが。
     
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