オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第176回 良い季節でも人は病むウラガワ(2)


◆もくじ◆

・良い季節でも人は病むウラガワ(2)

・最近の志麻子さん 
 夏に某大型映画に出演予定
 河崎実監督映画に出演予定
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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さわやかな季節のはずの五月でも、心は曇天、暗雲立ち込める人たちも居る。
東吾くん(仮名)は、決して悪い奴ではない。ただ、ちょっと困った人なのだ。
好意的な人から見ると、熱血漢で大らかで陽気で一本気。
しかし、よく思わない人たちから見ると、短絡的で雑で能天気で頑固者。
そんな彼の「本業」はいろいろあるのだが……。


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2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
4月「木の芽時な人達のウラガワ
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ


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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 ときおり雨はあっても、その雨すらさわやかな五月。しかし新生活に慣れつつ変化についていけず、心身に不調をきたす五月病なんて言葉もある。季節のさわやかさとは裏腹に、不安定になる人も少なくない時期だ。そもそも、季節の変わり目でもあるわけで。

 そんなこんなで今月は、気候はよくても心は曇天、良い時節でも暗雲立ち込める人達はいるというのをテーマにしている。

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 東吾くんは、決して悪い奴ではない。正直、彼を全面的には嫌ってないがちょっと困った奴だなぁと眉をひそめることの多い私も、長所は長所として誉める。

 彼に好意的な人達からは、熱血漢で大らかで陽気で一本気な男といわれる。しかし彼をよく思わない人達からは、短絡的で雑で能天気で頑固者といわれる。これ、両方とも裏返せば相手陣営のいい分になる。

 ちなみに見た目も、好意的な人達は小熊みたいで可愛いといい、嫌う人達は汚れたタワシという。これも裏返せばというより、少し見方を変えれば同じことをいっている。

 東吾くんの本業は、いろいろある。本業は一つだろうという意見も多いが、東吾くんは本当にいろいろやっている。本業の定義が、最も収入が多い仕事だというならば、彼の本業は今のところ引っ越しの手伝いだ。

 しかし東吾くんは、引っ越し手伝いを絶対に本業とはいわない。
「俺はダンサーっす」
 ……確かに彼はダンス教室で指導もしているし、あまり有名でない歌手のバックやちょっとした町のお祭り会場で踊ったりしている。

 しかしその収入は、トータル五十万ほどだ。これは月収ではなく年収。それではとても食べていけないので、様々なガテンなバイトをしているのだ。