オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第237回 愛しい南国の怖い話のウラガワ(3)
◆もくじ◆
・愛しい南国の怖い話のウラガワ(3)
・最近の志麻子さん
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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歳を取ってくると、変わらないこともありがたいことと思えてくる。
子どもの頃から怖い話が好きで、職業にまでしてしまえたという岩井さん。
そしてこれまた好きなのが南国。
年末年始は、南国を回って怖い話ばかり取材していたそうな。
タイのバンコク、歓楽街でなかなかの売れっ子であるピーちゃんが語ったのは……。
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2014年11月~18年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ」
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ」
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ」
4月「こういう人いるよねという出会いのウラガワ」
5月「働くということについて考えたウラガワ」
6月「私なりのプロファイリングをしてみたウラガワ」
7月「芸事業界の人たちの願いごとのウラガワ」
8月「怖さひかえめな怖い話のウラガワ」
9月「まだ挽回できるかどうか気になるウラガワ」
10月「なぜか惹かれる未解決事件のウラガワ」
11月「今頃になってわかってきた出来事のウラガワ」
12月「とりあえず終えたかな、というウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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新しい年は明けたが、特に何か抱負がある、今年こそはと挑戦することがある、ってのは思いつかない。歳を取ってくると、変わりないってことがどんだけありがたいか、ともあれ無事でいられることがどれほど幸せであるか、噛みしめるようになる。
本業の執筆業に関しても、どーんとベストセラーをだの、ナントカ賞をだの、本当に望んでやしないって。現状維持というか、今くらいの仕事量が続けばいいなと願うだけ。
副業のタレント業も、テレビのレギュラーが今のところ二つも継続してるってのは、大変にありがたいことだ。ハリウッド映画に出たいとか、思ってやしないって。
なんといっても、子どもの頃から四季を問わず場所を選ばずとにかく怖い話が大好きで、それをついに職業にまでしてしまえた幸福。これは生きてる間は、ずっと続けたい。
年末年始、これも変わらず好きな南国を回っても、怖い話ばかり取材していたし。
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バンコクの歓楽街でなかなかの売れっ子であるピーちゃんは、日本人かというほど日本語がうまい。見た目はまったく日本人的でなく、カフェオレ色の肌に目鼻立ちのくっきりした情熱的タイ美女なので、会話していると不思議な気持ちにもなる。
ピーちゃんはラオス国境の貧しい村で生まれ育ち、バンコクに出てきて五年だという。
「あなたお化けの話、怖い話が好きなんですか、そうですか。私の生まれ育った村には、すごいお祭りがありましたよ。
大昔の村の偉いお坊さんを祀るんですが、読経が始まって村人みんな熱狂的に踊り始めると、次々に天界の神様達が降りてくるんです。動物の神様もいて、虎や猿や象や犬が降りてきた人は大変ですよ。吠えて暴れ回り、獣のように走り回る」
たいてい、取り憑かれるのは男だ。たまに、女もいる。
「取り憑かれても、暴れて走って肉体が疲れ果てたら自然に抜けますよ。そして自分が取り憑かれていたときのことは、まったく記憶にない」
ピーちゃんのお父さんは、毎回必ず取り憑かれていたという。