オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第79回 秋風に謎めく過去のウラガワ【1】
◆もくじ◆
・秋風に謎めく過去のウラガワ【1】
・最近の志麻子さん
11/14(土)「LOFT MUSIC & CULTURE FESTIVAL」に出演決定
8/16に行われたふかわりょうさん主催イベントの記事が出ました
ダ・ヴィンチNEWS「夏のホラー部」にロングインタビュー掲載
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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あっという間に秋になりました。
物思いにふける季節、妙に心にひっかかっている不思議な思い出、奇妙な記憶のかけらを今月はたどってゆきます。
岩井さんの父が語った「タコ人間」の話、そこから数珠つなぎになる不思議な存在の目撃談……
十代の終わりに、怖い夢に繰り返し出てきた見知らぬ若い男と、現実でも遭遇して……
岡山にいた頃に会った、美容研究家の生霊は……
メランコリックに、じわりと怖いです。
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2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ」
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ」
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ」
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ」
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ」
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ」
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ」
6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ」
7月「異国の夏休みのウラガワ」
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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読書の秋、芸術の秋なんて言葉があるように、秋は何かしら物思いにふけったり文化的なことをしたくなる、というより、しなさいよといわれる雰囲気の季節だ。
スポーツの秋、食欲の秋、行楽の秋みたいに、アクティブ方面のキャッチフレーズも多いのだけれど。
自分自身が人生の秋を生きているかなと考えてみれば、活動的に動き回るよりは静かにこれまでの人生を振り返ってみようか、なんてしみじみしてしまう。
しかし振り返ろうとすれば、キラキラきらめく思い出やブイブイゆわしていた日々(盛ってます)よりも、妙に心にひっかかったままの不思議な思い出、奇妙といってもいい記憶のほうが浮かび上がってくる。
今月はそんなものを求め、私にとっての謎めいた過去への旅をしてみる。
※
うちの父が、たまに思い出したかのように語る妙な話があった。父が子どもの頃だというから、七十年くらい昔の話だ。
家の前に小さな川があった、というところから始まるが、これは私もうんうんとうなずく。その川は私も、うっすら記憶している。ちなみに父の生家で私も生まれ育ち、中二の頃に新たな家を建てたが、古い家もそのまま隣に残してある。
川は少なくとも、私が中学生の頃まではあった。父がいうには、その川に何かの気配を感じてのぞきこんだら、
「タコ人間がいた」
という。タコと人間の中間のような生き物がいて、父にも気づいたが振り返っただけで悠々と泳いでいって消えたという。
「幽霊を見たという話じゃないんで、なかなかいいにくいのぅ」
と、必ずこれも付け足す。問題はそこのところではないと思うのだが。この話を東京の友人知人に話したら、思いがけずみなさん似た話を持っていた。
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