• このエントリーをはてなブックマークに追加
第80回 秋風に謎めく過去のウラガワ【2】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

第80回 秋風に謎めく過去のウラガワ【2】

2015-09-15 21:00

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第80回 秋風に謎めく過去のウラガワ【2】


    ◆もくじ◆

    秋風に謎めく過去のウラガワ【2】

    ・最近の志麻子さん
     10/12定例トークイベント「オメ★コボシ32」開催
     水曜日のカンパネラ・コムアイさんとの対談記事掲載
     11/14(土)「LOFT MUSIC & CULTURE FESTIVAL」に出演決定
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    センチメンタルな気持ちになる秋。
    妙に心にひっかかっている、奇妙な彩りのある過去の記憶のかけらを今月はたどってゆきます。
    今回は男性編。

    小学生のとき、田舎町で農機具店のおじさんに話しかけられた背後には……
    女性が殺された未解決事件について、自分の縁を語る謎の男は……
    オカルトネタが得意の芸人が、子供のころ訪れた廃墟では……

    メランコリックに、じわりと怖いです。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ
    12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
    2015年1月「
    「大人の冬休みの日記」なウラガワ
    2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
    3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
    4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
    5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

    6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
    7月「異国の夏休みのウラガワ
    8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ

    ※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ====

     秋風が吹いてくると、私のようなガサツなオバサンでも何やらメランコリックというのかセンチメンタルというのか、単なる老化現象かはわからないが、つまりふっと物思いに耽ってみたりするわけだ。 

     秋は、未来を夢見るよりも、過去を懐かしむ方が相応しい気がする。

     そんなこんなで今月は、今さらイタいばかりの過去の栄光などではなく、何かしら心に引っかかっている、ちょっと奇妙な彩りのある過去を振り返ってみることにした。

     前回は私自身の追憶の旅をしたので、今回と次回は他人様のそれを記してみる。
     特に取材に出向いたのではないが、彼ら彼女らがみずから語ってくれた。私だけでなく、みなさんも秋風の中で過去をたどってみたくなったのだろう。
     ちなみに今回は、男性編だ。 

                        ※

     私と同世代で同じ業界にいる彼は、同じような田舎町出身だ。だから彼の昔話は、まったく私とは接点がないのに不思議ななつかしさに満ちている。たとえそれが怖い話でも。

     小学生だった彼はある日、遊びに夢中になって帰りが遅くなった。外灯も人通りも少ない道で、泣きそうになるほど怖かった。そんな夜道は、私もよく覚えている。

     もちろん当時は携帯なんかもないので、親に迎えに来てとも頼めない。途中には藪の生い茂る墓地もあり、必死にそこを走りぬけようとしていたら、誰かに声をかけられた。

     近所に住む、農機具店のおじさんだった。家まで送ってやるといわれ、ほっとした。家までの道すがら、おじさんと何を話したかはあまり覚えてないが、
    「一番怖い女は、『お前なんか殺してやる』と怒る女ではなく、『私と一緒に死んで』としがみついてくる女だ」
     といったのだけは、奇妙に鮮明に覚えているという。小学生の男の子を相手に、ちょっと大人すぎる話だと子ども心にも感じたそうだ。

     翌日から、農機具店の奥さんを見かけなくなった。彼の親もいろいろな噂を聞き、
    「男を作って家出したらしい。あんないい旦那がいるのになぁ」
    「お前をうちに送ってきてくれたときはもう、嫁はいなくなってたんだねぇ」
     と彼にも話してくれたそうだ。彼はなぜか、おじさんの例の話を親にはいえなかった。それから数日経って、県警の刑事が彼の家にも来た。

     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。