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第11回 あなたは昼間のパパ? ナイショのパパ? どっち?

春の木漏れ日の中で、小さな男の子がカーネルサンダース像を指差して「あ、パパだ!」と声をあげているのを見た。若い母親が「ちがうでしょ」とたしなめる。綺麗な光景だった。

何年前だろう。昼間のパパはちょっと違うと忌野清志郎さんが歌ったのは。その歌をラジオで聴いたとき、普通のおっさんもロックになりうるのだと衝撃を受けた。同時にそこまで言わなければパパの価値はわからない時代なのかと少し悲しい気持ちになったのも覚えている。

古来、家族の目の届かないところでパパは頑張っているのは当然とされてきた。結果が伴っていたからだ。しかし景気の低迷と成果主義の導入で給料は上がらない、出世もしない、もしかしてパパは頑張っていないのでは?という疑念が家族から噴出するのは仕方ないことかもしれない。そんな空気を嘆いて、そんなこたぁないぜベイビー!野暮を承知で忌野清志郎さんは歌ったのだ。昼間のパパは頑張っている、と。