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【竹本幹男「カジノフォーリー・ビヨンド!」】 第10回 ミッキーの「世紀の大ロマンス」(愛の真剣勝負〜チョモランマ登頂編)
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【竹本幹男「カジノフォーリー・ビヨンド!」】 第10回 ミッキーの「世紀の大ロマンス」(愛の真剣勝負〜チョモランマ登頂編)

2013-10-12 21:30
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    第10回 ミッキーの「世紀の大ロマンス」(愛の真剣勝負〜チョモランマ登頂編)

    前回の原稿が、編集部をはじめ、各界で圧倒的に好評だった。
    《編集部注:圧倒的というほどではない》

    この連載始まって以来、はじめての体験である。みなさん、ありがとう。

    よって、前回からの「大ロマンス編」を1回分追加し、今回は「中」編で、次回を「終結編」と変更します。

    前回の原稿の評価が気になったオレは、ネットサーフィンをし、こんな感想を見つけた。

    「このオッサンは見事なまでにアホである。こんなオッサンでも大人でいるんだとわかって、とても気が楽になったし勇気づけられた」と。

    そうなんです。「大人だから、こうしなければ」なんちゅうのはないのだ。人生は誰にとっても、限りなく自由なのだ。この感想は、オレを喜ばせたし、オレも勇気づけられたのだった。

    さて、圧倒的に好評だった「半ホモ(バイセクシャル)」体験その2をお贈りしよう。
    《編集部注:繰り返しますが、圧倒的というほどではないです》

    オレは20代前半、映画監督を目指していたので、とにかく映画を見まくった。
    年間300本以上見た年もあったし、1日に三館をハシゴしたこともあった。
    21歳の頃、映画ファンのメッカ・旧「文芸座」(現在の「新文芸座」になる前の汚くて、ホームレスがいたりした)でのことだった。

    映画に集中していたオレは、後頭部及び耳あたりに何か触ってくる「違和感」を感じた。振り返って、後ろの客をにらみつけ、威嚇した。
    安心したオレはまた映画に集中した。

    20分後ぐらい、今度は耳に「ヌルリ」とした湿った感触を覚えた。
    オレはパッと手でその「ヌルリ」をつかんだ。

    それは、なんとなんと、後ろのオッサンのボッキし濡れた「亀頭」だったのだ!

    「フッギャアーっ!」……オレは叫ぶとともに100M世界記録男のボルトのごとく走り、映画館を出た。
    そして、あまりのショックで嗚咽し、ゲロまで吐いたのだった。

    あのエゲツナイ感触。チンポを押し付けられるだけでも気持ち悪いのに、ヌルヌル、ニョキニョキのチンポだっせ!

    今から推察すると、たぶん濡れチンポコ親父は、オレを狙って、はじめから後ろの席に着いたのだと思う。

    この半ホモ事件は、「トラウマ」となり、いまだに私を苦しめるのであります。

    クラーくてアホな半ホモ体験はこの辺にして、前回の「大ロマンス」のつづきである。

    人はなぜ恋をするのだろうか?

    オレが思うには、夢を見たいからではないだろうか。
    夢、つまり、自分の理想とする異性(オレの場合は同性も含まれるが)と恋をしたいという行為である。
    ゆえに、どんな恋も最終的には終わるのである。
    なぜなら、理想の恋人は勝手に描いたイメージであって、現実の恋人はそのイメージと違うからである。
    そういう意味でいうと、夫婦は恋人というより異性の「友情」というのが本質だと思う。

    さて、大ロマンスである。

    オレは「八方尾根スキー場」の「白い小屋」で、京都のノリコと恋に落ちた。
    翌日、彼女はオレがバイトしていた「デュード」というレストランを訪ねてきた。28歳の雇われ店長が気をきかせてくれて、二人でスキーをしに行った。

    真っ青な空、ゲレンデの山上から眺める風景は遠くに山々の峰がそびえ、素晴らしかった。
    恋人二人で見る風景は、よりロマンチックに思え、それだけで二人は胸が熱くなった。

    二人は、ゲレンデの途中でコースからはずれ、白樺に囲まれた林に入った。
    どちらからともなく、二人は唇を重ねた。

    長いなが〜い抱擁のあと、ノリコは「明日、帰らないとならないの。(沈黙)でも、(沈黙)帰りたくない!」と、かぼそい声で言った。
    でも、そのかぼそい声の底に、強い決意が秘められていた。

     
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    最終更新日:2015-06-24 12:10
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