第26回 あなたも女学生に挨拶しよう。「今日も元気満々かい?」
挨拶が好きだ。挨拶をするのも挨拶をされるのも大好きだ。
近所の婦人会の方々が毎朝当番で「おはようございます。いってらっしゃい」と挨拶と声掛けをしているのはとても素晴らしいと思う。毎日の地道な活動が地域のコミュニティーを強めるのだろう。私もご婦人方の挨拶には快く応えている。言葉のキャッチボールだ。
しかし私は1人の市民である前に1匹のオス。当番のご婦人が若い色白美女のときと、枯れ木似の老婆のときとでは対応は変わる。若色白美女には落ち着いた声色を巧みに使い、笑みを浮かべて「おはようございます…」。枯れ木老婆にはカロリーを消費せぬよう喉を使わずに口先だけで「おはっざぃゃーす」。誰が悪いわけでもない。オスとしての本能が私にそうさせるのだ。
私のオスの本能が、枯れ木老婆に残されていたメスの本能を刺激したのだろう。枯れ木老婆はまだ距離がある時点から私に挨拶をしてくるようになった。私には挨拶を返す以外の選択肢がない。