はじまり
-「プロ観戦者への道」ができるまで-

 ちょうど1年ほど前に栗村さんと雑談程度に日本の自転車業界についてお話させていただく機会があり、折角いただいた機会なので素人ながらに考えてみました。

  • 中長期的な視点で今の自転車業界発展において大事なことは何か?
  • 今の自転車業界にはない存在・役割は何か?

 この2点を主に考えた結果、以下のことをゴールとしてやるべきでないのかと結論へ至りました。

日本には「レースに参加する環境」はあるが「レースを観戦する習慣」がないので「レースを観戦する文化」をつくる

 そのために現在の僕たちができることは
  1. 国内のチームや選手、レース関係者をもっと知ってもらう
  2. プロの観戦者と呼ばれる方々に観戦ノウハウを共有してもらう
  3. これらを発信し情報を蓄積していく場を用意する
でした。

 レースを観戦する文化を醸成するにあたって、最も大事なのはレースを観戦してくれるファンの方です。そのファンのみなさまに「レースを観ていただく」「レース会場に来ていただく」そして「楽しい」と感じて欲しい。また「もっとこうだったら良いのに!」「こういうときはどうすればよいの?」のようなファンの方のご意見etc.を受けて、栗村さんと相談しながら何かできるかもしれないということで進めることになりました。

 急いで企画を詰め、ネーミングも栗村さんと相談の結果「プロ観戦者への道」とし、見切り発車のままではありますが、なんとかツアー・オブ・ジャパン(TOJ)公式記者発表に間に合わせることができました。


2016年取材させていただいた記事一覧

 大変お忙しい中、まだまだ微力な小さな存在である「プロ観戦者への道」取材を受けてくれた方々です。前半は、取材をさせていただいた方が次の方をご紹介していただくという方式にて取材をさせていただき、後半は、僕らの方で取材依頼をしていくという試みをしておりました。

 今、振り返っても取材時におけるみなさんの1つ1つの言葉から自転車業界に対する熱い想いを強く感じました。そして、読んでいただいてる皆さんにしっかりとその熱い想いをお届けしていかなければという一心で記事を作成してきました。

 是非、はじめての方も既に読んでいただいた方もお読みください。

 ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

※有料部分に関しては当時の会員さまへの連絡事項です。記事の本編は全て無料でご覧いただけます。

~東京ヴェントス 二戸康寛さん~

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 記念すべき第一回。何の実績もない僕たちのインタビューを受けていただき、小室さんまでご紹介いただきました。はじめて人に教わる観戦HowToは「こんなことして大丈夫なんだ!」「こういうところを観ると面白いのか。」という新鮮な言葉ばかり。

~サイタマサイクルプロジェクト 小室雅成さん~

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 そして記念すべき第二回目は、二戸さんよりご紹介いただいた小室さんです。小室さんは選手でもありながら、自転車業界の発展のためにデジタルやソーシャルメディア活用を勉強されていて、クールな面と情熱的な面、両方お持ちの方だという印象がとても強かったです。僕らにとっても貴重なご意見を聞くことができました。

~イナーメ信濃山形 中畑清さん~

 初対面の僕らに対してとても温かく、紳士的に接してくれた中畑さん。取材中は、常に笑顔で楽しく自転車についてお話してくれる姿は、少年のように熱く語っていただきました。中でも、レース中の見所は「補給です」のお話がとても興味深かったです。それ以来、補給シーンが気になってしょうがなかったです。

~ラバネロ 高村さん~

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 中畑さんにご紹介いただいた自転車界のレジェンド。実際のインタビュー時間は3時間半を超すという、とても印象深い回です。フレームの制作をしながらのインタビューだったため、たくさんの貴重なものを見せていただき、特に勉強になった回でもあります。

~リオモ・ベルマーレ 宮澤崇史さん~

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 さっそうと現れて取材に答えていただき、さっそうと帰られて行くクールダンディな宮澤さん。それが印象的でした。そして、取材に対して、他の方と違う視点で忌憚なき意見をズバズバと言っていただき、改めていろいろと考えさせられました。

~プロ観戦者 宮崎正生さん~

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 栗村さんが国内のプロの観戦者では最初に思い浮かべるのが、この宮崎さんだそうです。プロ観のイベントにも毎回ご参加いただき、レース会場でもフォローしていただけるので大変お世話になっております。

 インタビューも観戦者ならではの視点でのご意見をいただき大変勉強になりました。

~宇都宮ブリッツェン 柿沼章さん~

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 前回の宮崎さんがプロの観戦者になった理由は、当時ミヤタに所属されていた柿沼さんに声をかけられたとのことで、これはぜひお話をお伺いしなければならないと思い、インタビューさせていただきました。そのインタビューの中で意外な事実が判明します。

~宇都宮ブリッツェン専属カメラマン 阪本竜也さん~

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 8月からジャパンカップ&ブリッツェン関連の企画を多く組んできましたが、トリを飾るのは阪本カメラマン。プロ観では、以前より写真はレースと観戦者の架け橋になっていると思い、ぜひカメラマンの方にお話をお伺いしたいと考えておりました。観戦する際に参考になるポイントが沢山盛り込まれています。またインタビュー記事には書いていないのですが、廣瀬さんの高校時代のお話etc.もたくさんお伺いしてしまったので、そのうちどこかで書くかもしれません。

~チャンピオンシステムジャパン 棈木亮二さん~

 実は僕たちはTOJの東京ステージでは裏方をやっていました。その時にフォローしてくださったのが、棈木さんやチャンピオンシステムのみなさんです。そのご縁で、冬の自転車レースということでシクロクロスを教わる回になっています。

 棈木さんには近々生放送にも遊びに来ていただこうと考えておりますので、ご期待下さい。


2016年イベントとハセベのゆるい独り言

「ツアー・オブ・ジャパン公式記者発表」

 プロ観戦者への道として、公式記者発表を生中継するという第一歩となるチャレンジでした。今、振り返っても緊張して望んだことを覚えております。もっとやれたことがあったなと反省と可能性を感じた日でもありました。

スペシャルトーク「TOJについて聞いてみよう!」

 ゲストにツアー・オブ・ジャパン組織委員会 副委員長 田中栄作さんをお迎えして、長年TOJ開催に関わっている田中さんから自転車業界の可能性と魅力をたくさん語っていただきました。初生イベントということもあり、時間が余ったらどうしよう、、と思ってましたがその心配とは、逆に時間が足りなかったことは反省でした!また、栗村さんが事前に進行打ち合わせしてもその通りにいかないことがわかりました(笑)

スペシャルトーク「プロの観戦講座」

 ゲストに栗村修さんをお迎えして、TOJで実践したい観戦方法やプロ観戦者とは?について語っていただきました。この回は栗村トークが爆発した会でしたし、自分も1人の観戦者として勉強になりました。

TOJラジオツール配信 堺〜東京ステージ

 プロ観戦者への道チャレンジ第二弾として、TOJをラジオツールで配信という非常にマニアックなことへチャレンジしました。うまく配信がいかなくてヤキモキしながらもなんとかうまくできたかなと思っております。来年は、もっと深く関わり、観戦者の皆さんへ何かお届けしたいな、と思います。

スペシャルトーク「全日本自転車競技選手権大会について聞いてみよう。」

 全日本自転車競技選手権大会直前ということで「エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース」の著者の佐藤喬さんと、宇都宮ブリッツェンGMの廣瀬佳正さんをお招きして、全日本の見どころ、今年の注目ポイントetc.を教えていただきました。このイベントでのトライは、著者から見た客観的視点と選手視点を照らし合わせることによりどんなトークが起こるのか?というところでした。個人的にこのようなレースとレースの裏側が同時にわかると面白いなと感じたイベントでした。

スペシャルトーク「那須ブラーゼンについて聞いてみよう。」

 那須ブラーゼン運営会社のNASPO株式会社の代表取締役社長に就任しました若杉厚仁さんをお招きして、那須ブラーゼンの成り立ちや、現在の取り組みについてお伺いしました。この会では、初のチームに対してフォーカスした会でした。チームの運営から選手紹介から裏側までリアルなトークをしていただきました。来年は、他のチームでももっとやりたいですね。

ミニトーク「プロ観の明日はどっちだ? ー栗村×ハセベー」

 2016年のサイクルロードレースも折り返し地点を過ぎて、栗村さんに後半戦の見どころや楽しみ方ついてお伺いしつつ、プロ観の活動自体の振り返りや、コメントにて今後の活動についてのご意見・ご要望etc.もお伺いした会でした。この会は、正にプロ観らしい、ファンの皆さんとの双方向コミュニケーションにより「栗スポ」企画が生まれ、実施へ踏み込んだ会でした。こんな会をもっとたくさん来年は続けていきたいです。

スペシャルトーク「宇都宮ブリッツェン 鈴木真理さんに聞くジャパンカップの魅力」

 10月21〜23日に宇都宮で行われるジャパンカップについて、宇都宮ブリッツェンのキャプテン 鈴木真理さんにお話をお伺いしました。ジャパンカップへ向けての盛り上げとオリンピックの振り返りも兼ねてを考えた企画でした。ゲストの鈴木真理選手からは、これまでで一番楽しいイベントでした!との言葉をいただいた時は、嬉しかったですね。また、来年もよろしくお願いします!余談ですが、このイベントと一緒にオリンピックをプロ観の皆さんと一緒に観戦できたらもっと良かったかなと。

※会員限定にはなりますが、この回のダイジェスト動画をアップしております。「鈴木真理さんが昨年のジャパンカップでのアタックについて振り返ります。」もしよろしければご覧ください。

スペシャルトーク「レース以外も盛り沢山!プロ観戦者のジャパンカップ」

 10月21〜23日に宇都宮で行われるジャパンカップ。せっかく現地に行くならレース観戦だけでは勿体無いということで、関連イベントや宇都宮や周辺の街の魅力、おすすめのポイントをプロ観の方に教わる会でした。この会では、観戦者視点でのジャパンカップの楽しみ方を伝えたくて企画しました。イベント進行を実施しながら必死に観戦ポイントを学びました(笑)

宇都宮からジャパンカップクリテリウム直前放送

 この会は、ジャパンカップクリテリウム直前生ライブレポートとしての試みでした。急な実施とTwitterでの告知にも関わらず、ライブ場所まで来ていただいたプロ観メンバーの皆さんには、感謝するばかりでした。時間の制約上、たくさんの情報をお届けできなかったのは残念でしたが、このようなゲリラ的なライブはプロ観ならではかと思いました。

スペシャルトーク「宇都宮ブリッツェン堀孝明選手とジャパンカップを振り返ろう」

 宇都宮ブリッツェンの廣瀬佳正さん、堀孝明さんをお招きして、2016年のジャパンカップをみなさんと振り返りました。この会ですが、2つ狙いとトライがありました。1つは、ジャパンカップ後の熱量が冷めないうちにレース裏側をトークで聞けることによる反応を知ること、そしてもう1つは、堀選手が山岳賞を獲得すると信じて、その予測のもとに1ヶ月以上前からオファーをしていたことによる僕らとしてのトライとその反応を知ることでありました。プロ観イベント史上最高の会員獲得とイベントの盛り上げとなりました。改めてジャパンカップの注目度とファンの皆さんの熱量を強く感じました!

※会員限定にはなりますが、この回の動画をアップしております。「廣瀬GM、堀選手とジャパンカップを振り返ろう」もしよろしければご覧ください。

スペシャルトーク「チームブリヂストン・アンカーの井上和郎選手に聞く14年のプロ選手生活」

 今期引退されるチームブリヂストン・アンカーの井上和郎選手をお招きして、今年の国内ロードレース、14年間のプロ選手生活についてお話をお伺いました。この企画は、その前のイベント懇親会中にプロ観メンバーの方から助言をいただき、実現しました。あの助言がなければこのイベントはなかったです。本当に感謝しております。そして、この会はなんと、プロ観史上最高のイベント参加者とチケットがあっという間になくなりました。そして、このイベントのために東京に留まっていただき、イベント参加していただいた井上選手の人柄と自転車に対する熱い想いに心打たれました。

※会員限定にはなりますが、この回の動画をアップしております。「井上和郎さんに聞く14年のプロ選手生活(前編)」「井上和郎さんに聞く14年のプロ選手生活(後編)」もしよろしければご覧ください。

ミニトーク「プロ観戦者への道 2016年振り返り配信」

 2016年のプロ観戦者への道や国内ロードレースシーンを振り返りました。この会では、初の試みでイベント中に生電話にて放送という企画で非常に盛り上がったのではないかと思っております。4人の方では少ないかなと思ってましたが、時間が足りなかったのと皆さんおしゃべり好きですね(笑)と思いました。この企画は来年も実施していきたいと思います!


栗村さんより

 プロ観戦者の皆さま、いつも多大なるご支援ご協力誠にありがとうございます。

 私がツアー・オブ・ジャパンの仕事に就いてからいくつかの新しいチャレンジがスタートしましたが、そのなかでも「プロ観戦者への道」は個人的にとても想い入れのあるコンテンツといえます。なぜなら、わたし自身が「プロ観戦者」を目指してきた事実があるからです。当コンテンツは、「自転車ロードレースファンの拡大と育成」及び「自転車ロードレースに於ける新たな収益機会の拡充」という二大テーマに挑んでいるわけですが、プロ観事務局メンバーの長谷部氏、宇田川氏の献身的な取り組みと、プロ観メンバーの皆さんのご協力により、様々なノウハウを得る機会に巡り合わせていただいております。2017年のツアー・オブ・ジャパン開催まであと半年を切りました。当コンテンツは現状では限られた時間と予算のなかでの活動となっておりますが、より魅力的なコンテンツにするべく努力して参りますので引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。


2017年プロ観戦者への道

 2016年終わりを迎えまして、2017年度プロ観戦者への道は更なるチャレンジをしていきたいと思います。現在、いろいろな企画を考えております。是非、お楽しみに。

 そして、来年は下記のような皆さんのご意見をたくさんお聞きできればと思っております。
  • こんな人にも取材して欲しい
  • こんな人をイベントに呼んで欲しい
  • この人をもっと知りたい
  • こんな活動したい
  • こんなの作って欲しい
などなど

 今すぐにできることできないことがあるかもしれませんが、ご意見お待ちしております。そして、時には不満な点や物足りない点があるかもしれませんが、来年度もあたたかい目で見守っていただけますと嬉しいです。メンバーの皆さんあってのプロ観でもあり、皆さんの声や喜びが僕らの活力でもあります!本当にありがとうございました。

2016.12.29 ハセベ