木原 浩一さん のコメント
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オーラス、アガリ止めがないルール。 東家の田内プロは2着北家の西村さんと4800点差だった。 田内プロがトップを死守すれば優勝 西村さんがトップをまくれば逆転優勝。そんなしびれる局面でのひとコマ。 8巡目か9巡目、田内プロはまだアガリを目指せそうな牌姿からベタオリを開始した。 他2人は圏外、おそらくここでアガらないし、西村さんに放銃することもないだろう。 ならばこの局ノーテン宣言をして半荘終了 西村さんのツモアガリさえ発生しなければ逃げ切り優勝というシナリオだ。 度胸あるなー と思った。僕は臆病だからあの選択はあの巡目ではまだできない。 ツモ限定条件ということならば捲られる可能性は低い。確かにそう、異論はない。 人の意志が強く介入すればアガリ確率は変動する 別に念を込めればアガリ率が増すとかいうオカルティックな話ではない。 よくよく考えれば当たり前の話だ。 ある特定の人がアガる確率は平均すると20~23%程度だ。 ツモアガリが4割だとして、通常ならばその人がツモアガる確率は10%以下となる。 しかしそれは平均値でしかない。人の意志が強く介入する 条件戦は全く違う。 何も失うリスクがなく、特定のアガリしか価値がない局面 とあらば―― 「リーチ」 西村さんのリーチ発声は田内プロがオリてから1巡後、もちろん逆転手だ。 残り半分、田内プロは懸命にオリる。西村さんは祈るようにしてツモる。結果―― 優勝は田内プロでした 田内プロの英断にケチをつけるつもりは全くなく、むしろ賞賛したい気持ちのほうが強かった。しかし僕が田内プロの選択を真似したいとはあまり思わなかった。 あの舞台に立ち、オーラスベタオリしたことによって逆転優勝されてしまったら 半年、いや1年位夢にまで出てきそう。きっと悔やんでも悔やみきれない。 ショックのあまり、帰りの新幹線を東京行きとは逆方向に乗車し 麻雀プロを辞め、岡山あたりで農家に転身してしまうくらいの錯乱を―― ま、それは冗談ですけど(笑) 月曜日を迎えたくない人のための天鳳配信 番組宛のお便りで 福地ブログ のワンシーン 木原さんならどうするか? との質問がありました。 番組内で答えようと思ったのですが、たまにはブロマガの記事にしてみたいと思います。 A プッシュで ベタオリ派の意見はメチャメチャわかる。放銃即ラスの点数状況、点差は3400点、ツモられてもラス落ちは無い。ノーテン罰符でも3人テンパイ以外はラス落ちもない。 ここは鳳凰卓、同じく放銃ラス落ちのリスクがある南家がテンパイを組める可能性は限りなく低い。ベタオリ有利の理由はこんなにもある。それは重々承知の上なのだが 人の意志が強く介入すればアガリ確率は変動する リーチ棒が出たことによりラス目北家の条件は 2600以上を出アガリ、1000点以上を直撃、500-1000以上をツモ。 何も失うリスクがなく、特定のアガリしか価値がない局面 この巡目、北家が条件を満たす可能性はそんなにも低かろうはずがない。 通常確率は意味をなさない。おそらく体感5回に1回以上 いやもっとか、4回に1回くらいはやられてしまうのではないだろうか? 多少プッシュしたって5回に1回も放銃するとは思わない。両面テンパイのリターンに十分見合うと思う。というか、 ここでベタオリするリスクを軽く見れない のだ。 もちろん全ツするつもりはない。でも次の無筋までは確実に押しそう。 その次の無筋は、巡目の経過と北家の動向次第かな? そこは臨機応変に考えます。 ちなみに ベタオリ派を否定するつもりはありません。 もしかしたらそっちのほうがいいかもしれない。ホントに優劣微妙な選択だと思います。
余談ですが僕は麻雀の家庭教師をしています。 もしも受講者がこの選択ことをを尋ねてきたらどのように回答するか? 実はこういう時、受講者によって違う教え方をしています。 (A)押し気味の選択で損をしていることが多いタイプ (B)オリ気味の選択で損をしていることが多いタイプ (A)タイプの人には、 放銃してラス確定の局面は確実に避けろ と教えますし (B)タイプの人には、 あの河ならそうそう当たんないから押してみなさい と教えます 別に ウソを教えているわけではないんですよ? 受講者にも色々なタイプの人がいます。課題は人それぞれ違うのです。 (A)の人にはオリることの重要性、オリの思考プロセスを ( B )の人には放銃する可能性や、ベタオリ時のリスクを教えます。 本当は時と場合に応じて臨機応変に選択できたほうが良いのです。 でも (A)の人に押しを推奨したら、損益分岐点を超えてもまだ押してしまいそう ( B )の人にオリを推奨したら、見合っている勝負でもオリる癖がついてしまいそう 人に押し引きを教えるときは、ベストバランスに近づけるよう矯正するように。どちらかに偏って成績が伸び悩んでる 人には、そのような教え方のほうが効果的ですよね?
このブログマガジンは、オンラインネット麻雀「天鳳」の最高峰である「天鳳位」を、現役のAリーガープロ雀士である私こと木原浩一が、本気で目指し日々奮闘する様を描いた自戦記、「天鳳」の実戦譜を使った戦術論、麻雀に関するコラム&エッセイ等を、思いつくままに徒然と更新していくものです。
どんな選択にもリスクはありますからね。どのリスクを負うか時と場合に応じて臨機応変に選択しましょう!
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