今からもう5年前の話だ。僕は所属団体最高峰のタイトル「雀王」を獲得し、それからは他団体のトッププレイヤー達と公式戦で卓を囲む機会が急増した。

当時は競技麻雀の成績も良好で、タイトル戦の決勝にも何度も進出していたし、天鳳も長いこと十段を維持していた。今思えばだだの「確変」だったのだが、あまりにも長い間上振れが続いたため、本来の実力以上に自分の雀力を評価していたように思う。

よくいる勘違いした量産型の井の中の蛙だったし、全国各地にどこにでもいる地元じゃ負け知らずの痛いプレイヤーだった。

主な対外試合は「モンド杯」「麻雀プロ団体日本ー決定戦」「麻雀日本シリーズ」などだった。そこで初めて経験することになったのが超門前型プレイヤーが多数を占める麻雀だった。対戦相手の副露に他する評価、堅守のプレイヤーが押す1牌の評価、おそらく僕は他家との距離感が全く掴めていなかったんだと思う。

「モンド杯」で白鳥プロに打った痛恨の放銃
「麻雀日本シリーズ」で勝又プロに打った痛恨の放銃
「麻雀プロ団体日本ー決定戦」で近藤誠一プロに打った痛恨の放銃

5年以上の経った今でも、あの時の事を鮮明に覚えている。もう少しそういった麻雀を事前に勉強することができていたら・・・・・ 少なくとも放銃はなかった。いや、もっと善戦できていたのではないか―― と思わずにはいられないのだ。