フェイクの使い手

かなり昔、僕が頼まれて池袋で裏メンをやってた時のこと

　ドラ


捨て牌はほぼ手出し、あからさまなアレの捨て牌相だった。
僕が安全牌に窮してを選ぶと――

　ロン

ぐぬぬ・・　やられた・・・　



３副露目がをチーして打
やが危険なことは有名な話だが

それと同じくらい有力な情報が
前巡にツモ切られた場に１枚切れのである。

　ツモ　チー　ポン

もしもこんな牌姿だったとしたら
を引っ張ってを切るのは考えにくい

　ツモ　チー　ポン

あのを引っ張ったからには、やはり待ち牌の関連牌か
このような愚形ターツが残っているケースしかないだろう。



ならシャンポン待ちもないしな――
と、サラッとツモ切ったにロンの声がかかる。

おいおい！　よくそんな牌を打つねぇ～？

その雀荘は場末感満載の雀荘だった。
そいつも僕が裏メンだと知ってて煽ってくる。

今なら軽口であしらっただろうか
まだ若かった当時は、顔を真っ赤にして１２０００を支払っていた。

チートイツも、この放銃